日本全国、地方ならではのメニューを食べ歩こう | ||
第一回 帯広『北の屋台』プチ・プレジュールの夜 | ||
チーズが豊富な屋台のお店 | ||
以前一度帯広の北の屋台に立ち寄った際、あまり対応が良くなかったので、ずっと行っていなかったのですが、ふと立ち寄ってみようと思い、プチプレジュールというお店に入りました。実は以前テレビでとろとろのチーズを目の前で溶かしてジャガイモにかけて食べるというのを見て、「これは食べたい!」と思っていたものです。確か屋台は6時からだったなあと思い、時間を確認に寄ったところ、「今からでもいいですよ」というオーナーご夫婦の感じのいいオーラに、昼間の食べ歩きで一杯になった腹を少し休めてから・・・と思ったのに、「あ、それじゃあ失礼します」と入ってしまいました。 実際話しをしてみると、とっても素敵な方々でした。もともと建築関係のデザイナーをされていたということで、最初は屋台の設計などに携わっているうちにご自身でやりたくなって、奥様を3年かけて説き伏せたそうです。ご主人がチーズや生ハムなどお客様の目の前で料理を出していくのに対し、今では奥様もグラタンをはじめ手の込んだおいしい料理を“担当”されています。 チーズのことやワインのことをいろいろと聞きながら、まずはチーズの盛り合わせをいただきました。3種の盛り合わせ(750円)では、カマンベールチーズは食べたことがあったものの、他の二つは珍しいものでした。 ひとつは、チーズを熟成させる際に、十勝ワインの搾りガラをチーズにまぶして熟成させたもの。赤ワインのもので、皮やら種のみならず茎なども混じっているのですが、これらも発酵しているせいか、一緒に食べても違和感はありません。よくこれは何かと、クイズにするらしいので、答えを書いちゃうのもどうかと思いましたが、ま、それほどアクセスがあるサイトではないので書いちゃいました。ちなみに旅行に来ていた豊橋のカップルは味噌かなと答えていました。発酵しているせいか、それだけ食べると不思議なことに味噌のような味がするんですよね。ただ、ほとんど当てることができた人はいないそうです。 もうひとつはお店の名前の由来にもなっている、プチプレジュール。フランス語で「小さな楽しみ」という意味だそうです。直径6〜7センチくらいの小さいチーズで、熟成は具合は若くミルクのテイストが残っており、切り口の見た目はチーズケーキのような滑らかな感じですが、チーズとしての力強さはちゃんとあります。 さて、割と早い時間は観光客の、しかもご夫婦やカップルが多く、東京から来られたご夫婦は、早速例のとろとろチーズをじゃがいもにかけたメニュー、これはラクレット(500円)というメニューなのですが、注文をされていました。ジャガイモは甘味のあるきたあかりというお芋を使用し、一個分を半分に切り、それぞれ4つに切ったじゃがいもの上に溶かしたチーズをとろ〜とかけていきます。もう見ているだけでもよだれもの。その上食べたら本当に旨いんです。 ちなみにこれは絶対食べたいメニューなのですが、ラクレットのチーズと生ハムは、とっても高いので、ほとんど原価だそうです。なので、北の屋台に観光で来る人ははしごする人も多いと思いますが、他のメニューも美味しいので、他にも注文してはしごしてくださいね。 そうそう、旭川のカップルとは大好きなラーメン談義もしました。女性のほうがラーメンに詳しくいろいろ教えてもらいました。東京からのご夫婦はそろって札幌のラーメンの話、豊橋の女性もすがきやの話など、ラーメン好きの女性を連れた男性はうらやましい限りでした。 さて、帯広は十勝地方の中心都市で、酪農や農業が盛んです。じゃがいもや大豆、小豆といった豆類など様々な農作物も美味しいと評判のものが多いのですが、乳製品も昔から評判が良かったと思います。 余談ですが小学校のときに帯広に住んでいて、四つ葉3.4牛乳という今ではそれほど珍しくない乳脂肪分3.4%が当たり前だと思っていて千葉に戻ったら、なんか牛乳が薄い。当時の牛乳は、乳脂肪分は確かナショナルブランドでは3.0と書いてあったのを見て、母親に四つ葉牛乳が飲みたいとねだった記憶があります。 加工品のチーズは、プロセスチーズはもちろん昔からありましたが、ナチュラルチーズはここ数年でかなり十勝のレベルが上がってきたとのことです。先日も国際ナチュラルチーズフェアin十勝で、ヨーロッパ人からも高い評価をもらえるほどになってきたとか。ここの屋台ではチーズの種類も豊富で、いろいろ話を聞いていると非常に面白いです。チーズと共にあうワインの話もありましたが、私はワインの味があまりわからないので、もう少し勉強しなくては・・・と思いました。ただ凝り性なので、ワインにこるとお金がいくらあっても足りなくなりそうなので、あまりはまらないようにしなくては、と思います。 八時から九時くらいになってくると、観光客は引けてほとんど地元の方になりました。その中に、この帯広の屋台村を立ち上げた中心の一人、専務理事の久保さんという方と出会いました。静かながらとてもパワフルさも感じられ、私も地域活性のお手伝いをしている端くれとして、北の屋台が注目され、なぜうまく動いているのかを、とても興味深くお伺いしました。現在、先日行った八戸や青森、宇都宮、小樽などとネットワークを組んで情報交換をしているそうです。視察に来て勝手に屋台村が立ち上がっているケースもあるようですが、形だけまねても失敗してしまうので、是非地域の力になるような取り組みに昇華していって欲しいものです。 そうそう、熊のステーキ初めて食べました。デミグラスソースでいただいたのですが、柔らかい赤身に臭みもなく、とても美味しくいただきました。期間限定、って言うかたまたま熊の肉が入ったらいらないかって言われて、入れてみたって事でしたので、普段あるかどうかわかりません。念のため。 【北の屋台】 北海道帯広市西1条南10丁目7番地 【プチ・プレジュール】 ■営業時間:18:00〜 ■席数 10席 ■定休日:水曜日 ■問合せ先 090-1643-8810 ■URL:http://www.kitanoyatai.com/yatai/puthi.htm |
プチプレジュール外観 きれいな地元産カマンベール チーズに見えますか ラクレットが出来上がっていきます 甘いじゃがいもと とろとろチーズが抜群に旨い ジューシーな熊肉のステーキ |
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