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LB2:「 ログの取り扱いについて 」


 ログの取り扱いについて

 // ログとは… 
  ここでは、パソコン要約筆記に於ける情報保障にて、、リアルタイム表示された
  文字情報の保存した電子データを言います。


T ログの性質
 @ログは、パソコン要約筆記による情報保障でリアルタイムで表示された文字の
  記録であり、その場の通訳内容です。
  当然でありますが、「誤字・脱字・聞き間違い・打ち間違い」等の不正確な要因
  を含んでいる可能性が多く含まれており、その信憑性については、話し手の言
  い間違い、要約筆記の理解の相違、手話通訳者の翻訳違いなど、多くの不確
  定要因が含まれています。証拠としての効力はありません。

 Aログは、パソコンに保存された通訳の記録であり、データとして保存されます。
  電子媒体であるため、コピー、修正、削除が容易であり、その利便性と危険性
  は表裏一体しています。

U 聴覚障害者にとってのログの役割
  パソコン要約筆記は、聴覚障害者にとって、健聴者と同様にその場の情報とし
  て障害を補う手段ですが、聞きながらメモをとる、内容を記憶する、表示された
  文章を理解する為に時間がかかる、資料、講師等を見たために、文字表示を
  見逃してしまったなどのハンディキャップが生じます。ログはこのハンディキャッ
  プを埋めるためのひとつとして、大きな役割があります。

V ログと記録の違いについて
  ログは、リアルタイム表示された文字情報の電子データを保存したものです。
  記録は、100%保存されたデータまたは、発信者(発言者)及び、受信者(聞き
  手)が確認を行い承諾したものを言います。
  よって、パソコン要約筆記で保存されるログは記録ではありません。

W ログの配布について
  ログの配布については、申し出があったときのみ、主催者の承諾を得て配布
  します。このとき、主催者は発信者(講師等)の承諾を必要とします。
  しかし、受益者は聴覚障害者であり、主催者が、ログを必要としたときは、聴
  覚障害者の承諾を必要とします。(聴覚障害者が依頼者であった場合)
  また、ログの転用は禁止です。当事者がログの内容を確認し、修正した記録
  については、発信者の責任に於いて、取り扱ってください。特に、ログの中に
  はプライバーシーや、著作権に関する要素も含まれていますので出来るだけ
  個人の範囲で利用して下さい。

X 要約筆記者(キャプショナー)の権利
  要約筆記者は、その場の情報保障として要約筆記を行っています。
  ログの活用については、主催者に権利がありますが、奉仕員程度の派遣を
  基とした要約筆記協力であり、営利を目的とした情報保障ではありません。
  要約筆記者の技術は、充分営利に結びつけられるレベルであり、実際にこ
  れを職業として成立されたものは社会に存在します。
  主催者は、ログを販売目的に使用するする場合、キャプショナーに対して、
  充分な配慮をしてください。

Y その他
  聴覚障害者の手話による講演等、手話通訳者の読み取り通訳を介しての
  文字情報保障については、手話通訳者の権利が発生します。尚、埼玉県
  の手話通訳派遣事業に於ける手話の映像、通訳音声については、記録を
  禁止していますので、ご留意下さい。


 尚、現在も、記録の取り扱いについては、慎重に県側と話しをしていますが、
 聴覚障害者の権利よりその他の方々の権利が重視されてしまっているため、
 今だ進展はありません。

 また、参考までにこんな情報があります。
 埼玉県のユニバーサルデザインのホームページです。
 http://www.pref.saitama.jp/A02/BP00/universal/2002_july/meeting.htm

 この中の「会議・講演会ガイド」22頁で、次の様に書かれています。
 引き合いに出すには、良い材料かと思います。
 <おわび> リンク先の情報が変更されております。内容については現在見ることが
 出来ません。(2004/09/02現在
  http://www.pref.saitama.lg.jp/A02/BP00/universal/universaltop.html

 
■13 会議・講演会終了に必要なこと
 
 録音テープは紙に変わる情報伝達手段です。視覚障害者のために、催しを
 録音したテープを用意し、必要があれば、後ほど提供することも望ましいこと
 です。
  また、視覚障害者の中には、音声読み上げソフトなどを利用する人もいる
 ため、講演、会議の内容をテキストデータなどで用意できるよう準備するこ
 とが望ましいです。最近は、インターネット上で公開すると、それを読み上げ
 ソフトで聞くことも可能です。

                「会議・講演会ガイド」22頁 引用