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LB19:「NintendoDSによる手書き要約筆記の実験」


 NintendoDSによる手書き要約筆記の実験

 // 新たな要約筆記のツールになるか // 

 任天堂から発売されたNintendoDS。Mobile型のゲーム機ですが、タッチスクリーンを利用して、自由に描いた絵や文字を無線で送受信してチャットを楽しむことができるソフトが内蔵されています。この機能を使って、手書き要約筆記による情報保障が出来ないかという実験を行いました。

  ■概要
 「パソコン要約筆記」という枠組としてキーボードを使わない、手書き要約筆記の電子化ということで、NintendoDSの「ビクトチャット」を利用した情報保障の実験を行いました。
 まず、「ビクトチャット」による情報保障の利点として、以下の点があります。

 1.手書きの利点としてマークや、加筆訂正が行える。
 2.利用者が筆者の隣に座らず、無線で、情報保障が行える為、
   重圧感を感じない。
 3.利用者が、利用していることを周りに知られることがない。
 4.Mobileということで、電源コードも不要。場所を選ばない。
 5.最大16台の接続が可能。
 通信イメージ

離れた場所での情報保障が可能

 これらの点から、今回、彩capsの忘年会という特異?な場所での実験を行いました。
 その内容を報告します。

【手順】
電源投入後の様子 ビクトチャットの切り替え画面

 ビクトチャットを選択。
作業1
 利用する、NintendoDSの電源を入れます。「ビクトチャット」のボタンをタッチペンで、選択します。
 他のNintendoDSも同様に電源を入れ、「ビクトチャット」を選択します。


チャットルーム選択の画面

作業2

 続いて、「参加したいルームを選択してください」と表示されるので、タッチペンで、チャットルームを選択。メンバーがすべて同じルームに入る必要がありますので、「チャットルームA」に入ります。(任意のルーム可)
 異なるチームで情報保障をしたり、混信した場合には、別のルームを選択します。

相手の機器の画面

    相手のDS

チャットルームのメンバー確認画面

 表示部に参加者の名前が表示されます。ここでは、自分を含め、2名が表示されています。

入力画面

 入力部には、上半分に手書き部分、下半分にテキスト入力として、50音配列のキーボードが表示されます。

入力の様子

作業3

 入力部にタッチペンで、文字や、図を書きます。
 付属のタッチペンか持ちにくいので、PDA用の別売りのペンを利用した方が良いでしょう。

 入力が終わったら、キーボードの右上の「SEND」ボタンを押します。

送信ボタン画像← ここ

受信した映像

 手書きの文字が表示。

50音入力の映像

50音キーボードでも入力可能

 送信されると、すべてのNintendoDSの表示部に送られた文字がスクロールアップして、表示されます。 注意としては、送受信時に音が出ますので、ボリウムを下げておきましょう。手書き文字は、2枚分表示されますので、連続して送っても、前文が、上半分に残るので、読むための時間に余裕が出来ます。また、キーボートでテキスト入力も可能です。

手書き、テキストの比較画面

 テキスト文は、入力行数のみ送信表示されるため、表示スペースも狭くなります。

二台のDS写真

  ■実験の様子(居酒屋にて)
入力の様子  まずは、入力者にNintendoDSの「ビクトチャット」の使用方法を説明。
 NintendoDSを持っている会員が少なく、お父さん、お母さん会員が、子供の物を持ち寄っての実験となりました。


 標準的な、販売価格は、14800円。「ビクトチャット」は始めから入ってる機能なので、別売ソフトは、不要です。
説明の様子  使い方は簡単。と説明する様子。
 ゲーム機で出来るのかと不思議に見つめる利用者。

 電池持続時間は概ね6〜10時間(使用するソフトにより異なります)と言うことですが、無線(電波送信)を行なうことで、もう少し短くなるかと思います。
 2時間程度の講演会などでは、1回の充電(フル充電4時間)で、可能と思われます。
DSの外観  NintendoDS
 上半分の画面が表示部。下半分が、入力部分です。

 文字は、手書きとテキストが可能。
 専用のタッチペンで、直接下の画面の入力枠に文字を書きます。

 テキストは、50音配列キーボード(タッチ)。入力は遅くなるが、表示スペースを節約することが出来るので、履歴の量が増えます。
入力の様子  お酒を目の前に、必死に入力している様子。だんだんハマッテしまいます。

 付属のペンは、小さいので、PDA専用のペンを使うと良いでしょう。
 通信距離(電波到達距離)は公称で、10m〜30m。周辺環境により異なりますが、同じ会議室程度でしたら、問題ありません。
 表示例。
 手書きと、50音のテキストで送った比較をしています。

 書くスペースが小さい為、文字数を多く書くことは困難ですが、受信するたびに、文字が上に行単位(ブロック単位)でスクロールしていくので、読み手としては、文字が一時停止となるので、読みやすいです。

 あまり、早く書く文字が欠けてしまいますが、許容範囲内です。
  ■結果 (感想)
 現場での情報保障は、飲み会という事もあり、あまり必要性は無かったが、ホワイトボードの代わりとしても利用でき、重宝した。文字が小さく、大きめに書くと情報が少なくなってしまうが、入力者も利用者も場所が固定化されないと言う利点や、電源を使わない(電池駆動)ということもあり、Mobileタイプとして、かなり有効な方法と言えます。

 今後、現場でテスト使用などを試み、実際の利用者の感想や、意見を聞いていきたいと思います。

 また、通信方式は、IEEE802.11対応および任天堂独自プロトコルの2方式に対応していると言うことです。
 IPtalk(要改良)を使うことで、テキスト文字の受信や、専用のソフト(要開発)を使い、手書き文字の変換送信を受信するなどして、パソコンとの接続、文字受信が出来るようになることを期待します。また、機器に映像出力端子が付くと、更に利用範囲も広がると思います。それが、もし、私たちの技術レベルで可能になれば、是非開発したいものです。



・*HIRO*・