【卒業を祝う会】


■概要

イベント名 卒業を祝う会
依頼主体 個人
団体・組織名 個人
実施年月日 2006月2月28日
開催時間 13:30-15:30
会場場所 さいたま市内
(動員人数) 1名
表示方法 ノートパソコン
表示内容 文字情報
持ち込み機材 ノートパソコン。
考察  小学6年生の難聴生徒の卒業を祝う会のイベントの情報保障。
 利用者が一人と言うことや、設置の関係から、ノートテイク形式によるパソコン表示の情報保障となった。
 利用者のお子さんは、移動が多く、みんなと一緒の場所がよいということから、無線による方法をとったが、通信状態がよくなく、文字が欠落する状態が多々あった。さらに、情報の遅延を考え、8人モニタを表示し、リアルタイムな状態を伝える方法もとった。(何故か、リアルの文字は表示されるが、Enterで消える)
 また、急遽、サーバーを立ち上げ、IPtalkをCHOCOAに流し補足画面とした。
 同時に、WindowsCEのチャット(フリーソフト)画面によるMobile表示も試みた。

■会場の様子

 会場は、体育館。かなり冷え込んだ日となりました。
 利用者は、小学6年生。学校側、親もパソコン要約筆記のことは、あまり、情報が少なく、とても不安そうでした。しかし、学校側も理解して頂き、今回の情報保障になりました。
 現場は、親が入力者の脇に来て頂き、音声のフォロー、次第のフォローなど、お手伝いを頂きました。

 利用者は、小学生という事もあり、表示の文字の漢字や、文字の大きさなどの表示内容にも気を使いましたが、それ以上に環境の設定に気を配りました。
 ・出来るだけ、お友達から離れない。
 ・移動にも対応できる。
 ・他のひとからあまり目立たないようにする。
 これらを加味し、無線LANによるノートパソコンの画面による情報保障を行いました。
 このために、バッテリー駆動時間の長いパソコンを確保しました。
 IPtalkが、無線にはあまり向かないということは、知っていましたが、以前の結婚式での情報保障では、問題が無かったので実行の決断をしました。

 しかし、実際は、文字がしばしば受信出来ないという問題が生じました。
 2台のバックアップ用の表示機もおなじ状態でしたので、IPtalk本体か、アクセスポイントの不具合が考えられました。
 幸い入力状態は、送信され見ることができたので、8人モニタを表示しました。
 見る方は大変ですが、タイムラグは、この方が少ないです。
 また、文字を打っても、Enterキーで送信すると、送られてこない、空行のみが送られるなどの状態で、文面をつなげて読むことが困難でしので、確実に送受信できる方法として、チャット方式を急遽設定しました。
 
画面をのぞき込む様子

小さな台に乗せて見ている様子
先生も興味津々

情報入力席

入力者と親
後ろのパソコンはサーバー

 予備として持ってきたパソコンを急遽有線LANで接続し、チャットサーバーソフトを立ち上げ、IPtalkの入力文をCHOCOAに流す手段をとりました。
 表示機には、CHOCOAを立ち上げ受信出来るようにしました。
 ちょっと、画面としては、複雑に成ってしまいましたが、文字の欠落の補完の為に
行いました。

 また、チャットサーバーにより、WindowsCE機でも、チャットソフトがインストールされていれば、Mobile型で、情報保障が可能と考え、手持ちの、WS003SHを用いて、実験を行いましたが、通信はOKだったのですが、文字化けして利用出来ませんでした。後日チャットソフトのホームページで確認したところ、このWindows Mobile5.には、対応していないとの事。現在開発が進んでいるようです。
表示機設定画面
表示機は、CHOCOA、IPtalk
8人モニタの合成


■反省点

 確実な情報保障が出来なかったことが、反省としてあげられます。
 話す言葉が早かったり、おなじ言葉を多く使う場面があったのですが、「要約」がうまくいっていなかったきがしました。
 利用者の感想もちゃんと聞けず、残念でしたが、決して「よかった」とは言えない状況であったと思います。次回の卒業式は、固定ですので、有線LANで行なう予定です。また、音響についても、もっと検討していかなければ、ならないと思いました。

その後の感想
 お子さんより、下の方が速く出てきてよかった(8人モニター)ことや、友達と一緒に見られて楽しかったこと。教頭先生のお話など、事前の原稿で読むより、見やすくよく解ったこと。ただ、途中通路の関係で、友達と離れてしまったときは残念だったなど、感想頂きました。また、お母さんからは、子供が思っていたい以上にパソコンから情報を得ていたことや、お友達と一緒に画面を見られたことはうれしそうだったと感想を頂きました。

■課題

 今回の現場で、無線LANによる情報保障の課題や、対策、今後のテーマが出されたと思います。
 いままで、多くの人にスクリーンをみてもらう方法ではなく、自分の好きな場所で、すきな方向を向いて情報保障が得られる環境づくりも考えていく必要があると思いました。

 (PDAで表示試験成功