遺言書について

1 遺言書の方式 @遺言は、民法の定める一定の方式により作成しなければなりません(960条)その方式を遵守していな  い遺言は無効です。
A民法が遺言に厳格な方式を要求しているのは、遺言者の死後に遺言の真偽や内容を めぐって紛争が  生じたときに、遺言者に真意を確認することはもはや不可能ですから、一定の方式を遵守させることに   よ り生前における真意を明らかにさせようという理由によるものです。
Bまた遺言書の偽造変造を容易に行えない様にする目的もあります。
C民法の定める遺言の方式は、普通方式3種類と特別方式4種類の計7種類です。
普通方式 自筆証書遺言(968条)
公正証書遺言(969条)
秘密証書遺言(970条)
特別方式 一般危急時遺言(一般臨終遺言)(976条)
難船危急時遺言(難船臨終遺言)(979条)
伝染病隔離者遺言(一般隔絶地遺言)(977条)
船舶隔絶者遺言(在船者遺言)(978条)
2 遺言事項 @遺言は民法その他の法律で定められた事項(法定事項)についてのみなすことができます。
Aそれ以外の事項に関する遺言は無効です。
B法定事項は以下のとおりです。
身分に関するもの 認知(781条1項)
未成年後見人の指定(839条)
未成年後見監督人の指定(848条)
相続及び財産処分に関するもの 寄付行為(41条2項)
相続人の廃除及びその取消(893条・894条)
相続分の指定及びその委託(902条)
特別受益者の持戻し免除(903条3項)
相続分割方法の指定及びその委託(908条)
遺産分割の禁止(908条)
共同相続人間の担保責任の指定(914条)
遺贈(964条)
遺言執行者の指定及びその委託(1006条)
遺言減殺方法の指定(1034条但書)
信託の設定(信託法2条)
3 遺言能力 @単独で有効な遺言をするためには、遺言者に「遺言能力」が備わっていなければなりません。
A遺言は、契約などと同様に、意思表示を要素とする法律行為ですから、本来ならば民 
  法総則編に定められている行為能力が必要なはずですが、遺言については、行為能力制度を適用せ  ず、基本的には遺言の内容・結果を判断できる意思能力さえあれば単独で有効な遺言をすること が   できる能力があるとの立場をとっています。
B未成年者でも満15歳に達した者は、法定代理人の同意がなくても、単独で有効な遺言をすることがで   きます。
C成年被後見人でも、本心に復したときは、二人以上の医師の立会いがあれば、法定代理人の同意なし  に、有効な遺言をすることができます。
D遺言能力のない者がなした遺言は無効です。ただし、遺言能力は遺言をするときに備わっていればよく  、その後に判断能力を欠く状態になったとしても遺言の効力には影響はありません。

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