白根三山(2005年8月8−10日)(単独行です)

 雪辱の白根三山(あれは高校2年の時):初めて白根三山に行くことを計画したのは、高校2年(夏)の時だから、今から16年、いや17年前だろうか。あの頃の雨具はゴアテックスでなく、東レのハイパロンだった、確かあの時はズボンはニッカボッカで登っていた、靴下は2枚履いていた、ガスコンロでなくコンロはホワイトガソリンだった、メタなんてのを持っていったのだ。そうそう、ヘッドランプもLEDではなく、予備電池が必要な旧式のタイプだ。ちなみに、キスリングは自分よりさらに一つ上の世代です、経験していません。
 あの時は、天気が悪く、白根三山を縦走できず、北岳のみを登って帰ってきたのだ(「北岳に来ただけ」であった)。あれ以来、北岳を登る機会もなく、ましてや白根三山を登る機会などなかった。今年も最初は、「趣向を変えて鳥取の大山」などを計画していたが、なんかピンと来なかった時に、「そうだ白根三山にしよう」という考えがふつふつと湧いてきた。ちなみに白根三山というのは北岳(3193m日本2位)、間ノ岳(3189m日本4位)、農取岳(3025m)の3つを総称して白根三山です。

8月8日
天気:くもり時々晴れ
6:46 立川駅発→8:37 甲府駅着
            9:00 甲府駅発(バス)→11:10 大樺沢出合着
                             11:25 大樺沢出合(広河原)発

中央の奥に見えるのが北岳(広河原からちょっと登った場所で撮った写真)

 何はともあれ、バス停を降りて、これから登るであろう山が見えるというのはうれしい。「あそこまで行くのか」という目標。

11:50 大樺沢コースとの分岐
 この時期の百名山にしては、それほど混んでいませんでした。白根御池小屋で泊まったのが正解かもしれない。とはいえ、他がどういう状況だったかは知りません。
13:30 白根御池小屋

白根御池 鳳凰三山(観音岳)

 白根御池小屋で、テントを張る(500円)。白根御池は水深が浅く、「干からびてしまうときがあるのでは」と思う。さて、上右の写真ですが、鳳凰三山の観音岳の写真なのですが、何を勘違いしたのか、「左が仙丈で、右が甲斐駒」だと思い込んでいました。正しくは「左が高嶺(2778mのピーク)で、右が観音岳」です。地図を見ながらだったのだが、「仙丈にしては左に出ている尾根がおかしい」事、「仙丈と甲斐駒にしてはしょぼいなあ」ということには気づいたものの、疑いの目で見れず、90度ずれた山と勘違いしてしまった。仙丈と甲斐駒は、白根御池からは見えません。まだまだだ。

8月9日
天気:晴れのちくもり
3:30 起床
 夜中に雨が降ったが(風は無し)、朝は星空だ。
4:45 出発

       だいぶ近づいた北岳(5:55)            さらに近づいた北岳(6:57)

 そばにいた学生の団体が4時少しすぎにもう出発していた(カイデン行動)。自分も「負けてはならない」と4時45に出発。ルートが「草すべり」で明るかったせいもあるが、この時間でもうヘッドランプ(念のため頭につけて出発したものの)は必要なかったです。
7:10 北岳肩ノ小屋
 「さあ、いよいよ北岳だ」と緊張するも、体力的、技術的にも自分にとって問題ないルートで難なく通過。思っていたよりあっけなく北岳に到着。

          チシマギキョウ

8:00 北岳着
 このときはガスもかかってなく、大展望です。

           仙丈ヶ岳                           甲斐駒ヶ岳


           鳳凰三山                             富士山


          間ノ岳                             中央アルプス


           ピーク写真

8:25 北岳発
 上の写真をとったときにはまだ、大丈夫だったが、5分後くらいにはもう間ノ岳にはガスがかかっていた。やはり、早く出発してよかった。夏のアルプスは9時をすぎたらガスが出てくると思っていたほうが良いかもしれない。しばらくすると、北岳にもガスがかかって見えなくなった。自分は間に合ったのだ。


         ミヤマキンポウゲ?

9:20 北岳山荘
 北岳の展望は確かに間に合ったが、間ノ岳は間に合わずか? 仕方がないと思いつつも、なんか悔しい。間ノ岳の道は小ピークがいくつも続き、ゆっくりと高度を上げていくといった感じです。ガスさえなければ。


     ガスがかかっていく北岳                  たまたま顔を出した間ノ岳

11:15 間ノ岳着

似合わないラガーシャツであるが、買ってしまったので

11:40 間ノ岳発
 間ノ岳から農鳥小屋へのルートは、ガレた岩場が独特の風景を作っています。トムラウシほどではないですが、結構面白い風景です。この良さは写真では伝わらないと思ったので、撮りませんでした。なお、間ノ岳への登りは緩やかでしたが、反対側の下りはけっこう急でした。


   今年も会えたチングルマ                  農鳥小屋から見た間ノ岳

12:35 農取小屋着
 最初はここに泊まるつもりでした。しかし、到着時刻があまりに早かったので、大門沢まで行くことにしました。
12:50 農取小屋発
 それまでは人がだいぶいましたが、農鳥小屋ー農取岳はパタッといなくなりました。時間的に次の大門沢まで微妙というのが理由だと思います。降りてくる3パーティーに会ったと記憶、登るパーティーはおらず。
13:45 農取岳

          農取岳山頂

 農取岳山頂で2人の人に会う。一人は逆方向、もう一人は同じく大門沢へ。
14:10 大門沢下降点
16:20 大門沢小屋
 今回は、小屋に逃げずにきちんと2泊ともテントを張りました。

8月11日
4:00 起床
5:50 出発
 「この日は下るだけで、風景も楽しいものはないのでは?」と思っていましたが、川を渡る橋がけっこうユニークでした。いかにも南アです。

                      






8:35 広河内橋

 広河内橋周辺において、「背丈が1−2mで紫色の花をした植物」が、1kmくらいにわたって川原の5、6箇所に生えていました。「いかにも新手の帰化植物です」という姿かたちをしているのですが、この植物は在来種でしょうか? 場所が場所だけに人が植えたのではないと思います。周囲には法面緑化のために草本を植えたのではないかと考えられる場所が多くありました。
その後:帰化植物で調べたときはナガバハッカが一番近かったのですが、帰化植物ではなく、おもいっきり固有種の「クガイソウ」のようです。
高原と高山の植物 保育社 清水建美著より、抜粋
クガイソウ―低山〜亜高山の湿った草地や川の淵に群生する。高さ80〜150cm。茎は何本も出て大きな株になる。花序は長い穂をつく、長さ20〜35cm、まばらに短い毛が生え、先はたれている。本州、固有。花は7−8月。
 周囲の風景から浮いているという理由だけで、帰化植物かと思った自分が甘かった

9:10 奈良田(バス停)着
 奈良田には温泉があり、前日大汗をかいたので温泉に入るつもりでしたが、水曜日はお休みでした。残念。
9:40 奈良田(バス停)発→11:12 身延駅着
                  11:39 身延駅発→12:28 甲府駅着
                              12:36 甲府駅発→14:20 立川駅着


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            2日目赤(一部手書き)

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