北温泉から三本槍(未踏)

1月28−29日
リーダー:K藤さん メンバー:I藤さん、S田さん、T田T

 雪の中でテントに泊まる:そういえば、最近雪山でテントに泊まってない。つらいこともあるが、あれはあれで独特の良さがある。なんてったって、朝起きて雪の中、周りは雪原。周りには誰もいない。そして、テントの中での水作りとか、テントに雪が入らないようにする独特の工夫。慣れておかないと、体が忘れてはだめなのだ。
 今回は、山スキーでなく「わかん、アイゼン、ピッケル」の世界ですが、久しぶりの雪の生活だ、行けるのなら行きたい。そして、前回巻機山で、テレマークブーツでの歩きで足を引っ張ってしまった。一度、テレマークブーツで雪山を登る練習がしたかった。そして自分は本格的な重登山靴を持っていない(以前はあった)、買うのに3万前後かかるだろう。
 リーダーに問い合わせると、なんとかなりそうなので、今回の山行に参加しました。他の三人はみな経験者、自分に経験があれば、もう少しは山頂に近づけたと思う。貴重な体験をさせていただき、ありがとうございます。今までだとスキーの板を失くしたらもうどうにもならないといった感じであるが、雪の量、質などにもよるが、板が無くても(わかんを使ったにせよ)これだけ歩けたんだ

 I井さんから借りた「わかん」
 今回、自分「わかん」を持っていなかったので、I井さんからわかんを借りました。ありがとうございます。結構使いやすかったです。

1月27日 23:05 高円寺駅発
 1週間前に、会社の飲み会(新年会)がこの日の夕方に行われることが決まって、癖にならないよう気をつけねば

1月28日
天気:曇り、風強し
1:00 上河内SA
1:55 道の駅 那須高原 ここで仮眠
7:20 道の駅 出発
 7時45分には北温泉への入り口についていたが(駐車場まで10分程度)道路が除雪されていなくて、さあどうしよう。別のルートからいけないか、とか考えているうちに、除雪車が来てくれました。この頃から、もう風は強かったです。
8:40 北温泉の駐車場 

北温泉の集落 北温泉

 駐車場から北温泉への道は滑りやすいです。気をつけましょう。
9:15 北温泉を出発
 ここから「わかん」を装着です。I井さんからかりたわかんは、ひもで縛るタイプですが、他の皆さんは、(正式名称が案外知らない)ザックによくある差し込むタイプです。ひもの結び方は、基本的にわらじと同じです(この書き方で何人の人が理解できる? 今時わらじと同じと言ったてねー)。
 出だしは急な登りです。先頭を行く人がキックステップで足場を作りながら進みます。疲れるので、先頭に行く人は5−10分、もしくは100歩で、交代しローテーションをします。不安だったテレマークブーツもなんとかついていける。なんとか流れを作れました。
 最初の登りを通過、しばらくなだらかな道が続く。風は相変わらず強い。そして、下の地図で飯盛山のあたりから、斜面をトラバースするんですけど、ここでわかん歩行にとまどい、自分だけ木の枝に引っかかるのに戸惑い、風がいまだに強いのに戸惑い、バテてくる。
11:40 マウント・ジーンズスキー場・リフト上で休憩
 風も強いし(リフトは動いていない)、上に行くのはやめよう。ここらでできるだけ風の弱い場所を探そう。
12:55 本日のテント場 決定


リフトから少し離れたところに、ほとんど風の吹いていないところがありました(他の場所は木の枝に雪がまったくついていないが、ここは風に飛ばされずついていた)。ここに決定、すばらしいリーダーの判断。正直、リーダーがここまで雪山に詳しいとは、思っていませんでした。テントを張る場所の雪を踏みかため、整地後、テントを張る。そうそう、木の枝を折って外張りのビニールひもにとおして雪の中に埋めれば、ペグを持っていく必要なし。きちんと基礎を抑えてくれるリーダーに感謝。テントに入るときは雪をきちんと落として…、久しぶりに思い出したような気がする。

水を作る(1) 水を作る(2)

全員がテントに入ったところで、久しぶりの水作り。全工程の水をもっていくと大変な量になるので、テントを張った場所で、雪を採取し、それを鍋(コッヘル)に入れて融かし(写真・水を作る(1))、融けたところでろ紙と漏斗を使って水をこしてごみなどを取り除きます(写真・水を作る(2))。久しぶりに水作りをしました、皆さんに感謝。

1月29日
天気:晴れ

7:45 出発
 朝起きると、風が収まっていました(昨日止まっていたリフトも動き出しました)。天気も良し。荷物をテントの中に置いて、必要なものだけ持って、山頂へ向かいます。雪は結構しまっています、わかんを履いた状態で、やわらかいところや多いところでもひざのちょうど下くらいで、基本的にくるぶしくらいです。

あの斜面(中の大倉尾根)をこれから登る 朝日岳

下の地図で、中の大倉尾根の「中」の字のあたりから、斜面が急でアイスバーン状態になったところがあり、わかんでは怖いところがあるのでアイゼンを装着します。自分にとっては初めてのアイゼン・ピッケル(リーダーに借りました)です。ピッケルは輪を腕に通して、矢じり幅の広いほうが前にくるように持つ。わかんではキックステップをしても怖かった箇所がアイゼンなら、楽に登れました。巻機山でも、アイゼンを使えばもう少し楽に登れたと思う。
 朝日岳がかっこよく見える。来た甲斐があった。

中の大倉尾根を登る 朝日岳

10:30 三本槍まであと少し、ここで撤退(スダレ山)
 下りに時間がかかるかもしれないので、早めに下ります。下の地図で左側にある「槍岳」が三本槍岳です。自分にもう少し力があれば、行けたかもしれません。今回は初めての雪山なので(しかもテレマークブーツ)、「山頂に行きたい」など駄々はこねませんでした。往復1時間で山頂だそうです

ニセピーク写真(1) ニセピーク写真(2)中央自分

10:55 下山開始
 登るときは、「ここ下れるのかなー」と不安でしたが、シリセード(お尻で滑る、加速したときはピッケルで調節)で難なく通過。アイゼン歩行(その1)足は逆ハの字で歩く。(その2)初めてのアイゼンだからといって、下ばかり見て歩かない。アイゼンでもあまり沈まないので、下りは、下の地図で中の大倉尾根の「尾」の字の場所までアイゼンで行き、そこでわかんに履き替えました(11時40分頃)。
12:00 テント場に戻る
12:50 テント撤収、テント場出発
 今度は登りで苦労したトラバース路は使わず、尾根の上を行きます。リフトの上まで行ったところで、リーダーがピッケルを休憩した場所に忘れたことに気づき、リーダーは取りに戻る。茶臼岳が雄大に見える。来て良かった。

茶臼岳(左の山)

14:23 北温泉着

露天風呂です。北温泉は鄙びた感じの、陸の孤島のような、時間が止まっているような、不思議な温泉でした。


今回の山行のトラックログ(赤:28日、黄:29日登り、緑:29日下り)

15:40 北温泉発
16:15 北温泉の駐車場出発→19:40 池袋駅

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