(東京都山岳連盟・沢登り教室)
基礎のおさらい:以前に比べて、沢登りもだいぶできるようになってきた。しかし、人が登った後では登れるのに、初見で自分が登るとなると、登れる「自信」がない。「初心者」は脱出しつつあるのだが、「中級者」にはまだまだ、だ。中級者になるために、机上7回、実技5回の「沢登り教室」に参加してみました。今回は、その実技第1回目の報告です。
講師:3名、講習生:自分を含めて13名
6月24日 モミソ沢入り口にある懸垂岩にて、岩登りの基本の確認
天気:曇り時々晴
3日ほど前まで、降水確率70%だったのがうそのように、天気はもってくれました。
7:51 新宿駅発→9:10 渋沢駅着
9:18 渋沢駅発→9:35 大倉(バス停)着
10:00 集合
10:20 大倉バス停出発
バス停を出発 | 懸垂岩までもうすぐ |
12:00 モミソ沢入り口・懸垂岩着
12:25 岩登り教室始まり、最初はトップロープで
ロープの結び方がきちんとなっているか確認 | さあ、出発 |
講師さんによるビレイ | 2本のロープで、2箇所でトップロープを |
講師さんから、まず、「3点支持」をきちっとすること
上半身を岩から離すこと
下降するときは、体軸が岩と垂直になるようにすること
「登る」「降りる」などの動作を、きちんと声を出してビレイヤーに伝えること
などを全員に言われたと記憶しています。
下で、見ているときは「楽勝♪」と思っていましたが、実際に登ると、ルートの真ん中辺がちょっと難しかったです。落ち着いていけば、問題なく、5.5くらいだと思うのですが、もっと簡単でしょうか?
ルートの真ん中でビレイする講師さん | Untitled |
下降する自分 | Untitled |
各自、3回ほどトップロープで登る。なお、終了点の近くには蜂の巣があるそうで(注意していけば大丈夫なようだ)、途中から終了点まで行かず、手前の2mくらいまで登って下降になりました。
14:15 トップロープでの練習終了、次は懸垂下降
トップロープをした場所よりも、さらに右側の場所で、練習をしました。練習なので、いざというときのためにトップロープで確保しつつの懸垂下降です。自分にとって、今年初の懸垂下降です。
懸垂下降 |
利き腕が上に来る形で懸垂下降をするようにと言われました。自分にとって、何度もやっている懸垂下降ですが、季節初めは戸惑う。セルフビレイを取るとき、何を考えたか、ハーネスのギアラックにかけた状態でセルフを取ろうとしてしまう。冷静になればわかることなのに。懸垂下降は1回のみ、もう1回やりたかったが…
16:20 懸垂下降の練習終了、次はブルージックと、二枚カラビナによるトラバースの練習
横にトラバースする練習(ブルージック、2枚カラビナ) |
そもそも、プル−ジック結びを使えばへつりなどを素早く通過できるのですが、上の「横にトラバースする練習」の右の写真が示すように、途中にヌンチャクを使って支点を作らないとザイルが岩から離れてしまいブルージックの意味をなしません。しかし、ブルージック結びでトラバースしていくと、この支点の部分で結び目を解かないと「先にトラバースできないじゃないか?」という問題があります。
この問題に対する対処方法を教わりました。支点に近づいたところで、ブルージック結びの結び目をバックハンドクリップの要領で進行方向に向かってカラビナのゲイトに押し付けてしまえば通過できます。しかし、この方法でも、サイルがカラビナにインクノットで結ばれていた場合、通用しません。その時使われるのが、「2枚カラビナ」で、2枚のカラビナを使い、インクノットの部分まで来たら一枚のカラビナを外して、インクノットの反対側にかける、それが終わったら、もう一方のカラビナも外して、インクノットの反対側にかける。これで通過する。
17:00 本日の講習終了
焚き火用の木を拾いながら、テント場へ向かいます。
17:35 作治小屋着
夕食は、「さとうのごはん」にレトルトカレーなど「ご飯もの」、朝食は「ご飯」では時間がかかるので麺類、が良いようだ(いずれにしろ、重量が軽くて、速く作れて、を講師さんから勧められる)。
テントをこれから設営します | 焚き火をこれから |
やっぱり焚き火は、良い。沢に来たという感じ。縦走だとできない楽しみだ。火があるとなんか落ち着く。空を見上げると、星が見える。天気はもってくれた。
6月25日 水無川本谷の遡行
天気:曇りのち雨
(F3など滝の前ではかなり寒く、長袖にゴアカッパでちょうど良かったです。雨は13時ごろから降り出しました)
6:50 出発
いよいよ出発です。特に班分けということはせず、全員で向かいます。
7:20-7:50 F1(高さ10m)
F1をこれから登ります | F1を登っているところ |
F1(1回目の滝)に到着、滝の左側を(1)まったく水にぬれずに登る(2)滝の下部のみシャワークライミングの、2つのパターンがあります。最初に通過した講習生2人と女性は基本的に(1)を、その他の人間は(2)を選択。自分は(2)でした。久しぶりのシャワークライミングです。水はどちらかというと冷たい程度で、上半身ぬれても特に問題はなかったです。そしてホールドもきちんとありましたが、久しぶりというのはやはり緊張しました。滝の水が、自分の体右半分に当たるとちょっとひるむが、ここでひるんでは何をしに来たかわからないので、ひるまず進みます。
F1からすぐ
7:50-8:20 F2(5m)
F2 | F2を登って、振り返る |
F2は左から登る場合と、右から登る場合があり、左から登る場合、水にぬれます。自分はというと、F1でぬれていたので、F2も水ぬれルートをいきました。それほど難しくなかったです。
一休み | F3手前の小滝を登る |
9:10-10:55 F3(8m)
F3 | F3(滝の上からビレイする講師さん) |
今回の遡行で一番難しいF3です。左側にもルートはあるのですが、今回は全員右側です。何が難しかったか? F1やF2のようにはっきりしたホールドがなかったのと、このことにより途中に何箇所もランニングビレイをとらねばいけない。ランニングビレイがあるので、通過するときにカラビナを付け替える必要があるのですが、はっきりしたホールドがない状態で、これをするのが難しかったです。一番最初のカラビナの付け替えでは、付け替える場所を間違えて、(落ち着いて考えればわかるのですが)自分のハーネスの手前に付けてしまって、進めなくなり、講師さんから怒られました。ランニングビレイの通過ってあまりしたことなくって、初物に弱い…。一人フォールした人がいましたが、距離的にたいしたことはなく、すぐに元に戻せて、講師さんが初めに話していたフォールして滝つぼに落ちた場合の対処の仕方ということもなく、全員無事通過です。いやはや、時間がかかりました。
11:00-12:15 F5
F5 | F5を登り終えて、振り返ると |
最後の難関、F5です。右側に鎖があり、そこをブルージックで登りました。ブルージックで登る方法は前日教わっていて、平らな安全な後ころでやればできると思いますが、急斜面を足場のしっかりしていないところではどうも落ち着けずトンチンカンなことをしてしまう。ちょっとでもうまくいかないと慌ててドツボにはまってしまう自分がいる。たぶんエイトノットでいけばもっと楽にできたと思う、ここはブルージック結びを経験するためにあえてやったのだと思います。
12:20 林道に出会う、本日の沢登り終了(休憩)
書策新道に合流 |
書策新道に出会い、本日の沢の遡行はこれで終了です。まだこの上にも沢は続くのですが、講習第1回目で時間も押してますし、これより下に比べるとこれより上には遡行価値のある箇所もないようです。渓流シューズを普通の靴に履き替えたい人は履き替えます。ハーネス・ヘルメットは、沢の遡行が終わったとはいえ、下りの道にも通過しずらい所があるのでつけたままです。
12:40 出発
登山道にしては、崩壊して歩きづらい所はありますが、ハーネス・ヘルメットは外してよかったと思います。
13:20 作治小屋着
この日のトラックログ(登り:赤、下り:黄) |
13:50 作治小屋発→15:00 大倉バス停着、解散
15:35 大倉バス停発→15:50 渋沢駅着
16:11 渋沢駅発→17:30 新宿駅着
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