地図読み講習(初級)
 子易(バス停)
〜高取山〜念仏山〜善波峠〜吾妻山〜鶴巻温泉駅

主催:ようこそ地形図1年生(平塚晶人)
9月30日

講師:平塚さん、参加者:10名
天気:ほぼ雨

 前日の予報は雨、正直言って中止だと思った。「今年の9月はどこも行かずに終わりか?」 でも念のため講師さんに確認の電話を入れると決行するという、結果としてやっぱり雨でしたけど、行ってよかったです。おそらく山に登っている人の大半(自分を含めて)が地形図の読み方というものがわかっていない、こういう講習に出るとそれがよくわかる。特に、コンパスの使い方が自分はなっていなかったです。それでも、「明日から読図に目覚めて啓蒙活動を」というよりは「せっかく山に来たのなら、地図が読めないよりは読めた方がいい。植物を観賞するように、地形を観賞しよう。」というスタンスの方が地形図と上手くやっていけると思う。ここでいう地形図というのは2万5千分の1地形図のことです。

7:11 新宿駅発→8:11 伊勢原駅着
8:15 伊勢原駅集合

集合場所の伊勢原駅、阿天利神社の鳥居の下

8:25 伊勢原駅(バス停)発→8:40 子易(バス停)着
 伊勢原駅にいるときは雨は降っていませんでしたが、子易のバス停に着いた頃は、予報通りの雨。講師さんから、磁北線がひかれ、チエックポイントが示された地図(ビニールケース付き)をいただく。
8:53 子易(バス停)発
 出発して10分ほどの地点で、コンパスの使い方を教わる。コンパスの使い方なんて、学生時代教わった記憶はある。しかし、教わっただけで、実際に「コンパス」として使うことはなかった。コンパスは山行に必ず持って行っているが、自分の使い方は「北がどっちか」という方位確認のための、コンパスの中でも磁針の部分しか使っていないものであり、回転盤と左辺はずっと使っていなかった。正式なコンパスの使い方は

(1)コンパスの左辺を、地図上の「現在の地点から目標物へのライン」に合わせる。
 (1’)(1)の作業で合わせるラインの1cmくらい左側を折っておくと、(2)の作業で回転盤を回転しやすい。
(2)コンパスの回転盤の中の矢印が磁北線と平行になるように、(左手で、「コンパスの板の部分と地図の位置」が動かないように押さえながら右手で)回転盤を回す。
(3)地図をコンパスから離す(これ以降地図はしまっても良い)。
(4)コンパスの(回転盤でない)板の矢印と体の向きを一致させる。
(5)体を回転することによって、回転盤矢印と磁針を一致させる。
(6)目標物が体の正面にあることを確認

この方法を正しくやっても目標物が正面に見えないときは、現在位置(現在位置の設定を含む)が間違っている。

正面の曲がり角で、コンパスの使い方を コンパスの使い方の講義終了、出発

 しばらくは沢沿いの道を進みます。以下、教わったこととして、
(1)沢での読図方法、「沢では沢の情報を!」(逆に言うと「尾根では尾根の情報を!」)です。
(2)今回のように、沢の右側を進む場合、沢の左側の情報はどちらかというと無視してしまってもよく(沢の反対側の情報は藪に覆われて判別できないことが多い)、沢の右側に入ってくる支流に、注目する。
(3)地形図から沢が読み取れる場合、それが実際にどれくらいの沢であるか現物を見て「地図と現物」の感覚を養うようにする。この感覚は、実際に山に入らないと薄れてしまう。入山直後は、特に意識して「地図と現物」の対応感覚を作っておく。
 沢沿いの道を進んでちょっとした頃、講師さん、ザックからスプレーを取り出し、「ヒルが出るから足もとに掛けておくように」指示。このような、雨の日はそれほどは出ないそうだが、少し進んだところで、講師さんの足にヒルが…。自分は雨なので、スパッツをしているし、下に雨具履いているし、こんな寒い日だし、ざっと確認して、ヒルがいなかったのでそのまま進みました。
10:40 一時、車道に出る
 これで沢沿いの道は終了して、尾根の道に入ります。ここで小休止。
 ここまでは、講師さんがトップで歩きましたが、ここから善波峠までラッセルのようにトップを交代しながら進みます。トップになった人が地図を読みます。講師さん:「次の地点まで説明して」、講習生:「(例)次の地点まで70mの登り、最後の登りが急です。次の地点はピーク、本尾根が左、支尾根が右です」。次の地点まで地図を読みながら進み、次の地点に到着したら、次の人に交代です。
11:40 高取山山頂

高取山山頂近くの分岐(たぶん)

 どうも自分、コンパスの作業で上の表でいう(5)がきちっと理解できていなくて、この頃コンパスの作業に戸惑ってしまいました。家に帰って確認しまして、知識としてはありますが体得していません、近いうちにもう一度実戦で再確認しないとダメでしょう。その他、雨は予報通り降り続けています。雨だとメモするのが億劫になります、写真が暗くなります、視界が悪くなります、休憩をするよりも先に進みたくなります。それ以外は、カッパを着ているから、結構快適なんですけど。
12:50 念仏山山頂

山頂から少し外れたところにお地蔵さん 山頂

 講師さんから、「地図読みとは先を読むことだが、地図の何を読めばよいか」というと(講師さんからいただいた資料より)

【尾根】
(過程) (地点)
登り or 下り? ピーク or コル?
標高差は何m? 本尾根はどっちに曲がる?
傾斜は急? 穏やか? 支尾根はどっちに曲がる?
傾斜は途中で変化する?
【沢】
(過程) (地点)
本流はどっちに曲がる? 支沢はどっちから入る?
本流はどっちに曲がる?

です。先程の例で言うと「過程」の読みが「次の地点まで70mの登り、最後の登りが急です」で、「地点」の読みが「次の地点はピーク、本尾根が左、支尾根が右です」です。これがきちんと読めるようになれば、良いそうだ。

三角点は登山道から外れたところにあり 善波峠

 地形図は基本的に信じてよいものですが、特に登山道などは現実のものとずれていることがあります(登山道は航空写真から判別しずらい)。上の写真では、地形図だと、登山道沿いに三角点があるのですが、実際には登山道は三角点からずれている場所を撮っています。せっかくの地図読み、登山道をなぞるだけでは来たかいがありません。地形を読みながら、登山道から外れたルートを進みます。ちょっとした藪こぎです。
 この三角点から、(登山道のない)左の尾根に確実に進む方法を教わる。コンパスを用いて、現在の地点を三角点にして、目標物を左の尾根にすると、この地点ではたいていうまくいかない。なぜか、左の尾根は三角点から直に出ているのではなく、三角点から少し進んだところから出ている。だから、確実に尾根にのるには、三角点から尾根の出だし部分にセットし、それで進み、尾根の出だし部分にたどりついたところで、現在地を尾根の出だし部分、目標物を左の尾根、としてコンパスを設定するとうまくいく。現在位置の設定をきちんとしないと、コンパスも役に立たないという実例です。
13:50 善波峠

右の道は巻き道ではありません この頃になると雨はやみました

 善波峠からは、順番関係なしに進みます。吾妻山への最後の登りで、地形図には道が一本しかないのですが、道が二手に分かれています。一見すると巻き道に見えますが、巻き道ではなく、別の場所に下ってしまう道ではないかとのこと。ピークは支尾根が入ってくる(可能性が高い)ので、その支尾根の道に合流して、気がついたら下に下ってしまうのではないかとのことです。逆に言うと、支尾根があるということは、現在平らな所でもいずれピークになる可能性があるということだそうです。
14:45 吾妻山山頂
 山座同定は手前から奥へ奥へと進んでいくといいことを教わる。「清掃工場が見えるでしょ。隣に見えるのが、340mのピーク、その隣に見えるのが454mのピーク」
15:15 鶴巻温泉駅着
 解散

今回の山行のトラックログ

15:35 鶴巻温泉駅発→16:40 新宿駅着
 電車に乗っている最中、足に違和感を覚え、ズボンを上げると、そこには2−3cmのヒルが1匹、取って、足で踏みつぶすが、ヒルは体がやわらかいようで登山靴の隙間に入り込んだようだ。うまく仕留められない、電車内なので(座れない)、靴を脱いでチエックすることもできない。しばらく、ほうっておくと、ヒルが靴の底から上がってきた、こんどは踏みつぶさずに床に引き離す。普通なら、次の駅でヒルを電車の外に出すが、快速急行なので、次の駅がなかなか来ない。しばし、ヒルの様子をうかがう。もうすぐ、次の駅というところで、ちり紙を出しそれにヒルを包む。ドアが開いたところで、ヒル入りのちり紙をゴミ箱へ

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