2005 スポーツクライミング Honda ジャパンカップ 加須大会


11月6日 クライミングのコンペの見学です。
なお、男子の予選と女子の準決勝は前日5日に行われました。

7:48 新宿発→8:02 赤羽着
           8:07 赤羽発→8:36 久喜着
                     8:59 久喜発→9:10 加須駅着
9:25 加須市民体育館着

          加須市民体育館

 体育館の中に入ると、高さ20mくらいでしょうか、4枚の壁が用意されてありました。その壁は、ぱっと見ただけでは単調に見えましたが、近くから見ると一つ一つがいろいろに傾斜がつけられており、バラエティに富んでいました。
 なお、前回ヨコハマフェスでは壁がデパートの1階から2階から、正面から側面から見れるようになっていましたが、今回は体育館なので、下からのみです。そして、前回は室内といっても外が快晴で、窓ガラスから外の明るい光が入ってきましたが、今回は体育館の室内の照明以外、光が入らない設計になっていまして、暗い写真になってしまいました。その他、カメラの性能(この時のカメラ210万画素)という問題もある。あ、自分の写真技術という点も(その後、Photoshop Elementsで写真を補正し、だいぶ見れる形になってきました)

設置されてあった壁

10:00 男子準決勝開始

男子準決勝オブザベーション 男子準決勝ルート概略図

 準決勝が始まりました。オブザベーションは6分間、準決勝に参加するのは23名です。上に簡単な、ルートの概略図を載せました。使われるのは、真ん中2枚の壁です。さて、自分も選手に習ってオブザベーションを、と思いましたが、「どこで多くの選手がつまずき、どこが楽に通過できるのだろう。傾斜のない所がどちらかといえば、楽だろうが、傾斜のないところはホールドも少ないようだ」、結局、ぜんぜんわかりませんでした。
 オブザベーションが終わって、いよいよ競技開始です、10時17分に開始。クライミングタイムは8分で、選手の名前が呼ばれて出場してきた後40秒間は登らずに、もう一度オブザベーションの確認ができます。概略図のA地点辺りまではおよそ三分の二の人が、B地点までは、三分の一の人が登れたと記憶しています。あと、体育館内はずっと音楽(邦楽ではない)がかかっているのですが、選手は自分が登っているときは、自分の好きな音楽を選べるそうで、いきなりバッハが流れてきたときはびっくりしました。
 準決勝で印象に残ったのは、2人の選手、まず松島暁人、終了点の手前で落ちてしまいましたが、登るスピード感、歩くようにスイスイ登っていました。クライミングジムのB-PUMPのパンフに、「風を切りながら高みを目指すスピード感は味わってみると病みつきになります」という文章があり、この文章を自分が読んだときは「風を切りながら、登っている人なんかいない」と思った。しかし、松島暁人は、風を切っているかもしれない。そういう絵になる、絵になるというよりは映像になるという点では、松島暁人は平山ユージよりすごいかもしれない。

暗かった画像を明るくしてみました 登っているところの、遠景

 つづいて、「皇帝」平山ユージ、自分には細かい技術など判りようがないのですが、実に冷静で、確実に一つ一つ取っていくような、なんというか総合力です。松島暁人が勢いで行って(と自分は見る)失敗したところも、平山ユージはその手前の場所で、きちんと休んで、きちんと完登です。結局、B地点を越えたのは松島暁人と平山ユージのみで、完登したのは平山ユージのみでした。今大会(男子の部)は、平山ユージのためにあったのか? 世代交代が確実に起こっていて安間佐千のような10代の選手が台等してくる中、30代後半になってもトップを走る彼の姿は見習うものがある。
13:03 女子決勝開始

女子決勝ルート概念図(かなり大雑把) 隣の壁にこれから移る

 オブザベーションがあって、実際の競技は13時12分から始まりました。男子準決勝とルートは異なり、左側の壁2枚が使われます。おそらく、女子のほうが、パワ-よりも技術で登っていて、カウンターバランスを見るなら、男子よりも女子かもしれません。当然といえば、当然なのですが、足を動かしていったところに、ホールドがある。自分なんか、ホールドを一つ一つ確認しないと進めないから、選手が「サッ、サッ、サッと足が動いていく」のを見ると感心する。身体感覚なのかオブザベーションが上手なのか、それとも別の理由か? 決勝参加者は、全員左側の壁は越えていたと記憶、完登した木村理恵と野口啓代の他は、左側の壁を越えた少し辺りで落ちていた。
14:00 女子決勝終了
 二人完登者が出てしまったため、男子決勝の壁で女子スーパーファイナルを行うそうです。
15:07 男子決勝開始

男子決勝・女子スーパーファイナル参加者の顔ぶれ 男子決勝(女子スーパーファイナル)ルート概念図
隣の壁に移動したところ

 オブザベーションがあって、競技開始は15:22でした。男子決勝で、すごいと思ったのは、立木孝明でした。隣の壁に移動するところで、渡るのが難しいと見るや、冷静に、元来た場所に戻るのではなくて、ルートの左側からルートを読んで、見事渡りきっているんです。たいていの人は、じたばたもがくか、元来た場所に戻るだけなのに、別の場所からルートを読むということを、実際に決勝の場で、できるというのはすごいと思います。平山ユージが力を遺憾なく発揮して優勝です。
16:15 男子決勝終了・女子スーパーファイナル
 うまく説明はできないですけど、平山ユージから木村理恵、野口啓代、なんか感動しました。女子は野口啓代が優勝です。
16:30 女子スーパーファイナル終了

16:55 加須駅着
17:04 加須駅発→17:15 久喜駅着
             17:22 久喜駅発→18:18 新宿駅着

最後に:映像型クライミングマガジン Moment4(2006年11月発売)で、この大会のダイジェスト版が見られるのだが、平山ユージがどのように登って、他の人はそこでどんな失敗の仕方をしたか、という内容で、自分は不満です。それまでの過程があるわけだし、失敗するところだけ見せられて、そこを平山ユージが登っていっても…

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