Backcountry Basic Camps Sarc主催

2006年 2月18−19日
 ガイドさん+参加者5人

テレマークスキーのスクールであるSarc主催のBackcountry Basic Campに参加してきました。参加対象は「圧雪斜面ではテレマークの連続ターンが出来るが、オフピステになるとなんだか上手く滑れない方」とあり、よし、これだと思い参加を申し込む。感想は、レベル高かったです。参加者全員がテレマークに対して真剣というか、テレマーク狂というか、自分なんか、テレマーク「も」打ち込みたい程度だったんだ、と。仕事が忙しい中、良く行ってきたし、良い経験になった。「しなきゃいけないことはした」のだが、なんかこのせりふを書くことが最近多すぎる。

2月18日
天気:晴れ
6:24 東京駅発→8:04 長野駅着
            8:11 長野駅発→9:01 関山駅着

最初の予定だと、前夜発だったのですが、仕事が遅くなって長野行きの始発新幹線に乗るしかない、関山駅からはしかたない、タクシーを使ってしまえ、集合時刻の9:30には関温泉スキー場に到着するも、スキーウエア、スキーの準備できておらず、最初から×。



10:30−12:30 ゲレンデ講習
講習内容
(1)後ろ足は極力上げない、主にひざと足首を曲げること
(2)エッジを利かせて滑る。エッジを利かせている足をターン時にじわっと重心移動して、フォールラインに達したところで足の前後差をつける。
(3)ストックはターンの前に突く
(4)ターンの前に体を沈みこませる。
ガイドさんから:自分は、ターンの時、前後差がつきすぎる、もっと狭くていい。ストックをもっと突く。
滑っているところを2度ほどビデオで撮る

昼食は前回関温泉に行った所ではなく、別の所へ、そっちの方がにぎわっていて、メニューも普通でした。

13:30−16:40 アウトドア講習
 さて、ゲレンデの外へ、ということで、ビーコン(雪崩で埋まったときの捜索用、電波発信装置)をつけます。自分は持っていないので、レンタル(1000円)です。ビーコンは3年前に使用したことがあったが、それっきりだ。どんなものかはもちろん知っていたが、細かい装着法がわかっておらず、久しぶりのビーコンに戸惑う。大雑把な使い方を確認する。
 シールを着ける。今回自分、新しく買った板の初アウトドアです。初シールです。事前に、家で着けてみたところ、スキーの板の先が前回よりも広い使用になっていてシールの留め金が外れやすそうだ。じゃあ、今回、搬出用にスキーの板の先に穴を開けてもらったので、その穴にロープを通し、シールの留め金が外れないようにすればよいだろう。ところが、家でやったときはそれほど問題はなかったのだが、実際に外で、シールの留め金をつけて、外れないようにロープをなどと、(シーズン初めの今回に)やっていると、他の参加者はもう準備万端になっていて、早くも調子を崩す。
 実際のシール登行は、えーとですね、テレマークのブーツは登るときの登行モードと滑るときの滑降モードと、選べられるのですが、先ほどのシールの留め金であせっているうちに、滑降モードのまま登ってしまってというのと、前日までの睡眠不足、そもそもスキーの登行技術などが重なって、こんなはずじゃないのに。しかし、今日は午後のみなので、ちょうど自分がばて出した頃に、登り終了となりました。

いよいよ弱層テスト 雪の層を見るために深さ1.5mくらいの穴を掘る(1)

 これから斜面を滑降する前に、弱層テスト(その斜面を滑っても雪崩がおきないか、雪の層を掘ることにより確認)を行います。実は自分弱層テストを体験するのは初めてです。「決定版 雪崩学」という本を読めばわかると思いますが、雪崩が起こるメカニズムは簡単ではなく、1冊の本になってしまうのです。雪崩は雪が降れば起こるというものでなく、どのような雪が降ったか、それがどのように積もったか、降った雪がその後の天気によりどう変化したのか、など非常に複雑です。まず、これから滑ろうという斜面に深さ1.5mくらいの穴を掘ります。

雪の層を見るために深さ1.5mくらいの穴を掘る(2) 矢印の所にくっきりとした層が見えます

(1)掘ってその断面を見ると、上右の写真のように、途中にくっきりとした層が見えます。層をところどころ触ると、積もっている雪もやわらかい箇所と固い箇所があります。ここは握りこぶしでへこむところ、1本指でもへこまないところなどいろいろあります。
(2)ゾンデ棒という雪崩が起きたときに埋まった人を探す長い棒があるのですが、それを雪面に突き刺してみると、ところどころ硬い面があります。
(3)40センチ(と記憶)程度の四角柱を切り出し、その上にスコップをのせ、1.手首を軸にたたく。2.ひじを軸にたたく。3.肩を軸にたたく。ということをして現在どのような状態に雪がなっているかを確認します。1で四角柱がくずれたら、入山禁止。


         四角柱を切り出す
(4)弱層テストが終わったら、次にこの斜面を滑る人の迷惑にならないよう、穴を埋めておきます。テストの結果は問題なし。

 弱層テストも終わったし、シールを外して、さあ出発。と思いきや、先ほど結んだ(留め金を外さないように)ロープが解けない、寒さのため硬くなっている。なんとかかんとか外せたものの、皆さん準備万端。息を整えて、今回の課題は「これ!」って考えながら、滑らなきゃいけないのに。最初でどうもだめ。アウトドアで、テレマークターンをしに来たのに、アルペン滑りで逃げてしまう。あせって攻めることを忘れて、守りに入ってしまう、自滅パターンに。しかも、他の皆さん、上手。この講習は「オフピステになるとなんだか上手く滑れない方」が対象であって、「オフピステになると上手く滑れない方」が対象ではないということか。たまに、意を決して、テレマークターンを試すも、腰が引けてて、ダメ。ダメ押しには、自分ちょっと遅れて他の人はリフトの下で待ってくれたんですけど、自分の普段の感覚だとリフトの上で待ってくれるという感覚で、「いない、別のほうに行ってしまったのか」と思い、来た道を少し登り返す。落ち着いて考えると、来た道を戻って滑るようなことを話していたな、と思い。リフトの場所に戻ると、ちょっと下で待っていてくれました。自分の中の、回路狂いまくり。自分の感覚と10-20m、ズレていた。
 リフト場に戻った先は、再びコース外へ、雪の質はなどと考える余裕はなかったですけど、ふかふかのパウダーが50センチくらいあり、その下にときたま岩あり、という感じだったと記憶してます。最後は、スキー場の脇をつぼ足で登り返して本日のアウトドア講習終了です。


   この日のアウトドア講習のトラックログ(前半の登りの記録なし)

そういえば、前回関温泉に来たとき、温泉がぬるかったと書いたが、今回はそうでもなかったです(源泉かけ流しだと熱かったりぬるかったりするのだろうか)。

20:00 ビデオ講習
 午前中、ゲレンデで撮ったビデオを見ます。他の皆さん、上手です。自分も、テレマークターンはしているのですが、なんか不恰好といった感じ。で、他の皆さん、自分の滑りを言語化出来ているのです。自分の滑っているビデオを見て、ここで重心のかけ方が悪いとか、右のターンは得意だが、左足のターンが遅れてダメだとか、ストックのここの突き方が悪いとか。自分は他の人から指摘されて、初めて「なるほど」といった感じで、この差は何だ。そして、参加者のSさんなどはテレマークスキーのビデオをたくさん持っていて、それを一つ一つ見せてくれるのです。山田誠二(せいじの字がこれでいいか不明)のビデオを持っていて、それを批評しあったり、「ゆきむし」(自分、存在しか知りませんでした)のビデオがどうたらこうたらとか、Sさんはビデオ(実際はDVD)を、20枚くらい持ってきたようです。自分、「日本テレマークスキー教程」と「テレマークスキー バックカントリー」しか持ってません。あと、ニセコがどうたらこうたらとか(ニセコなんて行ったことないです)、会話のレベルが高かったです。

2月19日
天気:晴れ
7:30 朝食
9:00 アウトドア講習
 リフトに乗る前に、このシールの留め金は使えない、ということでガイドさんから新しい輪の広い留め金を購入しました。
9:40 リフトを降りてゲレンデの外へ

シールを着ける(1) シールを着ける(2)

 さてさて、新しい留め金を購入したので、今度は昨日のような留め金の心配はナシ! と思っていたら、留め金が広くなった分下に少しずり落ちて、シールが板ぎりぎりまで来てしまっているのです。今までは少し遊びの部分があってぴったりしていたのに!! しかし、とりわけ問題があるわけでもないと思い、自分に言い聞かせ、シール装着。今度は余裕あり。地図を見る時間もあり、昨日のことなど話し合える時間もあり、順調にことが運ぶ。写真を撮る余裕もあり。滑降モードから登行モードに変える余裕もあり。

妙高山

 先頭を歩いていて、道が急になって、クライミングサポートをということになり。新しい板の初クライミングサポート、今度は前回と違って、ストックでクライミングサポートを出し入れできる。のはずだった、片方ストックで動かしたらクライミングサポートが動いてくれた、もう片方もと思い、ストックで動かそうとしたが今度は動かなかった。仕方なく腰を下ろして、手でクライミングサポートをあげる。上がってくれる。順調、新しい板に変えてよかった。クライミングサポートがあると本当に楽だ。快適に歩いていると、板がするっと滑る。どうやら、ストックであげたクライミングサポートがしっかり上がっていなかったらしい。後ろにいるKさんがクライミングサポートを上げてくれる。そして、先頭を他の人に譲る。その後もクライミングサポートは問題なかったが、調子が良かったのはここまで。

上がっていたと思っていたクライミングサポートが下がっていたせいか、不安感に襲われ始める。またもや回路が狂い始める。で、あせってキックターンをしたら、板ぎりぎりだったシールにひっかかってシールが外れて、そのことにも気づかず歩いていて、突然「え?シール外れている」と思う。そこは平らでない、シールを貼りなおすのはもう少し安定した場所で、シールが利かない、エッジを立てて階段登行だ。なんとかなりシールを貼りなおすが、あせりまくって、先ほどのようにしっかりと板に体重がおけなくなっていた。
 キックターンについてもう一度教わること必要



 その後、休憩をして一息整えたにもかかわらず、臆病感にとりつかれ。絵に描いたように遅れだす。結局、後少しで目的地というところで、時間的に問題があるので、自分のみ50m位下から下山、滑り出すことに。下のトラックログは自分のみの結果です。
11:45頃 シール登行終了・昼食
 さて登りは終わって滑降です。講習中に言われたこと;転んだときは止まってはダメ、少しでも足を動かして次に対してよい体勢を作り、すぐ起き上がれるように(そもそも、転ぶことで自分の動きを止め、一息着いて安心したいのかもしれない)
 斜面は急でした、前日と同じく、心にゆとりがなく、少しテレマークターンを試すもダメ。アルペン滑りで逃げる。アウトドアでは当たり前だが、突然雪質が変わるのに、一々動揺。今回はシーズン初アウトドアだ。板、ブーツを購入して初めてのアウトドアだ。


             沢を滑る

13:40 スキーでの滑降終了・つぼ足でゲレンデの脇を歩く
14:10 講習終了
 他の人はまだ滑っていくそうですが、自分はこれで帰ります。


この日のアウトドア講習(一部違いあり)のトラックログ(赤:登り(リフト含む)、黄:下り、緑:スキーを担いで)

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