さて、日本中を旅行していると色々な出来事に遭遇いたします。その 中には、危険な目にあったことや、ラッキーなことも、そしてムフフな ことも…(^^;)  私の旅行の体験談を”藤次郎旅行記”とでも題して書き込んでいきた いと思います…(^^;)。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 第24話 「聖地巡り一人旅強行軍 =前編=」  今回の旅行記は、ノートパソコンを持参して、旅先で思ったものを書 き留めた物です。 10/16 21:00 現在位置:東京駅八重洲バスターミナルにて。  これより高野山〜吉野山〜橿原神宮〜三井寺〜比叡山〜鞍馬山に至る 3泊4日(内、夜行バス1泊)の旅に出発します。  今の心境はと訪ねられますと、数年ぶりの一人旅ですので、多少気分 がうわずっています(^^;  家を出るとき、日蓮宗の年中行事の一つである”お会式”が近所の日 蓮宗のお寺で行われる日に当たり、お会式の万燈行列に混じって駅にた どり着きました。  これから旅の第一段階として、あと20分後に出発するJR西日本の 夜行バス”ドリーム3号”にてJR大阪駅桜橋口に向かいます。  夜行バスを利用するのは今回が初めてですが、今まで友人達と交代で 夜通し車を運転していたことを思えば、運転しないで寝ているだけなの で、楽だと思います。  今はただ考えることは、道中の無事と天候だけです。  先ほどからバスターミナルを利用する人々を見ていて気が付いた事が あります。それは、夜行バスを利用する客に以外と若い女性が多いこと です。  私の感覚では、女性は新幹線を利用する物と思っていましたが、そう では無いみたいです。 …まぁ、確かに新幹線の約半分の料金で大阪まで行けますし、寝ている 間に目的地に着く事ができますから…などと取り留めのないことを書い ていましたら、出発の時刻になりました。  これより、ビール片手に車中の人となります…次は何時書けるでしょ うか?…よく、眠れますように… 10/17 07:55 現在位置:大阪難波駅発急行高野駅行き電車 車内にて、  昨日の夜に東京八重洲口を出発し、今朝の6:35に大阪桜橋口着、 当初の予定では、そこで朝食をとり高野山に移動する予定でしたが、食 欲が無いので、そのまま地下鉄に乗って難波駅へ…と、書いていたら、 次の駅で人が沢山乗ってきたので、書くのを中断します。 10/17 18:20 現在位置:奈良県吉野山中国民宿舎”吉野山 荘”にて、  あれから、なかなか書く暇ががないまま、今の時間に至っています。(^^; …話を元に戻すと、なぜ食欲が無いかと言うのの原因は、夜行バスにあ ります。  車の中で寝るのは、前で述べました通り平気なのですが、バスのサス ペンションが乗用車より悪いのは計算外でした。バスのタイヤが拾う細 かい路面状態と、加えてこの夜行バスが2階建てバスであり、私が座っ たのが2階席だったので、細かい振動が増幅され気分が悪くなりました …まぁ、それにはつまみなしで一気にあおって呑んだビールも加わって いますが…(^^;  それにも増して頭に来たのは、一晩中車内のヘッドホンステレオのボ リュームを全開にしてヘッドホンから音が大きく漏れているいるのに本 人は平気で寝入っている人がいたことです。  今度の旅行にあたって、アイマスクと耳栓を用意したのですが、耳栓 はバスがトンネルに入る度に車内と耳の中の気圧の差が生じ、頭が痛く なるので早々に外してしまいました。  まぁ、そのために殆ど眠れずに、寝不足のまま大阪駅に到着した次第 です。  また、東名高速は全線にわたって夜間工事の期間で、途中一般道を走 りましたが、浜松あたりで一般道に降りたのは覚えていますが、どこで 高速に戻ったのか途中で眠ってしまったため、覚えていません。  難波駅に至る間、大阪の人の通路の歩き方やエスカレーターの乗り方 が私の居る東京と違っていたので戸惑いましたが、何とか迷わずに難波 駅にたどり着き、そこから極楽橋駅行きの電車に乗ることができました。 その間、電車の接続が良く、わずかに難波駅で家に電話する余裕があっ た他は、難波駅〜極楽橋駅の電車、そこからのケーブルカーとバスの連 絡の良さが幸いして予定より1時間早く”高野山”に到着しました。 (今思えば、全部南海電鉄の経営だった…(^^;)  南海電鉄高野線は、橋本を過ぎると単線になり、山の中を縫うように して極楽橋駅に向かいます。  そのため、本数が少なく往復に時間がかかるので、当初予定していた 途中駅の九度山駅に降りることを断念しました。”九度山”には、真田 十勇士で有名な真田昌幸,幸村親子が関ヶ原の合戦で西軍が負けた後、 ここに流されていたと言う庵があるそうです。  ”高野山”では、まず高野山の一番奥の”奥の院”と言う場所にバス で一気に行きました。ここは、高野山の開祖である弘法大師の御廟があ ります。そこは写真撮影禁止の場所でした。  ”奥の院”のバス停から参道を歩いている内に不思議な物を見ました。  それは、『***供養塔』と言うのが多数あるのです。  戦没者はもちろんのこと、**作業殉職者供養塔と言うのが企業単位 であるのです。(私の会社のは見つかりませんでした(^^;。死んだら祟 ってやろうかしら…)その供養塔も凝っているのがいくつかあって、特 に新明和のロケット型の供養塔は印象に残った一品でした。  天気は快晴で、鬱蒼と茂った杉や檜の大木の林立する中に木漏れ日に 照らされた大きな墓石が林立する光景でした。杉や檜の香に混じって仄 かに香る線香の香りが気分を良くしてくれます。  ”奥の院”から”一の橋”に向かって様々なお墓があります。でも普 通の墓場と違うのは、一般の墓に混じって、織田信長公,豊臣一族,上 杉謙信公,武田信玄公勝頼公親子,伊達政宗公,石田三成公,明智光秀 公などの有名な戦国武将や江戸時代の藩主の墓があることです。  この中の墓には当然遺骸の葬ってある場所が他にはっきりしている墓 もあり、ちょっと不思議でした。  ”一の橋”から歩いて道々のお堂を見ながら歩いていたら、いつの間 にか時間的な余裕が無くなっていることに気がつきました。”九度山” に寄る予定ではとっくに高野山を下りていなければなりません。  どうやら、私は”高野山”自体を甘く見ていたようです。  ”高野山”は、それ自体が大きな宗教都市だったのと言うことを今頃 知った次第です。  そのため、”高野山”にいる時間を午前中一杯と言う”九度山”に行 く前のスケジュールに変更して、歩きながら”高野山”を堪能すること にしました…歩いている内に、たどり着いた高野山の総本山の”金剛峰 寺”は、生憎この大部分は修理のため、カバーが掛かっていました。屋 根に吹く檜皮の寄進を募っていましたので、家族の連名で寄進してきま した。  ”金堂”や”根本大塔”を見ている内に、時間になったのでバス停に 行くと、バスが来るまでにかなり時間があります。  そのために、バスが来るのを気にしながらケーブルカーの駅に向かっ て”女人堂”まで歩いていくことにしました。  途中”徳川家霊台”を見ながら”女人堂”に付くと、バスが来るまで あと15分あります。  誰もいないバス停のベンチに腰を下ろすと、そこには静寂が…そのな にも音がしない静寂で、自分の心臓の鼓動だけが大きく鳴り響いている ような気がしました。その静寂の中で、私は普段自分が如何に音に囲ま れているかという事を知りました。  そして、暫くたって涼しげな風と共に起こる木々の枝々が発する音… 「これぞ自然だ!!」と感動しました。  そうして思いがけずに自然に浸っていた私は、やがてやってきたバス に乗り込み高野山を下山しました。  あと、言い忘れていましたが、実は”高野山”では紅葉を期待してい たのですが、生憎ほんの一部しか紅葉しておらず、それでも全部綺麗に 紅葉した楓を幾つか見つけ、写真を撮ってきました。  …次なる目的地は”吉野山”。  当初、駅すぱーとで調べた結果は、電車間の待ち合わせ時間にかなり 余裕があり、遅い昼食をとれる予定でしたが、なぜか電車間のつなぎが 良くて、切符を買って駆け込み乗車をすること2回、あれよあれよと言 う間に”吉野山”に着いてしまいました。  ”吉野山”に着いたら真っ先に今夜泊まる宿にチェックインして荷物 を置いて軽装で観光を始めました。  しかし、”吉野山”では、観光時間が3時までみたいな雰囲気で、実 際には”吉野山”にある神社仏閣は5時まで拝観できるのですが、周り の観光客目当てのお土産店や飲食店は殆ど店を閉めてしまい、わずかに 開いている店も店先の呼び鈴を押しても出てこない店が多かったです。  ”吉野山”には、狭くて急な坂の中に色々な神社仏閣が点在していて、 それ以前に高野山での強行軍と寝不足の私にとってはとても全部見て回 れないと考えたので、吉野を代表する史跡神社仏閣がある”蔵王堂”と その周辺に絞って観光することにしました。  それでも吉野山全部の観光名所の半数以上を見ることができます。  かなり下にある”吉野神宮”は以前来たことがあるので、今回は初め から観光ルートから外しています。  ”蔵王堂”の”仁王門”を撮っていた時のことです。  ”仁王門”の見事さに、自分の記念写真を撮ろうとカメラを三脚にセ ットしてセルフタイマーを掛けて、急な階段を一気に駆け上がりました。  しかし、カメラのセルフタイマーが途中で止まってシャッターがおり ません。それでも暫くそのまま居たのですが、その後なにも音がしませ ん。仕方なく階段を降りてセルフタイマーを再度セットしてまた一気に 急な階段を駆け上がりました…でも、セルフタイマーはまた途中で止ま ってしまいました。  また階段を降りてセルフタイマーをセットしてまた駆け上がる…と言 うことを数度繰り返し、それでもセルフタイマーが止まってしまいます。  私のカメラはOM−1と言って古いカメラです。ですので今のカメラ と違ってセルフタイマーは機械式なのです。  「…こりゃ、こいつも寿命かなぁ?」 と思ってセルフタイマーをいじっていましたが、そのうち触っていたシ ャッターが押せないのに気が付きました。  「あっ」と、思ってフィルムの巻き取りレバーを引くと、フィルムが まだ巻き取れるではないですか!  そうしてセルフタイマーを掛けると、正常にシャッターが降りるので、 これでようやく記念写真に収まることができました。  観光で疲れた体を引きずるようにして宿に帰った私は、風呂に浸かっ て五体を伸ばし、本日の歩きづくめの強行軍から、ようやく一息つける ことができました。  …思うと、今日がこの旅行での一番の山場かもしれません(^^; −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  まあ、今回はこんなとこで…(^^;) 以上、藤次郎でした。