藤次郎夜話「酒を飲む霊」  私の遠縁の叔母は、若い頃に一人息子と夫に相次いで先立たれ、今でも寂しい一 人暮らしを送っています。  そのため、私の母や叔母達はその叔母の家によく遊びに行って一人暮らしの叔母 を慰めています…  ある日、その叔母の家にその人の兄の妻にあたる私の叔母が遊びに行きました。  この2人が揃うと霊をよく招きます…  この2人がそろって喫茶店に入ると、水が3人分出て来るという事がよく起きま すし、2人が歩いていると3人の人影が見える事があるそうです。(ちなみに、叔 母の血縁にあたる人…たとえば、私の兄とか従兄弟とかがいても喫茶店で水が1人 前余分に出て来る事があるそうですが、私が側にいるとなにも起こりません)  しかし、その霊は今までなんの悪さをしていません。  …話を元に戻しますが、その日の晩叔母達はウイスキーを飲んでいたそうです。  叔母達が話に夢中になっている時、カタンと言う音がしました、ふと見るとテー ブルの上のコップが数センチほど中に浮いていたそうです。  気の強い遠縁の叔母は、  「コラーー!!!」 と、一括したそうです。  すると中に浮いていたコップはガタンとテーブルに落ちたそうです。  後日、その叔母曰く、「悪戯な霊は、怒鳴るのが一番!」と。 藤次郎