藤次郎夜話「夢枕」 其の一  以前、夜中に母が騒ぎ出しまして、隣の部屋に寝ていた私は驚いて何事かと思っ て聞き耳を立てていると、どうやら寝言を言っている様子…  「そこに座りなさい」とか「ちゃんと食べているの?」とか大声で二言三言喚い たあげくに大いびきをかき始めました。(ちなみに母の横で寝ているはず父は、そ の間大いびきで寝ていました(^^;)  翌朝起きて母に夕べのことを尋ねると、次のことを話し出しました。  賽の河原の風景そのまま場所に母と母の兄と二人で居たそうです。  その目前には二人の子供が居てこれもまた賽の河原の光景のように石を積んでし たそうです。  その二人の子供は、子供の頃に死んだ母の妹たちだそうです。  母と母の兄は気の毒がって二人して「ちゃんとご飯を食べているのかしら」とか 「なにをやっているのか」とか会話していたそうです。  で、その話の結末が、どうやら夢を見た日がそのどちらかの妹の命日らしいので す。  母の実家では、ちゃんと供養しているのでしょうか?  …そういえば、母はよく死んだ自分の両親や親戚の人の夢を見ては夜中にうなさ れたり喚いたりしています。  いつぞやは夜中に大爆笑して(さすがにこのときは隣に眠っていた父も飛び起き た(^^;)、家族の失笑を買っていました。  何でも死んだ親戚の叔父達と宴会をしている夢だったそうで…(^^; 其の二  昨年の暮れ風邪を引いて寝込んでいた母が急に背中が痛いと苦しみ出しまして、 背中をさすっても痛みが取れず、場所が丁度腎臓の所であったため、以前から煩っ ていた腎臓の病気が悪化したと思い、救急車を呼んでかかりつけの大学病院に緊急 入院しました。  と、そのころエジプトに旅行していた従姉妹が現地で急な熱で倒れ、その夢に母 の姿がでてきたそうです。熱にうなされながらも従姉妹は母に何かあったのではな いかと案じていたところ(自分の方を心配したらどう?(^^;)、遠く離れた日本で は、以上のような状態になっていました。  私の母方の人達はいずれも霊感が強い人達ですが、今更に驚きました。 (唯一、例外は私ともう一人の従弟だけ…) 藤次郎