車のイグニッション・キーを捻った時から新しい旅立ちが始まります。 また、いつも通い慣れた道を少し外れて見ると意外な発見をしたりする ものです。 私は、年数回の長距離旅行の他に、日帰りのドライブや自分の足を使っ た散策も楽しんでいます。 近場でもちょっとした旅と洒落込むと結構楽しいものです。 そんな中で、またあれこれ起こった事を「藤次郎放蕩記」として書き綴 って行きたいと思います… −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 藤次郎放蕩記 第15話 「富士山麓単独行」  数度に渡る津久井湖への遠征で、ようやく富士山麓に通じる国道413 号線のへの道を見つけたのは、以前の「藤次郎放蕩記」に書きましたが、 いよいよ、身延山に行くべく富士山麓に向かって出発しました。  午前3時に都内の家を出発し、国道246号線〜国道16号線に進み、 橋本から津久井湖に向かって走って国道413号線に入ってしばらく走 ったところで、ようやく辺りが明るくなってきました。  時々地元の車やダンプに煽られて、道を譲りつつここが国道かと疑う ような狭い道をひたすら走ると、森が開けたかと思うとそこは一面のテ ニスコートが現れました。  山中湖畔に着きました。  ここから富士山麓を反時計回りに回ります。  押野八海を経て河口湖,西湖,精進湖の湖畔を通過し、本栖湖で国道 300号線に入ります。(ちなみに、某教団が上区一色村に進出する前 の話)  葛折りの急な下り坂を抜けると、下部温泉に出ます。そのまま富士川 沿いに下って行くと、身延山久遠寺と言う日蓮宗の本山の一つにたどり 着きます。ここは、日蓮上人が晩年を過ごしたところです。(日蓮上人 の墓は大田区の池上本門寺にある)  まだ朝早い(確か午前7時頃)ので、参道の無料駐車場を探してうろ うろして、たまたま開いていた駐車場に愛車を止めると、久遠寺の参道 を登っていきました。  立派な山門(三門)から見える見上げるような長い階段(菩提梯)が 私を威圧します。  ひるまず進むと、一段が50〜70センチ程と思える高さの石段の階 段(最初石垣かと思った)がそびえていました。  一瞬怯みましたが、勇気を出して登り始めました。  途中で何度も休みながら這うように登ると立派な仏殿が在りました。 中からかすかに読経の声がしました。  こから修行場としての奥の院と言う場所にロープウェイが渡っていま すが、ロープウェイの時間が1時間おきなのと、料金が高いのでそのま ままた、石段を這うように降りていきました。  身延山を後にして、次は白糸の滝を目指しました。それには途中で国 道469号線に入らないといけないのですが、行けども行けども国道469 号線を示す道路標識が在りません。とうとう、清水市に出てしまいまし た。  地図を調べましたが、引き返すよりこのまま海岸に出て国道1号線に 出て富士宮市に向かった方が早いと思ったので、そのまま海岸に向かい ました。  清水市郊外で海岸線沿いを走る国道1号線を東京方面に向かい富士宮 市を目指しました。  しかし、今度は富士宮市を示す道路標識が見つかりません。だんだん 目の前に愛鷹山が近づいてきました。  「静岡県は道路標識がないのか!」 と、半分怒りにも似た心境になって、「じゃ、地図だけが頼りだ」と、 国道1号線を出て、富士山に向かって走り始めました。すると案の定、 私は富士宮市を遙かに過ぎていたことが判明し、地図と睨めっこしなが らようやく富士宮市にたどり着きました。  富士宮市にある浅間神社は、富士山を祀る神社です。私は浅間神社を 参拝し、ここで学生時代友人達と富士山に登った際に、私ともう一人の 友人が高山病で九合目で立ち往生したため、私達を置いて残りの無事な 友人が登頂した際に買ってきてきてくれたお守りを納めました。  そこで昼食をとり、白糸の滝に向かって出発しました。  私は浅間山の麓にある白糸の滝には行ったことがありますが、本物の 富士山麓の白糸の滝には行ったことがありません。  白糸の滝に着くと、さすが本物、貫禄が違います。  暫く滝の魅力を堪能した後、朝霧高原を通り、河口湖ICから家路に 着きました。 −−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  まあ、今回はこんなとこで…(^^;) 以上、藤次郎でした。