自然が造るものの中にも、
とんでもなくいびつで不自然なものがあります。
まるで、意思を持っているかのように……
たとえば、
1番目の絵のような気温分布があったら、
どのように等温線を引くでしょうか?
ついつい、2番目の絵のように、
平行できれいな
等温線を引きたくなってきます。
ところが、実際には、
こんななってたり(3番目の絵)、
こんななってたり(4番目の絵)
するから恐ろしいのです。
現在、
高層観測はとても観測地点が少なくなっています。
東日本付近では、八丈島・館野・新潟……という具合。
=とても目が粗いといえます。
1番目のような気温分布を見たとき、
本州上空の気温がすんごく知りたい〜
頼むから長野上空の気温を教えてくれ〜
と思うことが間々あります(笑)
間の気温を知らない限り、
そこで変なことになっていないか、は
推測するしかないということになりますから。
上空1500メートルの気温は、
雨か雪か、というのを検討するときに
とくに重要になります。
冬型の場合、
概ね−6℃〜−9℃くらいで
雨から雪へと変わる可能性が高くなります。
前線や南岸低気圧系の場合は
0℃くらい、
関東平野では、プラス3℃くらいでも
ときに黄色信号です。
ところで、南岸低気圧が通るときには、
北東風が吹き込む格好になります(一番下の絵)
これもまた、恐ろしく不恰好な気温分布を
作る原因に……
北東風が寒気を呼び戻し、
よくこんな楔型になってしまうのです。
他の地方が暖かいのに、
関東だけピンポイントで大雪になるのは
たいていこういうときです。
ひどいときには、
この楔形がもっともっとシャープになり、
青森も札幌も雨なのに、
東京で降雪を見たりします。
が、ここ数年、
この楔形がきれいにでているような、
純粋な南岸低気圧を見ることが
少なくなったような気もします。
一方、高い山に囲まれた内陸で、
4番目の絵みたいな島が
しばしば形成されます。
まわりで南風が吹きこんで、寒気が追い払われても、
内陸盆地には風がさえぎられてしまうためです。
春になっても、本州の内陸にドライブにいくときは
要注意です。
ということで、
等温線をひくときにさえ
ジョウシキは大敵になってしまいます。
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