イモムシ・ガにも性格がある?!

イモムシ・毛虫・チョウ・ガなんてみんな同じ、というべからず。
彼ら・彼女らにもそれぞれキャラがあることがわかってきています。
おとなしいもの、気性が激しいもの……

まず、人懐っこいものの代表としては、
ヤママユガの仲間、オオミズアオを挙げることができるでしょう。

人が近づくと逃げる――これは一般的な昆虫のリアクションです。
ところが、このオオミズアオは逃げません。
それどころか、手を出すとちょこまか歩いて乗ってくることが多いのです。
手乗りにするのが最も易しい生き物、といっても過言ではないでしょう。

アホウドリという鳥がいます。
警戒心がなく、すぐに捕まってしまうことから名づけられているのですが、
これの昆虫バージョンが、オオミズアオということができるでしょう。

(写真上):オオミズアオ
(写真下):オオミズアオの終齢幼虫

反対に、気性が荒いガとしては、
同じくヤママユガ科のウスタビガがいるそうです。
ウスタビガの幼虫は好戦的で、複数の幼虫がいると
すぐに取っ組み合いの喧嘩を始めるとか。。。
(参考)森 昭彦:2008年5月、身近なムシのびっくり新常識100、サイエンス・アイ新書

また、全般的に草食であるイモムシ・毛虫の中では
特異な性質を持つのがジャコウアゲハの幼虫。
ジャコウアゲハの幼虫は、『共食い』の習性が強く、
仲間の背中をすぐにバリバリと齧り始めるといいます。

他のアゲハ類では、
たとえエサがなくなっても共食いなどしてる所を見たことがないのに。

さらに、面白い習性を持つのがスズメガの仲間。
スズメガの幼虫は、体長70〜130ミリに達するジャンボイモムシです。
当然、葉っぱの食べ方もハンパではありません。
そんなスズメガの幼虫がお食事中のとき、
急に触ったりすると、驚いて吐いてしまうことがしばしば……。
「嘔吐」という動作はスズメガ以外ではあまり見たことがありません。

その他、スズメガの幼虫は、
手に乗せると、いわゆる「甘噛み」をしてくるのもおもしろいところ。

イモムシ・毛虫・チョウ・ガの性格をひとくくりにすれば、
草食で、温厚・平和的ということができましょう。
その中でも、それぞれが性格を持つというのは興味が尽きません。

チョウ・ガ類は日本だけでも6000種を超えるとされてるので、
性格を分類するだけでも、23世紀くらいになってしまうかもしれません(笑)

2009.4.24




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