ブック・「さらば、哀しみのドラッグ」


  コメント:新潟市 しおりさん 2004年10月
 私はいつも情報の入手が遅いのですが、これもNHKのドキュメンタリーで知りました。水谷先生はお話がうまくて、引き込まれて聞いていました。この方は「夜まわり先生」として知られている、横浜市内の夜間高校の先生です。 勤めが終わると、そのまま夜の街に出かけて、夜遅くまで遊んでいる若者達の生活指導をしたり、悩みを語り合ったりして、困っている人の手助けをしています。 この本は1998年に出版されたものですので、この前のテレビからも、変わらぬエネルギーを感じました。長い間、若年者の問題を真剣に取り組んでおられる姿には感服しました。
この本は、先生の体験したことがらをまとめています。ドラッグなんて芸能人や、暴力団や、一部の特殊な人が使って社会問題を引き起こしていると思っていましたが、今は一般の人の中にも浸透しているのですね。そういえば、高校生がドラッグを売り買いしていたなんてニュースが、たしかにありましたね。それが今や中学生、小学生へと低年齢化しているのですから、放っておけないですよね。この恐ろしい事実を、この本は記しています。
一口にドラッグとは言っても、いろいろあるそうです。あまりに詳しく書き過ぎて、逆に「寝た子を起こす」のではないかと心配する人もいるらしいですが、私は知らないことの方が恐ろしい気がします。読者には、まじめに読んで、正しく理解してほしいです。
若い時は、大人の真似をしたがります。ちょっといたずらをしてみたい、悪いと知っていても好奇心の方が強いです。心も体も未熟で、自分で自分が分からないです。ましてや自己コントロールなんて出来ない人が多いでしょう。若者は大人を見ても、自分の将来の夢が見られない。先を考えても希望が持てないと言います。かつてないほど豊かな世界にいながら、どこか虚しいと思っている人も多いのではないでしょうか?そんな時興味本意でついドラッグに手を出してしまった、ということもあるかも知れません。だれかに脅されて、ということもありえます。 知らずに与えられて、なんてことがないとはいえません。それくらい、ドラッグは身近なものになってしまったのです。
 ドラッグは恐いです。それは二つの顔を持っていると言われています。つまり最初は天使のほほえみで近づいて来て、その後は死に神の顔で追いかけて来るというのです。心は死に、脳は死に、最後には肉体の死が待っています。 薬物汚染、猛烈な勢いで広がっているそうです。運悪く、依存症や禁断症の人の犯罪に巻き込まれたという、残念な事件もありましたね。通り魔的な事件は防ぎようがありません。恐いかも知れませんが、悪いと言われているものはなぜそう言われているのか、大人も視線を下げて、みんなで一緒に考えてみませんか?
 水谷先生の著書は、他にもいろいろあります。被害者にも、加害者にもならないために、是非一読をお薦めします。

☆☆☆ないーぶネットの詳細情報
書名:さらば、哀しみのドラッグ(サラバ カナシミ ノ ドラッグ)
著者名:水谷 修(ミズタニ オサム)
出版社:高文研 1998年
時間数:4時間18分
録音とデイジーがあります。

これで、さらば哀しみのドラッグのページを終わります。


「じょんのび休憩室」のページへ戻る
トップページへ戻る