ブック・「13階段」


  コメント:とんとん 2003年 3月
 この小説は、平成13年度の江戸川乱歩賞を受賞し、映画化されて今年の2月に東宝系で公開されました。
映画と原作、どちらがおもしろいか、比べてみるのもいいかもね。
読書メモ
法律違反をすれば裁かれる、これは誰もが知っていることです。
だけどもし、事件当時の記憶を失ったままで死刑囚になってしまったら、全く身に憶えのない罪のために、自分は処刑されてしまうのか。
独房で死刑の執行日を待つ囚人の恐怖。「その日」がいつなのか、自分がこの世から消えてしまう日は突然にやってくる。
いつ死刑が執行されるかおびえる囚人の恐怖が、読むものにひしひしと伝わって、ものすごく怖いです。
ストーリーは、冤罪の死刑囚を救おうと仮出獄中の青年と刑務官が真犯人を捜します。
前半、話の内容が重く気持ちが暗くなり、とんでもない本を手に取ってしまったと怖くなりました。
死刑執行の生々しい場面や、犯罪者の家族が人目を忍んで生活していることや、死刑執行人の苦悩など、普段縁のないことが書かれていたからです。
だから早く読み終えたくて、ハラハラする部分を飛ばして読みました。
ところが後半になるとすっかりはまってしまって、寝るのも惜しいほどでした。
最終章までたどり着くと、前半の飛ばし読みをしたところが真相を解明するのに大事なかぎだったことに気がつき、あらためて最初から読み返しました。
こんなとき、CD図書は便利ですね。ページを入力すれば、本をめくるように読みたいページが出ます。
「悪いことをするとおまわりさんが捕まえに来るぞ」。これは、子供の頃、言うことを聞かないときの親の脅しでした。
妹のおやつをくすねたときも、隣の家のイチジクを黙って採ってきたときも、おまわりさんが捕まえに来るかとドキドキしていました。
今は、ちっとやそっとのことでびくともしませんが、「十三階段」には寒気が来るほど脅されました。
怖いお話の好きな方、この本読んでみませんか。
映画の配役 おまけの話
主人公、三上純一役に反町隆史さん、法の名の下に死刑執行を行った刑務官、南郷正二役に山崎努さん。
その他、田中麗奈さん、笑福亭鶴瓶さん、宮藤官九郎さんをはじめ、別所哲也さん、大杉漣さん、井川比佐志さん、 石橋蓮司さん、崔洋一さんら、個性派、演技派のキャストが顔を揃えています。
この映画を観た友人からコメントをいただきました。
原作にはなかった刑務官の娘役の田中麗奈さんが、いい味を出していたとのこと。
娘が結婚するのを機に、両親の離婚を思いとどまらせるといったハッピーエンドにしてあって、見終わってホットできたそうです。

☆☆☆ないーぶネットの詳細情報
書名:「13階段」(ジュウサン カイダン)
著者名:高野 和明(タカノ,カズアキ)
出版社:講談社 2001年08月
点字巻数 全8巻
録音巻数 全9巻
デイジー時間数 12時間57分
これで、13階段のページを終わります。


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