説明
シリカは良質な珪藻プランクトン増殖のために必要な物質であり、自然の流域から供給される。しかし都市化、高度水利用によって湾内に流入する量が相対的に少なくなっている。
珪藻プランクトンは春から夏にかけて主に増殖し、動物プランクトン、魚介類など好ましい食物連鎖のもととなっている。栄養塩類に較べてケイ素が少ないと、増殖期に海水中のケイ素がなくなってしまう。そうなるとケイ素を必要とせず、好ましくない食物連鎖につながる鞭毛藻類が大量に増えてしまう。
参考
有害な赤潮はケイ素の不足が原因 (原島省)
http://eco.goo.ne.jp/navi/files/011226_02.html
シリカ欠損に関する地球環境問題ワークショップ
http://www-cger.nies.go.jp/cger-j/c-news/vol10-7/vol10-7-2.html
鉄分も森林からもたらされ、プランクトンの増殖に必要なものである。流域の森が海を育てるといわれているが、落ち葉などに含まれる微量の鉄分が大きな働きをしているようである
参考
硫酸第1鉄などの施肥
http://www.kumanichi.co.jp/nori/fukkatu/fukkatu06.html
酸化鉄を表面に塗ったコンクリートブロックや消波ブロックを設置した例
http://www.kumanichi.co.jp/nori/fukkatu/fukkatu07.html
鉄塩の添加によるプランクトン増殖の変化
http://criepi.denken.or.jp/jpn/PR/Nenpo/1995J/seika95kankyo22.html
このため早春から初夏にかけ、シリカ、鉄などを補給して好ましい生態系を保持する努力が必要である。