水環境マネジメント検討会 報告書 平成25年3月 国交省下水道部設置
報告書の抜粋   報告書
 2.課題の解決に向けた方向性

(2)季節別や地先別でのきめ細かな汚濁負荷削減対策

A季節別・地域別放流水質の柔軟な設定
 流域全体で、水環境への影響や地域産業への影響を総合的に評価して策定された目標に対して、下水道として栄養塩類等の水域への必要な補給を求められるような状況や、親水性の高い水辺の確保のためより高度な病原性微生物の低減等を求められるような状況等に対応する必要がある。このため、放流先の水質環境基準等への影響や、処理改善の必要性など科学的な検証を踏まえつつ、放流先の状況に応じて、季節別や地先別での処理水の水質管理をより柔軟にできるようにするべきである。

 「瀬戸内海における今後の目指すべき将来像と環境保全・再生の在り方について」に関する中央環境審議会答申        平成25年11月  環境省
答申の抜粋     答申
第4章 今後の環境保全・再生施策の展開
第1節 基本的な考え方に基づく重点的取組

1.きめ細やかな水質管理
新たに、生物にとって良好な生息環境の保全・再生の観点からの水質管理の考え方を、従来の水質保全の考え方に加えることが必要である。すなわち、環境基準化が検討されている下層DO 等も含め、引き続き、環境基準の達成・維持を図りつつ、環境基準を達成している海域については、生物多様性・生物生産性を確保するための栄養塩について、その濃度レベルの設定と適切な維持及び円滑な物質循環を確保するための水質管理を図ることが必要である。
こうした水質管理に当たっては、湾・灘ごと、季節ごとの状況に応じたきめ細やかな対応や川の水質管理との連携・調整が重要であり、その影響や実行可能性を十分検討することが重要である。

(3)栄養塩濃度レベルの管理
環境基準を達成・維持している海域においては、環境基準値の範囲内において栄養塩濃度レベルを管理するための新たな手法を開発しつつ、例えば、下水処理場における環境への負荷量管理などの事例を積み重ねていく必要がある。
 その際には、汚濁物質の濃度レベル、赤潮による被害件数、貧酸素水塊の発生状況など湾・灘ごとの状況や、年間における栄養塩濃度レベルの推移、貧酸素水塊の発生時期、生物の生活史など季節ごとの状況を十分に把握し、検討することが重要である。

 
 「意見具申」 中央環境審議会 令和3年1月26日  
 中央環境審議会「瀬戸内海における今後の環境保全の方策の在り方について」(答申)」(令和2年3月)
を踏まえ、令和3年1月26日に中央環境審議会会長から環境大臣へ意見具申がなされた。
1.順応的管理プロセスによる栄養塩類の管理
 特定の海域ごとの実情に応じたきめ細やかな栄養塩類の管理が必要である一方、現行制度において栄養塩類の削減に主眼を置いた規定が有るものの、栄養塩類の供給については想定されておらず、これに対応するルールが必要。
2.藻場等の再生・創出の促進
以下略