開発の状況
1,浅瀬の埋め立て 東京湾環境科学研究所ニュースNo.18 より
 かつて東京湾には干潟や海浜等の浅瀬が豊かに広がっていました。1936年当時には干潟が136Km2、水深0-10mの浅瀬が381Km2と湾水域面積の40%以上を占めていました(*1)。とくに、東京都内湾域(以下、「都内湾域」という)は江戸川、荒川、中川、隅田川、多摩川の5大河川の流入により、多量の土砂が供給され広大な干潟等の浅瀬が形成され、海苔や貝等の沿岸漁業が盛んに営まれていました。しかし、大都市圏域の拡大に伴い、浅瀬は廃棄物処分場や産業用地として埋立てられ、1990年には東京湾の干潟は10Km2 、浅瀬(水深0-10m)は188Km2まで減少しています(*1)。都内湾域では江戸時代から埋立が行われていましたが、明治以降急速に進み(*2)、明治から平成10年3月までには55.6km2(*3)が埋立てられ、浅瀬はほとんど消失しました
図-2 東京湾の年代別・地区別の埋め立て面積
(出展:国土庁編,東京湾ー人と水のふれあいをめざして)


2,浅場などの変化
    「日本財団事業成果ライブラリー/国際 海洋科学技術協会1996
より

浅場の割合は有明海、東京湾、三河湾で、また干潟割合は有明海で大きく、大阪湾、伊勢湾はいずれも小さい(表-2.1.2)。生物の生息場として重要な干潟、浅場が多く存在しているのは有明海、三河湾、東京湾であり、これらの海湾では、生物の生息環境が良好な状態で維持されていれば生物体として負荷を貯留する効果が期待できる。 

表-2.1.2 干潟、浅場面積の状況

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注) 浅場は干潟域を含む水深5m以浅の海域