住民合意がない
　貴重な自然環境を破壊する
　森林法・鉄道事業法・道路法上も違法性のある
　　　　　　　　　　　　ゴンドラ建設に反対します

万博協会は、万博会場である海上地区（瀬戸会場）と青少年公園地区（長久手会場）の２会場間にゴンドラを建設しようとしています。
　約２km間を８人乗りゴンドラで１日１５０００人の観客を運ぶとされています。このゴンドラ建設には数多くの問題点があります。

・第１に、ゴンドラ建設周辺の住民に対する説明が十分されておらず合意がされていないまま建設を強行しようとしている点です。
　昨年１２月に住民説明会が開催され万博協会は「詳しい計画が作成されたら、また説明会を行う」と住民側に約束していますが、その後開催されていません。協会側は、この間上之山３丁目町内会の要請を無視し、建設予定地での測量作業、地域自治会を対象にした工事説明会を行っています。全く一方的に強行しているものであり問題です。上之山３丁目住民を含め周辺住民への説明責任は放棄されたままです。

・ 第２に、ゴンドラ建設地周辺の環境が破壊されることです。
　鉄塔建設地周辺には、絶滅危惧種に指定されている植物のカザグルマ、昆虫のギフチョウ、猛禽類のオオタカの成育、営巣が確認されています。ゴンドラ建設により大きな影響が出ることが予想されています。９月１９日に出された『ゴンドラ設置に伴う環境影響調査報告書』では「影響は総合的に回避又は低減できるものと判断した」（１６２Ｐ）とされています。
　しかし、オオタカ営巣は今年発見され十分な資料が作成されていません。ゴンドラルート上を横断したり餌を捕る行動が確認されています。カザグルマ成育地については全く取り上げられていません。
　このような不十分なアセスメントによってゴンドラ事業が強行されれば環境破壊が引き起こされることは明らかです。

・ 第３に、ゴンドラ建設事業許認可についての違法な行為です。
　保安林内での建設工事が１年以上行われ、大規模な地形改変がされることが明らかですが、手続きに時間がかかる為として保安林解除をせず『一時作業許可』でゴンドラ工事の手続きを進めようとしています。森林法に違反する行為です。
　ゴンドラの鉄柱は基礎造成の為に巾７m、深さ２,５mもの穴を掘りここにコンクリートを流し込んで建てることになっています。万博終了後は、山林内に基礎となったコンクリート部分は、掘り出すとかえって森林が荒らされるからと、そのまま放置される予定です。森林回復の措置はとらないままにしようとしています。
　『一時作業許可』は本来森林機能の維持、回復の為に行われることを前提として許可される作業ですから、この点からも森林法に違反する行為です。
　ゴンドラ事業は、鉄道事業法３２条により国土交通大臣の許可を受けなければなりません。乗客の安全確保、施設の安全確保が確実なものか、審査されなければなりません。東海大地震の強化地域となった長久手町・瀬戸市ですが、震度６の地震によっても倒れない耐震性があるのでしょうか。上之山３丁目地内の山林は、崖崩れの起きやすい地区と指定されていますが、大雨での崖崩れによるゴンドラ支柱倒壊防止対策はとられているのでしょうか。万が一ゴンドラが途中で停止した場合、乗客は安全に救助されるようになっているのでしょうか。
　これまでの協会の説明会では全く明らかになっていません。不十分なまま許可が出されるのなら許可の取り消しを求めることになります。
　又、このゴンドラは１日１万台以上の車が通行する、国道１５５号線と県道グリンロードの上空を横断します。道路法による道路占用許可を取らなければなりません。道路を通行する者にとって上空を８人乗りゴンドラのような巨大な物体が１６秒に１台も通過することは目障りであり、車の安全運転に支障をきたすものとなります。強風や、運行事故により道路上に落下すれば大惨事となり安全性が確実に確保された上でなければ道路占用許可は認めるべきではありません。ゴンドラの乗り物そのものが落下する事故が毎年１件は発生しています。国土交通省のゴンドラ事故報告書から明らかです。このような危険が予測されるとき万博に協力する為として安易に道路占用許可を出すことは許されません。森林法・鉄道事業法・道路法上も認められない違法な事業です。
　このような違法な事業許可に対しては、行政不服審査法による許可取り消しを求めていくことになります。

＜ゴンドラ（索道）事故報告、全国のまとめ＞

　万博ゴンドラは本当に大丈夫だろうか。道路に落下しないとは言えない。
途中で停止すれば乗客はどのように救助されるのか。救助を口実に道路建設がされる。　　　　　　　　　 　　03.10

←ブラウザの｢戻る｣ボタンでお戻りください