<愛知万博ゴンドラ問題意見交換会> 2003.6.16

6月16日、上之山3丁目町内会の方3名と共に、ゴンドラ建設反対を訴えるため、東京にて各省庁への要望を行ってきました。当日は、大島令子衆議院議員のはからいにより各省庁担当者との「意見交換会」として国会議員会館会議室で要望を行いました。

 各省庁に対する要望事項と、その後の6月25日付け回答は以下の通りです。



◆経済産業省博覧会推進室

【要望】ゴンドラ計画は、上之山3丁目町内会としては認められない。プライバシーが侵害される。土砂崩れが起きやすい場所であり、住宅地の安全が損なわれる。道路が将来通るきっかけとなる。の理由で問題があり、住民合意のないゴンドラ建設が突然、強引に進められており白紙撤回を求める。

【回答】

・ゴンドラ計画につきましては、これまで、博覧会協会において地元説明会を3回開催し、ゴンドラの必要性やルート、支柱の位置等について説明を行ってきたところです。現在博覧会協会において測量・設計を行っておりますが、今後それが終了した段階で、改めて地元説明会を開催する予定と聞いており、また、当省としては、引き続き地元の理解を得るための努力を尽くすよう博覧会協会を指導してまいります。

・また、ゴンドラ計画の環境対策につきましては、昨年6月の環境影響評価書に対する経済産業大臣意見で、希少植物種の生息位置に配慮することや追跡調査を実施することなどを博覧会協会に対し指導してきたところであります。博覧会協会は、これに従い、現在追跡調査を行っているところであり、調査が終了し追跡調査報告書が送付された段階で、当省としては、環境保全の観点から、必要な助言を行ってまいります。


◆林野庁治山課

【要望】ゴンドラ建設工事が保安林指定地でなぜ一時作業許可行為で行われるのか。大規模開発行為は正しくは保安林解除手続となるのではないか。県知事認可でごまかしているのではないか。

 ゴンドラ土台のコンクリート基礎が万博終了後も保安林内に残したままにするのは産業廃棄物を不法投棄するのと同じことでないか。

【回答】

1.保安林内のゴンドラ設置に係る作業許可につきましては、許可申請が愛知県に提出された段階で、県知事が森林法及び処理基準等に照らし、許可の適否について判断することになります。

 林野庁としては、作業許可に係る個々の事案に対して許可の適否を判断する立場にありませんが、県から相談を受けた場合は、必要な助言を行ってまいります。

2.ゴンドラの土台につきましては、その具体的な内容が明らかではありませんが、一般に、一時的な土地の形質の変更行為のための許可であれば、変更行為の終了後には植栽され森林に復旧されることが必要であり、その支障となるものについては、原則撤去する必要があります。


◆環境省総合環境政策局環境影響審査室

【要望】ゴンドラ建設についての環境アセスメントについて環境省はカザグルマやギフチョウを保護する立場で建設を認めることのないようにしてもらいたい。ゴンドラの土台が万博終了後も残ることには問題がある。

【回答】

「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価書」(平成14年6月)では、「会場間ゴンドラ設置に伴う環境影響調査」について、追跡調査を行うものとされています。環境省は、経済産業省が定めた「2005年日本国際博覧会環境影響評価要領」に基づき、追跡調査報告書に関して環境の保全の見地から必要であれば経済産業大臣に対して助言を行うことになります。さらに、経済産業大臣は、環境大臣の助言がある場合はこれを踏まえ博覧会協会に対して助言を行うことになり、事業者である博覧会協会は、経済産業大臣の助言を踏まえ、環境の保全のための措置を新たに講ずるなど適切な対応について検討することになります。

 なお、ゴンドラの土台の取り扱いについて今後事業者である博覧会協会で検討されるものであり、現時点でどのように取り扱われるかについては聞いておりません。


◆国土交通省道路局路政課 鉄道局施設課

【要望】ゴンドラは国道155号線上を通る。上之山3丁目団地にとって、一ヶ所しかない出入口は、この国道155号線につながっている。ゴンドラ運行時に国道上での事故があった場合(物が落とされたり、ゴンドラが落ちたりした場合)住民生活は重大な影響を受ける。ゴンドラの安全性はどのように確保されているのか。国道やリニアモーターカー上空を横断するための十分な安全対策は示されていないのではないか。

【回答】

1.ご指摘のゴンドラにつきましては、平成17年3月から愛知県内で開催予定である国際博覧会の二つの会場を結ぶ観客の輸送機関であり、鉄道事業法に基づく索道事業として建設が計画されているものと承知しています。

 万博のゴンドラのルートにつきましては、現在調整中であると聞いていますが、国道155号線等の一部を上空で横断する可能性があることから、現在、担当の道路管理者(国道155号線については、中部地方整備局・名古屋国道事務所)において、設置予定者である財団法人2005年日本国際博覧会協会(以下「協会」といいます。)から事前の相談等を受けているものと承知しています。

2.道路上に工作物、物件又は施設を設ける場合には、道路管理者の許可を受けなければなりませんが、索道事業に関する施設は、鉄道施設に類するものとして、この許可を受けることが可能です(道路法第32条第1項第3号)。なお、その可否は、個別の案件に応じて判断されます。

3.道路上への施設等の設置に関する許可を受けるためには、道路の構造保全や円滑な通行に支障を及ぼさないように安全性が確保されることが必要です。

 ゴンドラの安全性については、索道施設が鉄道事業法の技術基準である「索道施設に関する技術上の基準を定める省令」(以下「索道省令」といいます。)に適合し、かつ、索道事業者による適切な維持管理により安全の確保が図られる必要があります。

4.さらに、ゴンドラが道路等の上空を通過する場合は、乗客がゴミ等を捨てたり、不注意に物を落とすこと等によって、道路の通行への影響や道路の汚損等を生じる可能性が考えられますが、これについては、その防止策が適切に講じられることが必要であり、索道省令第17条においても、ゴンドラからの物の落下により危険の生じるおそれのある箇所には、適当な保護設備を設けることとされております。

5.道路管理の観点からは、道路上を横断してゴンドラを設置することにつきましては、以上のような円滑な通行の確保、道路構造の保全等の面に関して、担当の道路管理者において、協会と十分に協議しながら、許可の可否を適切に判断していくものと考えます。

 また、ゴンドラの索道省令への適合性等については、協会からの索道事業許可申請を受けて、中部運輸局において適切に審査されるものと考えます。

 

 *関係する法律の条文

○ 道路法(昭和27年法律第180号)

(道路の占用の許可)

第32条 道路に次の各号のいずれかに掲げる工作物、物件又は施設を設け、継続して道路を使用しようとする場合においては、道路管理者の許可を受けなければならない。

一〜二(略)

三 鉄道、軌道その他これらに類する施設

四〜七(略)

2〜5(略)



※ 索道事業に関する施設は、鉄道、軌道に類するものとして、道路法第32条第1項第3号の「その他これに類する施設」に該当するものと解されます。


○ 索道施設に関する技術上の基準を定める省令(昭和62年運輸省令第16号)

(保護設備及び防護設備)

第17条 線路に近接する建造物等の状況、搬器の構造等を考慮し、物の落下による危険が生じるおそれのある箇所又は搬器に乗った人を保護する必要がある箇所には、適当な保護設備を設けなければならない。

2 (略)

 

 

 

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