平成16年3月4日
平成16年(ヨ)第21号 仮処分命令申立事件
                  債権者 岡田みどり
                  債務者 財団法人二千五年日本国際博覧会協会
名古屋地方裁判所
      御中 
                            岡田みどり
               疎明資料説明書

 平成16年(ヨ)第21号 仮処分命令申立事件に付随した資料について説明する。

甲−1.平成15年(ワ)第5148号 索道7号支柱及びその前後の支柱建設差し止め請求事件の訴状
 本申し立ての基となる訴状。本訴判決をまっていたのでは 取り返しのつかない結果が生ずるので本仮処分の申し立てをした。

甲−2.土砂災害危険個所マップ(平成15年 愛知県砂防課配布)の瀬戸市上之山町3丁目を中心にした1部分。「凡例」も添付。
 「万博ゴンドラ計画」によって当町にもたらされる大きな危惧の一つが土砂災害であるが その根拠の一つ。この新しい土砂災害マップでは 今まで認識されてきた「土石流危険渓流」に加え「急傾斜地崩壊危険個所」が加わった。この事実により土砂災害危惧地は三交住宅の郊外の里山のみではなく この三交住宅の敷地自体が そうである事の自覚を町内住民は余儀なくされた。

甲−3.住民説明会開催要望書とその回答(10月16日分)
当町は数十枚に及ぶ「要望書」(特に第4回目説明会の要求)を
博覧会協会
愛知県知事
瀬戸市長の3方にたいし文書にて願い回答も文書にて要求してきた。
が、納得のゆかない内容だが回答は送付してくる県知事方 市長方に対して 万博協会方は「返答すら 送付しない時がある。」まさに万博会場内に住んでいるとも言うべき住人、万博事業の負の部分を押しつけられるであろう近隣住民の 要望に このような形の返答をする。

甲−4.プライバシーについて
 陳述書  このような不便な山里にて家を買い あえて「終の棲家」とする市民はプライバシー重視の 傾向が特に強い等の 内容。

甲−4−1 平成14年5月23日の住民説明会の1部  (岡田ききかき)
 「半年 カーテンしめてくらせって?」という当町住民の心配に対し「前に注意を引きつけてもらう。」と協会。この町の住人が抗議しなければ プライバシー対策もたてずに建設した可能性があった。
 (又 同じ住民説明会でゴンドラ事故については「国内ではない。想定していない」とあるが平成16年10月をまつまでもなく搬器落下事故等はあった。国土交通省に問い合わせばすぐ判明する情報である。協会はこの説明会に住民に対して「誠実」に臨んだというが この事実においても はなはだ疑問である。又 ゴンドラルート候補には当町上を直線に貫くルートもあり ある協会関係者はそのルートを本気で希望していた。「賠償金をもらって直線ルートを認めたらどうか。」とも言われた。事故情報もつかまずにこのルートを想定したとしたら杜撰な住民説明会であるし 事故情報をつかんだ上での当町直線ルート推進だったなら「不誠実」ではもはや済まされない。)

甲−4−2 環境影響評価書の1259ページ目
 「付近に住宅等はなく(もしくは)少なく」とあるが 全ゴンドラルート付近には 当町(80軒ほど)もあり サンヒル上之山住宅(250軒ほど)もある。にもかかわらず このページを読んだ読者は「ゴンドラは人里離れた場所を通過するのみ」という誤った認識を持たざるをえない。よって市民をして(プライバシー上は)ゴンドラ計画問題なし」というミスリードを提起するページ。
 当町住民にとっては公文書上で「人間としての存在権」を否定されたページ。

甲−4−3 平成14年12月1日住民説明会直前風景  (岡田写す)
 左より5番目が当時の輸送グループ長塩川氏 その右隣が当時の本部長菅沼氏であり この席で初めてゴンドラプライバシー対策として「調光曇りガラス」の実験が披露された。しかし これは「フラット」なものであり実使用の形状の状況は不明のまま。

甲−4−4−1 平成16年10月16日のゴンドラ事故の記事(中日)
 ゴンドラにて「ガラス」が使用される時は「フラット」な状態ではなく「カーブ」する。よって12月1日の「調光曇りガラス実験」は万全とはいえず 調光ガラス装着によりプライバシー対策は万全ともいえない。

甲−4−4−2 平成15年10月20日のゴンドラ事故の記事(中日)
 ゴンドラ下部よりの眺め。ガラスはやはりカーブしている。

甲−4−5 平成14年12月1日住民説明会での会話 (岡田ききかき)
 「360度スモーク?」(当町住民)
 「両方向です」(協会本部長)
 すべて調光ガラスにするのであったなら「はい」のみでよいのに 「両方向」としたことで装着面すべてが調光ガラスではない可能性がでてきた。プライバシー対策一つとっても不安であるという根拠。

甲−4−6−1 追跡調査の手法等について(その2)平成15年7月発表より
        国道155号線上を行き来するゴンドラ群
 コンピューターグラフィックと思われるゴンドラ想定写真。注意を集中すべき車両運転手が主要幹線道路上でみるにはふさわしいものであろうか。ドライバーの注意散漫を怖れる。もちろん当町住民は視覚上の威圧感にさいなまれる。

甲−4−6−2 追跡調査の手法等について(その2)平成15年7月発表より
        国道155号線上を行き来するゴンドラ
 当町ただ一つの出入り口での想像写真。
 ドライバーの注意が当町よりの車や人間でなく普段は見ない 頭上を通過する珍しい「ゴンドラ」に移る怖れはある。

甲−5.この近辺で1番高い第9支柱近くよりの写真(実写と4倍拡大)
 去年と今年岡田自身撮影す。かなり当町の「巣」の部分が見えてしまう。
 実際はこの高さプラス15メートル以上はあるはず。

甲−6.第8支柱の設計図とその立ち位置地図
 尾張建設事務所より情報公開請求ののち入手。当町よりわずか50メートルほど南に約20メートルもの高さの支柱が立つ。かなりの威圧感であろう。
 ここにつり下げられたものに人が搭乗していた場合 当町のプライバシーを見ざるをえない。当町は見せざるをえない図。

甲−7.ゴンドラ搬器のプライバシー対策と12月1日住民説明会 (岡田ききかき)
 ゴンドラ搬器図は中部運輸局より情報公開請求ののち入手。
 この情報を得て初めて「視界遮断フィルム」なるものの存在を知る。
 当町住民は12月1日の説明会では「調光ガラスは360度はり万全を期したいと思っている」としか聞いていない。いつ変わったのか。それは当町住民のプライバシー保護にたるものなのか?なぜ説明しないのか?協会の誠実さを疑わざるをえない1例。

甲−8.当町郊外の土砂災害写真2枚、かつての測量案内 その図 その時の写真
 当町郊外に縦横約10メートルずつ位の規模の土砂崩れがおきている。
 (当町住民家屋より直線でわずか50メートル位南西方向) この崩れは平成12年より前にはなかったとの事。土石流危険渓流近くに住む者が 土砂災害危惧を持つべき1例ではあるが 平成12年あけにこの近隣にて行われた「測量」「ボーリング」が引き金になった可能性は 何方も否定はしなかった。このとき資材運搬用のレールも山の中を縦横無尽に突き立てられていた。
このような「『刺激』により土砂災害がおこりやすい3丁目の里山」ともいえるのではないか。

甲−9.抗議並びに要求書 (平成14年7月8日)
 本ゴンドラ訴訟の礎ともいえる ゴンドラ白紙撤回を町内総意とした いうなる「宣言文」 この文書を公とした事実によりゴンドラ白紙撤回運動の代表として活動するものは 町内会総員の生命及び財産を守る努力義務が生じるといえるはずである。いうなる総員一人ひとりの代理人として不利益を被る事が想定されれば その危惧を払拭する権利を持つものである。

甲−10.要望書(2004年2月17日)
 同年2月14日の朝 無通告の断水騒ぎが当町であった。故意ではないにしろ「この地に人間が住んでいる」という認識が希薄であったので おこった出来事であり ゴンドラも同じ認識上で計画されているのではないか。

甲−11.訴訟記録閲覧制限申し立て
 ゴンドラ反対イコール万博反対と見られやすいので選定当事者以外は原告名を伏せたいという願いは「裁判公開の原則」により聞き入れられなかったが それほど この人格権運動は誤解され 心情的には運動に参加し原告になっても良いと思う人の行く手を阻んでいる。

甲−12.ゴンドラルート周辺のオオタカの巣
 「海上の森通信」より
 第6号 7号支柱に近接して絶滅危惧種の猛禽類オオタカの営巣が3組確認されている。県の「オオタカ検討委員会」もつかんでいるはずの事実である。

甲−13.上之山3丁目に飛来したオオタカ
 「海上の森通信」より
 平成15年初夏 当町上空を滑空したオオタカの飛翔ルートを当町複数住民の報告を基に「海上の森通信」が記事にしたもの。当町がオオタカの主要営巣域である証拠である。

甲−14.当町鳥瞰写真
 出典不明。
 豊かな森に囲まれた しかし出入り口がひとつしかない「袋小路」住宅地であることは一目瞭然である写真。このただ一つの出入り口のほぼ上空をゴンドラが一日中6秒に1台通る。