全国カヤネズミ・ネットワーク代表 畠 佐代子さんに、長久手駐車場予定地の写真を見ていただき、コメントをいただきました。

広さと植生の状態から判断して、当該予定地は、カヤネズミの営巣環境としては、非常に良いレベルを保っていると思います。また、当地の周辺は住宅地で、近隣の生息地からは孤立した状態であるため、当地が駐車場として開発されてしまった場合、他の生息地へ自力で移動するのは非常に困難だと予測されます。

さらに、博覧会協会の「自家用車駐車場整備に伴う環境影響調査」の報告によれば、周辺地域のカヤネズミの生息地は、いずれも小面積、且つ孤立した状態であり、当地の生息個体を捕獲して近隣の生息地に移植しても定着する可能性は低いでしょう。例え定着しても、環境収容量が低いため個体群を維持するのは困難と思われます。

愛知県RDBでは、カヤネズミは絶滅危惧U類に指定されており、当該工事により、生息環境が消失した場合、地域的絶滅を引き起こす可能性もあります。

カヤネズミは里山の良好な環境の指標となる生きもので、本種が生息している場所は、さまざまな野生動植物の宝庫です。また、本種は生態系の下位に位置しており、猛禽類やヘビ、イタチなどのさまざまな上位の生物の命を支えています。

カヤネズミの生息環境を守ることは、他の多くの希少な野生生物の命をも救うことになります。

                     全国カヤネズミ・ネットワーク代表 畠 佐代子