平成15年9月16日

2005年日本国際博覧会参加国大使閣下

    愛知県瀬戸市上之山町3丁目町内会長               田中 良ニ
    愛知県瀬戸市上之山町3丁目ゴンドラ(環境)対策委員会委員    岡田 みどり

                 要望書

 2005年日本国際博覧会2会場間ゴンドラ計画の白紙撤回を要望します。
(当町は万博博覧会事業に対して、当否を問わない立場です。)
 大使閣下におかれましては、貴国と日本国の橋渡しとしての大変なお役目を、日々果たされ誠にご苦労様でございます。貴国が、2005年日本国際博覧会に参加されると聞き及びましたので、是非聞いていただきたい事がございます。
 当、上之山町3丁目は、二つに分かれた万博会場に挟まれた山の中の静かな町です。当初、万博協会は2会場間観客輸送は、シャトルバスのみ(BIE登録時も)としておりましたが、突然、当町に近接してゴンドラなるもので、主に観客輸送を行いたいと申して参りました。このゴンドラは1時間1800人、1日18,000人を輸送出来るという巨大な施設でありますが、たった6ヶ月の開催のためのみに約50億円(約42,735,043ドル)をかけて建設され、万博終了後は撤去、巨大な産業廃棄物になると予想されます。日本国にお金があるからといって、資源をこのように無駄に使う事は、ヨハネスブルグサミット等で確認された「人と資源と環境を大事にする(持続可能な開発)」という世界の時流に反するものです。又、里山でもある当町には、絶滅危惧種の動植物(オオタカ、ぎふちょう、かざぐるま草、しらたまほしぐさ等)が生息しておりますが、このような巨大な施設を作るための工事で永遠の消滅を余儀なくされかねません。又、本来なら手を入れてはいけない危険区域でもある保安林に改変を加え、将来的に当町に土砂災害の危惧を残すものです。又、当町のただ一つの出入り口のほぼ真上を通り、国道155号線(この数年で多くの死亡を含む事故がすでに多発している)の上を通過するゴンドラルートでもあるので、交通安全の点からも心配がつきません。折しも当地は、国の中央防災会議が近々起きるであろうと警告している、東海大地震の予想地区でもあります。住民のプライバシーを日常的に損ない、人間として最低の権利である「自宅でのやすらぎ」を奪うという面の危惧も、ぬぐい去られてはおりません。

 当町はこのゴンドラ計画は、多くの巨大な無駄を生み出し、当町住民の生命、財産、環境等をも脅かすものであり「環境博」にふさわしくないとし、総意で白紙撤回を訴えて参りましたが、万博協会はほとんど説明もないまま強引に計画を進めて参りました。
 貴国が万国博覧会に参加をお決めになったときから、貴国は万国博覧会を形成する主催者のお一人です。主催者のお一人である以上、このゴンドラ計画が「貴国が参加する万国博覧会」にとって名誉のある、誇りのもてるふさわしいものか、良識をもって見極める義務があるはずです。問題があるとお考えなったときは、主催者のお一人として、日本国の友人として、諌める義務をお持ちにであると思います。
 このゴンドラがあることによりこの万国博覧会は環境での世界の時流に反することになります。万国博覧会名誉総裁である皇太子殿下浩宮さまも協会に対しご心配のお言葉をおっしゃいました。どうぞ、貴国の代表として閣下もお確かめになっていただきたい。

 さらに詳しく聞きたいとおっしゃっていただけるなら下記の住所または電話番号にてお聞きください。
                                       <以下略>