万博会場間ゴンドラ事業許可処分にについて、上之山3丁目住民は、行政不服審査法に基づき、許可取り消しを求めて、国土交通大臣に対し審査請求。2003.12.26
審査請求書より
理由
(1)2005年日本国際博覧会協会が建設を予定している、長久手会場と瀬戸会場を結ぶ索道は、その支柱が保安林内に建設されることになっており、周辺住民に豪雨時等の土砂流出災害の危険性を及ぼす。よって、中部運輸局長が許可処分を行った当索道建設計画は索道施設に関する技術上の基準を定める省令第6条に違反している。
(2)当地域は愛知県砂防課による土砂災害危険箇所マップによれば、土石流災害地域に指定されており、たとえ軽微な樹木伐採や地形の変更であったとしても、豪雨時の土石流流出により周辺へ土砂災害が及ぶ危険性が非常に大きい。現に、名古屋瀬戸道路計画において実施された測量等による、保安林内作業が原因と思われる、小規模な崩れ地形が見つかっている。
(3)建設予定地周辺にはカザグルマやシデコブシをはじめ多くの希少種が生育しており、オオタカの生育領域でもある。木々の伐採、地形の変更、踏み荒らし等によりこれら希少種が絶滅する恐れがある。
(4)7号支柱建設に際しては資材の運搬などを大型ヘリコプターによるとしているが、支柱建設予定地は住宅から150mのところにあり、その騒音は我慢できる限界を超えるものと思われる。2005年日本国際博覧会環境影響評価追跡調査報告書(その2)によれば、このヘリコプター作業による騒音は80dbを超える。これが環境基準以下とはいえ、この基準は空港周辺地域を想定したものであり、元来静かな住宅地に適用できるべきものではない。
以上のように、2005年日本国際博覧会協会が計画している索道の建設作業は、近隣住民の法律上保護されるべき生存権、財産権及び静かで安全な生活を営む権利を侵害する行為である。