許可取り消し求め審査請求  万博会場のゴンドラ建設
2003.12.26 共同通信 (全272字) 
 二○○五年日本国際博覧会(愛知万博)の二つの会場を結ぶゴンドラの建設で中部運輸局が出した事業許可について、会場地の一つである愛知県瀬戸市の住民らが二十六日、行政不服審査法に基づき、国土交通省に対し許可の取り消しを求める審査請求を行った。
 審査請求書は、ゴンドラの支柱建設による樹木の伐採や地形の変化で、豪雨時の土砂流出災害の危険性が非常に大きい上、オオタカなど動植物の希少種が絶滅する恐れもあるとしている。
 住民らは同日、愛知県や瀬戸市に対し、土砂災害についての住民説明会を求める抗議の質問状も提出。来年一月九日までの回答を求めている。<共同通信社>

ゴンドラ事業許可 万博協会、来月にも着工 中部運輸局【名古屋】
2003.12.26 名古屋朝刊 24頁 2社 (全534字)
 05年の愛知万博(愛・地球博)で瀬戸、長久手の2会場間と、長久手会場内のそれぞれで来場客を輸送するゴンドラについて、中部運輸局は25日、愛知万博協会に索道事業の許可を出した。協会の中村利雄事務総長が同日の定例会見で発表した。年内着工を目指してきた協会は、1月中旬にも着工する方針だ。
 ゴンドラは会場間が2014メートル、会場内が1120メートル。ともに8人乗りのキャビン(搬機)で1時間に、それぞれ1800人、2400人を運ぶ。
 会場間ゴンドラをめぐっては、愛知県瀬戸市上之山町3丁目の沿線住民が「建設に伴い、地滑りの危険性が高まるほか、騒音などで生活環境が悪化する」と主張。今月10日には協会を相手取り、索道の支柱の建設差し止めを求める訴訟を名古屋地裁に起こしている。
 また、10月には「御岳ロープウェイ」(長野県三岳村)で乗客2人が転落死する事故が発生。万博のゴンドラと構造などが共通なため、安全性が問題視された。事故原因が保守・管理上の問題と結論づけられたため、協会は12月、事業許可を申請していた。
 会見で中村事務総長は「自然環境、生活環境へ与える影響に配慮し、その負荷軽減に努める。大半の住民には納得いただいている」。着工の遅れは「工事にほとんど影響はない」と述べた。<朝日新聞社>

愛知万博会場のゴンドラ建設 中部運輸局、事業許可=東海
2003.12.26 中部朝刊 25頁 (全214字) 
「愛・地球博」(愛知万博)会場に建設が計画されているゴンドラについて、国土交通省中部運輸局は二十五日、事業を許可した。
 ゴンドラは、長久手・瀬戸両会場を結ぶ約二キロと、長久手会場内の一・一キロの二路線。博覧会協会では来年一月に工事に着手する。完成は二〇〇五年一月末の見込み。二つの会場を結ぶゴンドラを巡っては、愛知県瀬戸市上之山三丁目の住民十五人が、博覧会協会を相手取り、支柱の建設差し止めを求める訴訟を名古屋地裁に起こしている。<読売新聞社>

万博ゴンドラ、来月上旬着工??中部運輸局許可
2003.12.26 中部朝刊 24頁 社会 (全307字)
  国土交通省中部運輸局は25日、05年日本国際博覧会(愛・地球博)の来場者を輸送するゴンドラ計画について、鉄道事業法に基づく整備・運行許可を博覧会協会に与えた。同協会は来年1月上旬に着工する。
 ゴンドラは8人乗りで長久手、瀬戸の両会場を結ぶ会場間ルート約2キロと、長久手会場内ルート約1・1キロを05年1月末までに整備する計画。会場間ルート周辺で希少種のオオタカの営巣が確認されたことに伴う工法変更や用地取得の遅れなどで、着工は当初より約1カ月遅れたという。
 沿線の瀬戸市民が支柱建設差し止めを求めて今月10日に名古屋地裁に提訴しているが、同協会は「災害対策にも配慮してきちんと対応したい」としている。【山田泰生】<毎日新聞社>

万博 総仕上げの年に 中村・事務総長が抱負 ゴンドラに事業許可
2003.12.26 朝刊 19頁 県内総合版 (全417字) 
 【愛知県】二〇〇五年日本国際博覧会(愛・地球博)協会の中村利雄事務総長は二十五日、ことし最後の記者会見をした。この一年間で「万博の骨格をつくる正念場を何とか乗り切った」と振り返り「来年は総仕上げの年」と抱負を述べた。
 中村総長は「前売り入場券の発売開始」(九月)や「公式参加国が百を突破」(五月)「県と政府のパビリオン着工」(十月)「名誉総裁の皇太子さまが会場視察」(六月)などを、ことしの愛・地球博関連の主な出来事として挙げた。
 また、長久手会場と瀬戸会場を結ぶ約二キロのゴンドラと長久手会場内の約一・一キロのゴンドラについて、いずれも国土交通省から二十五日付で事業許可を得たことを発表した。一月中旬に着工する。
 会場周辺の住民の一部が、ゴンドラ建設に反対する民事訴訟を起こしたが、中村総長は「(住民の)プライバシー保護や騒音対策、災害対策などできる限りのことをした。大半の住民の方に納得していただいている」との立場をあらためて表明した。<中日新聞社>

愛知万博 ゴンドラ事業許可 取り消しを求める 瀬戸の住民有志
2003.12.27 朝刊 15頁 県内総合版 (全207字) 
 【愛知県】愛・地球博の長久手、瀬戸両会場を結ぶゴンドラについて国土交通省が二十五日付で事業許可を出したことを受け、ゴンドラ建設に反対している瀬戸市上之山町三丁目の住民有志の代表が二十六日、国土交通相あてに許可取り消しを求める「行政不服審査請求書」を送った。請求書では、ゴンドラの支柱は保安林内に建設され、周辺に土砂災害を引き起こす危険性があり、ゴンドラ設置の技術上の基準を定めた省令に違反している、などとしている。<中日新聞社>