15cmF8屈折鏡筒の製作(FL1200mm)   最新更新は一番下です         TOPへ
屈折望遠鏡はF15という概念を脱却したアクロマートがSYNTA社製の15cm屈折です。今回の製作目標は彗星・星雲など低倍率に限定したもので、今後製作するであろう双眼望遠鏡に向けてのデータ取りも兼ねています。

1)製作目標
 ・バックフォーカスを25cm以上確保する。(正立化・天頂プリズム+双眼装置装着の為)
 ・専用のフリーストップ架台を製作する。
2)対物レンズ+接眼部(2007/11/26)
対物レンズ枠と接眼部はそのまま使用する事にしてコストを下げる。
    
3)鏡筒の製作(2007/12/02) 
鏡筒は試作として応用が利くように鉄製のLアングル(20×20×3mm)で角型とします。最大限のバックフォーカスを撮る為にサイズは800mm×190mm×190mmで計算重量は2.9キロです。主だった構造は21cmF6と同じ溶接構造で剛性UP・軽量化・低コストを狙います。アングルを溶接する際には歪まないように気をつけてもかなり歪むので最後に矯正をして歪みをとる必要があります。
    
4)対物レンズセルの取り付け加工(2007/12/04)
鏡筒の対物レンズ用の接続に必要な部品をアルミ板(t=3.0mm)にて製作する事にした(もう1枚あるのは接眼部用)。190mm×190mmのサイズのアルミ板の中心にφ150mmの穴をジクソーでくり抜いた。今回もタングステン鋼で鋸刃を作り使用した。
    
5)対物レンズセルの取り付け加工(2007/12/05)
レンズセルの取り付けに際してオリジナルの固定(光軸調整用)ネジはM5サイズで少し心細いのでこれをM6にサイズアップを行う。セルの固定は120度置きの3箇所であるが鏡筒は四角なのでそのままでは合わない為に鏡筒のアングル部分にネジ加工した。プレートがレンズセルと鏡筒の間に入るが、レンズセルは直接鏡筒に固定できる。
    
6)対物レンズセルの取り付け加工(2007/12/06)
鏡筒とセルを固定するプレートはM4×8箇所で固定する。さらにレンズセルをM6×3箇所で固定した。レンズを取り付けてみると鏡筒の190×190mmのサイズはセル外形と同一なのが分かる。
    
7)接眼部取り付け加工(2007/12/07)
鏡筒と接眼部を固定するプレートを製作しました。接眼部取り付け用の穴はφ94mmでこの部分にアダプターを介して接眼部を取り付ける予定です。プレートの固定用にはM5×8本で行いました。
    
8)接眼部取り付けアダプタ製作(2007/12/08)
アルミ製のパイプを用いて接眼部が入るように旋盤で削りました。ここまでは順調ですがこの先の固定方法が頭を悩ませています。
    
9)接眼部取り付けアダプタ製作(2007/12/09)
アダプタの鏡筒側への取り付けパーツを何通りか試作したのですが最終的に写真のようなアルミ無垢材で押さえる方式を採用しました。固定用のボルトサイズはM6です。
    
10)接眼部取り付け(2007/12/11)
アダプタ・接眼部の外周3箇所にM5のネジを加工して接眼部と固定した。
    
11)接眼部ハンドル交換とシャフト加工(2008/01/12)
繰り出し装置のハンドルは標準は樹脂製でとても満足できないのでアルマイト仕上げでローレット加工がされたものに交換することにしました。ピニオンシャフトの径がφ85.0mmでハンドルの内径がφ80.0mmなのでシャフトをφ79.4mmに旋盤で加工しました。ピニオンシャフト軸の加工精度がイマイチなのかセンター出しがやや難航しましたが、削っていくと砲金の小金色が見えてきました。
    
12)鏡筒操作用大型ハンドルの製作(2008/05/05)
鏡筒を操作する大型の円形ハンドルを製作することにした。材料はアルミ合金でハンドルの直径はφ250mm内径210mmで幅25mmという大型のものである。これをアルミのハンドルを4箇所のステーを経由して鏡筒に固定した。
    
13)ピラー脚(2008/05/17)
ピラー脚として車両整備用のミッションジャッキを使う事にした。このミッションジャッキを利用する利点は油圧シリンダーで高さ1130mmから1930mmまで(ストローク800mm)昇降する事ができる点にあります。さらにシリンダーが油圧でフローティングされている為に水平回転機構を省略することも可能になります。実際の昇降の為の操作は下部にあるペダルを軽く踏む事で100mmを約10秒で上昇でき、下降は上部の丸いハンドルを操作する事で54mm/秒で降下します。本体の重量は約35キロと移動も可能なものです。
14)鏡筒の耳軸の製作(2008/06/07)
鏡筒の上下の可動をさせる為に重心位置に耳軸を付ける事にしました。可動部のベアリングに相当する部分はアルミと砲金で製作したかったのですが材料がかなり高騰しているのでアルミ合金+アルミ合金として間にモリブデン系のグレースを使う事にしました。耳軸の中心を通るボルトはM14のSUS304でホームセンターでは扱っていないので入手が非常に困難でした。ボルトの長さは長めの物を購入してネジ部先端をフライスで落として使用しました。
    
    
15)経緯台製作(2008/06/08)
15cmF8クラスなら経緯台はビクセンのHF経緯台を用いる方が大半ですが、妥協は許せないので完全自作をする事にしました。メインの構造体はφ43.7mmの鉄製パイプ(t3.2mm)と鉄板(t6mm)を溶接でくみ上げた構造でフォーク部分はM6-3本の脱着式としました。耳軸受け部もφ43.7mmの鉄製パイプ(t2.6mm)を半割りにしたもので鏡筒の脱着性を簡単にする為にパッチン錠と蝶番を溶接しました。
    
    
    
16)高度調整用スタビライザー(2008/06/14)
鏡筒と架台を仮組みして星を見てみたがバランスさえ取ればスムーズな動きをするのだが静止後に微振動が発生して星が揺れて視野が安定しない。そこで視野を安定させる目的で高度軸のスタビライザーを取り付けることにした。使用した部材はφ20mm長さ475mmのリニアシャフト・ID8mmミニチュアベアリング・ID10mmピロボールにφ20mmの穴加工をしたアルミ部材である。写真のように構造はいたって簡単であるがここまで来るのに試作を何度も繰り返した。鏡筒と架台にはSUS304の板を直接溶接にて取り付けた。
    
    
17)組立て後のスタビライザー効果確認(2008/06/22)
前回製作したスタビラーザーの効果を確認する為に再組立てをした。スタビラーザーの効果は2インチ接眼レンズの交換時に発生するバランスの崩れを吸収すると共に高倍率でのスムーズな微動も可能とした。鏡筒の形状に付いては当面21cmF6同様にオープン鏡筒でメカっぽい雰囲気を残す形でいこうと思っています。
18)スタビライザーのフリクション低減加工(2008/06/28)
スタビライザーのリニアシャフトとアルミ部材のフリクションを低減させる為にアルミのφ20mm内面にフッ素樹脂コーティングを施しました。用いたコーティング材はファインケミカルジャパンから発売されているニューTFEコート(FC-102)でコート面を洗浄液で洗浄後に塗布して使います。これで固体潤滑が可能となりフリクションが軽減しました。合わせてフリクション調整用のノブを樹脂製の握りやすい物に変更しました。
    
19)鏡筒と架台の塗装(2008/07/05)
鏡筒と架台の塗装を色々考えた結果、ステンレスの皮膜ができるスプレーがある事が分かり試しに購入してみました。商品名はステンレスコート・スーパーブライトというもので塗装後に研磨する事で鏡面仕上げが可能になるという優れものです。ただ鏡面仕上げにする必要もないのでステンレスの硬い皮膜が出来て錆びなければ目的は達成されるんです。鏡筒はフレームだけに、架台は3分割にして塗装しました。ちょうど日中の温度が32度と暑かったので乾燥時間もかなり速くて30分くらいあけて3回ほど重ね塗りしました。200ccのスプレー缶なのであっという間に2缶なくなりました。補修用にもう1缶購入してありますが、結構高くつくので初めからステンレスのフレームにしておいた方が安いです。でもどんな仕上げになるかは24時間後ペーパーがけして地肌を磨いてみます。
    
19)塗装と組立て(2008/07/06)
鏡筒のアルミ部材をブルーメタリックに塗って組立てを行いました。今までアルミ材の表面を青い保護シートが付いていましたが、剥がしても元のイメージを変えないようにしました。ステンレスコートをした部分は感想後軽く水研ぎを行いました。塗装表面は思ったよりは艶が出ませんがチタンカラーに近い印象です。