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D | MD00399 新しい≠正しい | 2006/05/17(Wed) |
さて夜もふけて参りまして、そろそろ寝床に潜り込もうとPCの電源に手を伸ばしかけたところに、私を呼ぶ声がいたします。 「おい、ちんたよ」 ああ、またガオゴッド様です。この神を名乗るモノがこうして私に声をかけるのは、大抵ろくでもないことを思いついたときなのです。 「あーはいはい、おやすみなさい」 ガ「おやすみなさいやあれへんがな。ちょっとワシの話を聞いてんか」 ち「あぁ? どうせ話にもならんようなことやろが。もう寝るで」 ガ「お前ツインテールて知ってるか?」 ち「ツインテールてどっちのやねん。古代怪獣か髪型か」 ガ「両方や」 ち「そら知っとるがな。古代怪獣の方は帰ってきたウルトラマンに出てきたエビの味がするアレで、グドンが天敵の奴やろ。ほんで髪型の方はいわゆるツーテール、二つくくりのことやな」 ガ「そうそうそれやがな」 ち「で、それがどうやねん?」 ガ「でな、どうも世間ではツインテールは、いわゆるツンデレの外見特徴として広く知られているらしい」 ち「はあ」 ガ「ある概念に言葉を与え、それを規定するというのは古来からの人の営みではあるが、しかし規定は限定と道義と言ってもよい」 ち「どういうこと?」 ガ「つまりだな、いわゆるツンデレというべきキャラは昔からいたわけなのだが、ツンデレという言葉の発明により、『ツンデレ的な記号』さえ満たせば『ツンデレキャラの出来上がり』などという、憂慮すべき事態に陥っているわけなのだ」 ち「つまり広く人口に膾炙するに従い、原義を失いつつあることを憂いている、と」 ガ「そういうことだ」 ち「まあそれはいいとして、結局なにが言いたいわけ?」 ガ「ここで最初の問答に戻るわけだ。ツインテールはグドンとセットで『グドンとツインテール』といった具合に語られることが多い」 ち「まあそうですな」 ガ「そこでワシは『愚鈍なツインテール』という、新たな概念を発明したい(●)」 ち「…ダジャレ?」 ガ「まあ聞け。ツンデレの外見的特徴であるとされるツインテールに、ツンデレとはまったく相容れぬ愚鈍という属性を付加することで、新しい何かが見えてくるのではないかとワシは考える」 ち「いや、愚鈍てどういうことよ?」 ガ「まあいうたら『うすのろ』いうことやな」 ち「直球やなあ」 ガ「まず、いっつも口半開き」 ち「いきなりキッツイなあ」 ガ「そして算数なんてできない。足し算さえ危うい。いわんや掛け算をや」 ち「あれか、数数えるときは指折らなでけんわけやな(●)」 ガ「そうそれ。『あれ〜ゆびがたりないよ〜』って困っちゃうんだ」 ち「って、なんで台詞全部ひらがななん?」 ガ「だってうすのろだぜ? わずかでもインテリジェントを覗かせたらあかんやろ」 ち「…なんか、徐々にきな臭くなってないか?」 ガ「あと目を離すと蝶々を追っかけてどっかいっちゃうの(●)」 ち「それカーロス! パンチドランカー!」 ガ「それで意外と食いしん坊さんで、目の前にある食べ物は全部食べちゃうんだ(●)」 ち「違う、それ食いしん坊違う。もっとアレな何か」 ガ「だからお菓子とかは一度に食べる分だけしか前に出しちゃダメなの」 ち「おいこれ、そろそろやめたほうがええんと違う?」 ガ「あとあれだ、進路希望には第一から第三まで『○○くんのおよめさん』なんて書いちゃうんだ」 ち「あ、それはなんか微笑ましくていいなあ」 ガ「あとはそうだなあ、ちょっぴりしおらしいところもある」 ち「ほう、それは?」 ガ「あれだ、幼馴染の男の子のすそをちょいちょいと引っ張るんで、何事かと振り返って見れば『しっこでた〜』って…(●)」 ち「うわあああああああああ! それダメ! 絶対ダメ!」 ガ「? なんで? お前そういうの好きやろ?」 ち「違う! 俺の好きなのとはそれ違う! お前のそれは、迂闊に触れちゃならないそういう領域のアレだ!」 ガ「あー、じゃあこうしよう、トイレ行くときはいちいち幼馴染の子に報告するんだ『しっこしてくる〜』とかって」 ち「ダメダメ、それでもダメ! 下手したら訴えられるってこんなの!」 ガ「ダメ?」 ち「ダメ!」 ガ「おっかしいなあ」 ち「つか、お前これで萌えられるわけ?」 ガ「…」 ち「…」 ガ「…そろそろ寝よっか?」 ち「…うん…おやすみ」 ガ「…おやすみ」 |