ぎよたんと仲間たち



ぎよたん
ぎよたんです
名前 ぎよたん
本名 ギヨチーヌ
属性器具 ギロチン
プロフィール 「もっとも平等で人道的な処刑器具」ギロチンの妖精。
 その属性が示すように、お下げには振り子式斧刃、腕にはブレード、スカートは空飛ぶギロチンとなっている。(無論スカートの内側にも刃がびっしりと生えている)
 これほど剣呑な姿ではあるが、妖精なので自らの刃で傷つくことはない。
 しかし当人はその辺の自覚はまったくなく、辺りに甚大な被害を及ぼしてしまう…
てんぺすたん
てんぺすたん
名前 てんぺすたん
本名 ハーフハングド・テンペスト・スミス
属性器具 絞首台
プロフィール 「伝統的かつ現役の処刑器具」絞首台の妖精。
 その属性に恥じぬよう、自ら「クイーンオブ処刑器具」を名乗り、常に誇り高くエレガントであろうとする。そのおかげか辺り構わず被害を及ぼすということはない。
 ぎよたんに対しては、「血生臭いにも程がある」ということで、あまりよい印象を持っていない。血こそ出ないが、床が汚れることには変わりないというのに。
 ちなみに、彼女には妹がいる。
あまらたん
あまらたん
名前 あまらたん
本名 ツインハングド・アマラ・スミス
属性器具 逆さ吊り
プロフィール 「伝統的で残虐極まりないが、まったくポピュラーとはいえない処刑器具」逆さ吊りの妖精。
 逆さ吊りそれ自体は古くからあるものの、なにせわざわざページを割いて解説を述べなければならないほどのマイナーさであり、そのへんのパワーバランス故かてんぺすたんの妹としておさまっている。
 さてその属性どおりに両手に犬のハンドパペット、ロムスとレムスを従えている。ハンドパペットといっても、なにぶん妖精の持ち物である。油断すると、それこそ命を失いかねない。
※逆さ吊り
「古代ヨーロッパでは、さかさ吊りという刑が、とくにユダヤ人相手におこなわれた。さかさ吊りにした死刑囚の左右に、生きている二匹の犬を、これも後ろ足を縛って、さかさに吊るすのだ。
 あまりの苦しさに、二匹の犬が死に物狂いで、そばの死刑囚に噛みついたり引っかいたりするものだから、ただでさえ苦しい死刑囚の受難は倍加された。」
(桐生操著 「美しき拷問の本」より抜粋)
インジェクター三姉妹
インジェクター
名前 インジェクター三姉妹
 長女:ちおたん(中央)
 次女:べくろたん(左)
 三女:ぽたたん(右)
本名 長女:チオベンタールナトリウム
次女:臭化ベクロニウム
三女:塩化カリウム
属性器具 薬物注射
プロフィール 「最も近代的で最も人道的で最も確実な処刑器具」薬物注射の妖精の姉妹。
 属性は注射器で、もちろん両手はそれを擬したものとなっているが、針ではなく手刀をもって薬物を注入する。そして常にその手からは薬物が分泌されている。
 自ら「新世紀のクイーン」を名乗り、他の処刑器具たちをなにかと目の敵にしているが、いかんせん力不足と、なにより年若いせいで少々、いやかなり頭の方が不足しているようで、たいていは返り討ちにあっている。
さむすたん
さむすたん
名前 さむすたん
本名 サムスクリュー
属性器具 親指潰し器
プロフィール 「持ち運びに最も適した最も強力な圧力を持つ拷問器具」親指潰し器の妖精。
 元の器具さながら身長は約20cmと、やっと妖精らしいサイズとなっている。しかもちゃんと空も飛べる。
 そして妖精らしいのはその見た目のみならず、いたずら好きで、しかも自分の能力がなんであるかを理解した上でそれを行っているため、大抵のものはその握力の前にカステラのように脆く崩れ去る。
 さて、どうにもそのサイズに似合わぬパワーを維持するためか、ご飯はきっちり一人前いただいているようだ。
えれくたん
えれくたん
名前 えれくたん
本名 エレクトリカ
属性器具 電気椅子
プロフィール 「新世代エネルギーの可能性の一端を担う処刑器具」電気椅子の妖精。
 インジェクター三姉妹と同じアメリカ産だが、その性格はまったく違い、かなり大雑把でいつも「HAHAHA!」と笑ってばかりいる。
 また、人並みに食事をとるのに加え、電気まで補給しなければならないという燃費の悪さを誇る。
 一応ラバー製の服でその電気が漏れることを防いではいるが、ちょっとでも気を抜くとすぐに放電し、人はもとより電化製品にまで被害を及ばすという際立った破壊力を持つ。
 なお、彼女は直流である。

しーらたん
しーらたん
名前 しーらたん
本名 シーラ・クレモゾイ
属性器具 鋸引き
プロフィール 「処刑と拷問双方の特性を兼ね備えたハイブリッド処刑法」鋸引きの妖精。
 「首切り」ということで、ぎよたんとは「イトコ同士」になるらしい。ぎよたんには「しーねーちゃん」と呼ばせ、妹のようにおもちゃにしている。
 基本的に姉御肌というかおせっかいでなんにでも首を突っ込みたがるのだが、たいていは途中で飽きてほったらかしにするばかり。その辺をつつかれたりすると悪びれもせずに回転ノコで威嚇する。
 ちなみにスカートにはスコップがあしらわれており、ハイブリッドにも程がある仕様となっている。
ぺあたん
ぺあたん
名前 ぺあたん
本名 ペア・フルブルーム
属性器具 苦悩の洋梨
プロフィール 「最も残虐な破壊力を秘めた最も持ち運びに適した拷問器具」苦悩の洋梨の妖精。
 さむすたん同様のサイズながら、その残虐性、破壊性は比べものにならないものとなっている。
 その特性を活かし、いつもどこかに潜り込んでは破壊の限りを尽くしている。隙間があればとりあえず入り込んでしまうようだ。
 無口でマイペースではあるが、自分の思い通りに事が運ばないと、誰彼かまわず「洋梨を食わせて」しまう。それがさも当然であるかのように。
 その力と性格ゆえ、誰からともなく「女帝<エンプレス>」と呼ばれている。
じべたん
じべたん
名前 じべたん
本名 ジベット・キディフェザー
属性器具 ジベット
プロフィール 「その苦痛と恥辱を永遠にこの世にとどめる拷問器具」ジベットの妖精。
 本来の属性であるジベットに加え、漏れなくセットでついてくるタール&フェザーまで兼ね備えたもう一人のハイブリッドである。
 見た目の派手さの通り、とにかく四六時中羽毛を撒き散らしながら動き回ったりしゃべりまくっている。
 その両手は属性にしたがって板ばね状になっており、一度捕まれば至るところに巻きついて締め上げる。
 さて、あまりのその容姿の特異さゆえに、妖精ではなく妖怪の類ではないかという声も聞かれるが、当人を前にしてそれを口にすれば、灼熱のタールを浴びせかけられるので、めったなこと言わないほうがよい。
まゆりたん
まゆりたん
名前 まゆりたん
本名 マユリ・ホットスポット
属性器具 釜茹で
プロフィール 「最強の娯楽と苦痛を約束する処刑器具」釜茹での妖精。
 普段は伝法な口調でさばさばとした性格だが、属性どおりあまり感情の抑制がきかず、しばしば「沸点に達して」しまう。
 その際は矢のような悪口雑言はもちろんのこと、手が出てしまうために甚大な被害をもたらすことしきりである。
 なにせ右手は水、左手は油となっており、しかもそれは常に沸点に近い温度で保たれているのだ。しかも感情の昂ぶりに応じてその温度は青天井式に上がっていき、しまいには蒸気となってあたりに巻き散らかされるのだから、たまったものではない。
みかげたん
みかげたん
名前 みかげたん
本名 巌 御影
属性器具 石抱き
プロフィール 「度重なる重圧により隠された真実を白日の下に引きずり出す拷問器具」石抱きの妖精。
 属性どおりに手足にそれぞれ50kgのぎざぎざのついた石をつけ、さらに鞭打ちの属性まで備えているというハイブリッドな妖精である。
 おまけに純日本産妖精という比較的珍しい部類に属している。
 ぶっきらぼうだが気がやさしくて力持ちであり、よく周りの面倒を見ている。
 また、しーらたんとは付き合いも長く、数少ない彼女へのツッコミ役でもある。
ぴえたん
ぴえたん
名前 ぴえたん
本名 ピエタ・ユングフェル
属性器具 鉄の処女
プロフィール 「伝説に彩られた慈悲深き鋼鉄の聖女」鉄の処女の妖精。
 普段はその二つ名が示すようにとても清らかで心優しい少女なのだが、一度その「蓋が開いて」しまうと、恐ろしい本性を顕にする。
 それはあまりにも悪魔的で、ただひたすら流血を求め、とても同じ存在であるとは到底思えないほどである。
 ちなみに本性を現したときには飛行能力を備えており、犠牲者を串刺しにして宙吊りにするのがお好みらしい。
すぱすたん
すぱすたん
名前 すぱすたん
本名 スパス・フランクリン
属性器具 スペインの蜘蛛
プロフィール 「重力と共謀する悪魔の爪」スペインの蜘蛛の妖精。
 その名のとおりいつも天井あるいは高いところにへばりついており、通りかかる人に飛び掛るや抱きすくめてその爪を深く食い込ませ、背中から繰り出されるゴムのような弾力を持つ糸で以って落下と上昇を繰り返し、耐えがたい苦痛を与える。
 しかし爪を使うことはまったくといっていいほどなく、大抵は抱きすくめて逆バンジーといういたずらに終始している。
 また、いつのまにか人の家に忍び込み、天井の隅に張り付いては気づかれるまでニヤニヤ笑っているなどといったいたずらをすることもある。
ぺねたん
ぺねたん
名前 ぺねたん
本名 ペネロペ・スピアーズ
属性器具 磔刑
プロフィール 「有史以来の受難の象徴たる処刑器具」磔刑の妖精。
 その爪は釘となっており、ミサイルのように発射することができる。また掌底からは腕に収納した槍を射出することができるうえ、髪の毛の先は鋭く研ぎ澄まされて自在に動かすことができるという、並外れた力を持つ。
 しかしその力はもっぱら日々の糧を得るために使用され、水辺で獲物を狙う姿がよく目撃される。
 主に身振りで意思の疎通をはかり、その声を耳にしたものはいない。
 普段はぼんやりとしていることが多く、腹を空かせた時だけのっそりと動き出す。
 それ故にまったく掴み所がなく、他の妖精たちからは少し距離を置かれている。
ちゃくらたん
ちゃくらたん
名前 ちゃくらたん
本名 チャクラ・チャリオッツ
属性器具 車折
プロフィール 「それは巡り行く運命の輪の如き処刑器具」車折の妖精。
 その名が示すとおり両腕には車輪が備わっているが、本来の機能を果たすことなく鈍器として用いられる。
 左腕の車輪はやっとこのような爪になっており、これで犠牲者の腕なり脚なりを掴み取り、右腕の車輪あるいは両足のハンマーでそれを打ち砕くという、すくみ上がりそうな力を持つ。
 曲がったことがとにかく嫌いで、多少融通の利かないところがあり、ちょっとしたことであっても激昂し、車輪を振るうこともしばしばある。
 しかし基本的には寡黙で生真面目さんである。
くれたん
くれたん
名前 くれたん
本名 クレタ・コッポラ
属性器具 真鍮の牛
プロフィール 「叫びも祈りも誰にも届かぬ咆哮と化す処刑器具」真鍮の牛の妖精。
 その腹の中には業火が渦巻き、マントの中に捕らえた犠牲者を焼き尽くす。その際に犠牲者の上げた悲鳴はマントの中で反響してくぐもった声となり、あたかも牛が低く鳴くがごときである。
 しかしその力も本来の目的に使われるわけでもなく、他の妖精が暖を取ったり牛乳を温めたり干物をあぶったり燻製をいぶしたりと、まるでストーブのような扱いである。
 そもそも元となる器具が実在の疑わしいものであることも手伝って、外見も中身もかなりいいかげんである。なにがあろうとただへらへらとしているのみである。
 あと、少しばかりのろまなところもあるのだが、当人はいたって平気である。
ぱいたん
ぱいたん
名前 ぱいたん
本名 パイル・ツェペシュ
属性器具 串刺し
プロフィール 「天地とその間にあるものを垂直に繋ぎ合わせる処刑器具」串刺しの妖精。
 残虐極まりなく、かつかの伯爵をして吸血鬼と呼ばしめた処刑器具が元にあるとあってはその性格もおのずとそのようになるのではと思われるが、当人は全くもってそのような気配はない。
 本人曰く、「そういうのはやり尽くした」らしい。
 それ故かその力を使うこともなく、ただ微笑をたたえたままあちこちをふらふらと飛び回り、気ままに暮らしているようだ。
 しかしどうもいたずらっぽいところがあるようで、音もなく背後に降り立っては、いわゆる「七年殺し」を仕掛けることを無上の喜びとしている。
 なお、二つくくりの髪の毛は木槌をかたどっており、いざその力が振るわれるときが来たならば多大なる回転モーメントをもたらすであろう。
いすはたん
いすはたん
名前 いすはたん
本名 イスハ・ヴァイスインブーツ
属性器具 スペインの長靴
プロフィール 「心砕けるまで止むことのない圧力との舞踏」スペインの長靴の妖精。
 その圧倒的な握力に加え、腕の三本のシリンダーにはそれぞれ、沸騰した熱湯、どろどろのコールタール、煮えたぎった油が納まっており、指の隙間から染み出してくる。
 のみならず手首から先を赤熱化させることもでき、限度を知らず粉砕の限りを尽くす。
 また迷惑極まりないことに、そこらの隙間や物陰に入り込んではその力を振るおうと待ち構えていることが多い。取り立てて聞き出すことがないにも関わらず、である。
 なお現在はこのような猫のごとき容姿であるが、少し前までは違う姿であったらしい。
 無論かの童話と引っ掛けたかたちでこのような姿になったのだが、本人曰く「かわいければそれでいいじゃない」
 案外妖精とは、いいかげんなものであるようだ。
めるたん
めるたん
名前 めるたん
本名 メルクリウス・アンリ・サンソン
属性器具 斬首刑
プロフィール 「文明と共に生まれた断罪の刃」斬首刑の妖精。
 生まれも古く最近ではこの手法も流行らないため、隠居してめったに人前に出てくることはない。
 しかしいざ人前に出るとあれこれと小言を言っては周りから煙たがられることが多い。しかもその内容がかなり理不尽ときている。例えば遠縁に当たるぎよたんに対して「(ギロチンという機械式の斬首方法では)人の温もりが感じられない」などと、よくわからないことを言ったりするのである。
 このようなロジックであるためよく反論を受けて答えに窮するが、そういった場合は威力をもって意見を通そうとするため、ますます他の妖精たちと距離を開ける結果となる。
 そういった具合なので、まともに相手をしてくれるのはてんぺすたんくらいしかいない。まあ当人は軽く聞き流している程度なのだが。
えりかたん
めるたん
名前 えりかたん
本名 エリカ・ザ・スカルクラッシャー
属性器具 頭蓋骨粉砕器
プロフィール 「希望すら搾り取る鋼鉄の帽子」頭蓋骨粉砕器の妖精。
 右手のヘルメットを犠牲者に被せて圧力を加えるというのはもちろん、その際にヘルメットを打楽器のように叩いて内部へのダメージの浸透を図るほか、左手首を折りたたんで展開される頭蓋骨圧搾輪を用いた締め付けなど、多彩な技を誇る。
 脳という深刻な部位を狙った器具だけに冷酷なイメージを持たれがちだが、本人は歌や踊りが大好きな明るい性格である。
 ねじの締め付けで音程を調整した右手のヘルメットを打ち鳴らし、時には踊り時には唄い、みんなを楽しませることが何よりも好きなのだという。
 ただ時折、悲鳴のコーラスが混じることもあるが、障害の残らないギリギリのところでうまくやってるそうなので、安心だ。

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