第24学校訪問記 2 「創立25周年記念式典」



  合唱
昨日は、先週訪問した第24学校に再度招かれました。「創立25周年記念式典」です。
 
玄関では、スーツ・ネクタイに身を固めた数人の男子学生に丁重に迎えられました。特別に
作られたクロークでコート、帽子、マフラーなどを脱ぎます。女性は靴もパーティ用に履き替え
ます。何しろー20℃の外から来ますからね。
 
舞台のあるホールに案内され、しばらくして学生のパフォーマンスが始まりました。来賓には
市長や州知事をはじめ、お偉いさんがたくさん来ているのに、そういう人の挨拶もなければ
紹介もなしです。日本だったらここで延々と挨拶が続いてうんざりするんですが…
 
学生は7歳から17歳まで。これらが年齢差を上手に生かしながら演技をしていく様が実に
自然です。合唱・デュオ・ソロの歌あり、ダンスあり、寸劇ありで、あっという間の2時間でした。
 
この学校は、ロシアのモデルスクールになっていて、マガダン州や市、また市民や父母などの
大きな支持を受けているといいます。
教育は「文武両道」で、勉強面の実績ももちろん、スポーツや音楽、美術といった情操面
も充実し、またいわゆる家庭科などの学習も実績があると聞きました。
 


この学校の制服変遷史  赤い旗を持ったこの服装が旧ソ連時代の服装です




小さい子から大きな子まで、新体操です
目の前の学生達のさまざまなパフォーマンスを見ていると、
それがただの看板ではないと実感
できます。
歌声は洗練されて美しく、ダンスは、いわゆるクラシック中心の優雅なボールダンス
を男女ともに立派にこなします。
学生の歌やダンスの中に、さりげなく女性の教師達が混ざっています。
校長先生がサッと登場
して、その場の雰囲気に溶け込んで踊る姿を見て、
この学校は教師と学生との間がうまくいっ
ているんだなあと感じました。



 ダンス みごとなワルツです


学年を越えて、こんな小さな子も手を引かれて歌います




               コサックダンス 男性は学生、女性は先生です


パフォーマンスが終わって、先生の中で最初に挨拶したのはもうすぐ退職するという2人の先生
でした。その挨拶も「この学校をほんとうに支えてくれているのは教師ではありません。さまざまの
仕事を黙々とやっている教師以外の人たちです。」というものでした。
今日のいろいろな見聞で、この学校の先生方が、学生に焦点を合わせてしっかり教育をしている姿を強く感じました。





先生を称えた自作詩を歌った卒業生3人組

卒業して数年たつという男性3人が歌をうたいました。セルゲイ先生の訳によると

私たちを教育した先生方は、安い給料で大変だった。
土曜日も日曜日もなく仕事をした。
そんな先生方に私たちは尊敬と誇りを持つ』

という自作の詩だそうです。





校長も飛び入りのダンス うまいものでした




マガダンで唯一行われているロシア正教の教育 司祭が挨拶しました.
右は この学校のスポンサーの一人 金の鉱山を持っているそうです


 
25年といえば旧ソ連時代からの歴史で、社会体制が天と地ほどひっくり返った時代を挟んで
いるのですから、大変なことも多かったでしょう。特に教育の価値観のギャップは一口でいえない
ほどでしょう。
しかし、新ロシアになって14年、以前には否定された教育がしっかり復活し、それも長いロシア
の伝統文化に支えられていることがよくわかります。教師の根気と教師が薄給で苦労したのは事実です。
ようやく今年、国を支える教育に携わる教師の給料を
上げなければいけない、というプーチンの一声で少しUPしたといいます。
 
またまたさまざまな感慨を胸に刻んだ一日でした。          
 
 


 ディナーパーティのごちそう
 



          「シュコルブナーヤ ミューザ」

     という一冊の記念誌をいただきました。「学校の詩神」という意味です。
     中身は学生の詩集、文集と美術の時間に描いた絵と工作の写真集です。



子供の絵



1 「夏の雲」 9歳
 

2 「食事」  13歳



 3 「マガダンの教会」 14歳




                                     4 「ママ」   8歳



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