JR経営から分離した第三セクター鉄道の簡易比較表
  IGRいわて銀河鉄道 青い森鉄道 しなの鉄道 肥薩おれんじ鉄道
開 業 2002年12月 2002年12月 1997年10月1日 2004年3月
営業キロ
 
82.0q
 
25.9q(青森まで121.9)
 
65.1q
 
116.9q(鹿児島県側60.8、熊本県側56.1)
駅 数 17駅(新駅含む) 7駅(青森までで26駅) 18駅(新駅含む) 27駅
線 路 複線電化 複線電化 複線電化 非電化
資本金 20億円 6億円(設立時) 23億円 15億8千万円(両県1:1)
社員数 184人(開業時170人) 30人(開業時21人) 228人(02年4月) 103人(非常勤含む)
運 行 ワンマン、4両編成車掌 いわて銀河鉄道に依存 ワンマン、アテンダント ワンマン
経営形態 第三セクター 上下分離・第三セクター 第三セクター 第三セクター
貨 物 上下51本、八戸貨物1日13,167t(04年平日平均)    
貨物線路使用料 19億99万円(05年度)、収入の49% 4億5574万円 (05年度)、収入の46.3%
 

 
輸送人員



 
・525万3千人(04年度)
・前年比6.5%減少


 
・83万7千人(04年度)
・前年比7.9%減


 
・1125万2千人(04年度)
・前年度比2%減(試算では今後も年2%程度の旅客減少が続くと予想)
 
・8万2千人(04年度)
・「JR時代と比べて特急がなくなったことや運賃が1.3倍になったことが利用減」(「日経」05年6月8日)
輸送密度 3,917(人/日) (04年度) 1,377人(人/日)(04年度) 7,767人(人/日)(04年度) 1,113 人(人/日)(04年度)
運 賃





 
・普通運賃 JRの1.58倍
・通勤定期 2.12倍
・通学定期1.35倍(1.99倍を県と沿線自治体の激変緩和措置。09年まで)
・05年一ヶ月定期で平均22.2%値上げ
・普通運賃 JRの平均1.49倍(普通1.37倍、定期1.65倍)
・開業時の運賃値上げで利用者ばなれや(定期券を購入する)高校生の減少(「東奥日報」05年3月25日)
・開業時JR運賃水準、01年に10%値上げ
・井上社長は「乗客が低迷するなか安全投資などのために値上げが必要との認識は変わっていない」(「日経」05年9月9日)
・普通運賃 JRの1.3倍
・「通勤定期は3割以上のマイナス。値上げとは関係ない。(鉄道の)利用価値がなくなって車の方がよくなったからだ」(嶋津社長)
JR鉄道資産

 
94億円(県が、いわて銀河鉄道へ全額無償交付)
 
22億2795万円

 
県は、JR資産103億円を無利子貸与していた債権を放棄。ようやく黒字確保 10億円(駅舎・建物の減価償却ゼロ)、県が現物出資
経営状況


 
・03年04年とも4,200万の赤字

 
・県に支払う線路使用料を全額免除。それでも05年度から08年度まで累積5,200万円の損失 16年度決算は、開業以来、初の営業利益黒字。経常損失は544万円で、赤字からは脱しきれず 初年度05年3月決算。運賃収入が低迷、経営基本計画を16%下回り、6500万円の赤字。
経営対策



 
・新駅の設置など



 
・小枝社長は「運賃値上げはしないが、一日40本のダイヤ編成では運行本数削減が検討課題」(「東奥日報」05年3月25日) ・新駅設置など
・JR経営の篠ノ井・長野間の移管を要求

 
・熊本と鹿児島の両県をつなぐ第三セクター。
・JR貨物が資本参加。貨物走行時は電化
 
その他




 
・「採算を考えると、どうしても(運賃)を高く設定せざるを得ません。運賃値上げは確実に客離れにつながります」(佐藤社長「朝日」05年12月18日) ・社長は輸送人員の落ち込みが続いていることに「容易ならない事態」(「東奥日報」05年9月28日)

 
・JR経営の篠ノ井・長野間9.3qは、1q当たり1億5200万円の収入。しなの鉄道は1q当たり3400万円
 
・特急が停車しなくなった阿久根地区で、商店の57%がマイナス、21%がややマイナス(「日経」05年6月8日))
・川内・西鹿児島はJR
 (注) 1、2006年10月2日作成。
    2、詳しくは、公共交通をよくする富山の会の各第三セクター鉄道視察・調査リポートをご覧下さい。