「JR北陸線・ローカル線の存続と公共交通
を考えるシンポジウム」への参加のよびかけ
−人々がいつまでも住みつづけられる交通のあり方をもとめて−
 
 
 交通問題は、すべての人々がいつまでも安心して住みつづけられるまちと環境づくりの基本をなしています。とりわけ鉄道は、明治維新以後の近代化のなかで長い年月をかけて多くの人々がつくりあげ、私たちの日常生活や地域経済の発展の幹となってきました。ところが、近年、JRの自由な企業活動として経済効率が優先されるために、私たちの生活がおびやかされ、公共性が損なわれる状況もうまれています。
 
 3月ダイヤ改正で、JR西日本は城端線、氷見線、富山港線の無人駅拡大、列車本数削減、最終列車の繰り上げなどを計画しました。この計画に、県議会、沿線自治体、県立高校長会、PTAなどが改善を求めてJRに申し入れをおこない、富山港線ではシンポジウムや列車本数の改善をもとめる署名運動など、住民要求と運動で一定の改善がなされました。しかし、ローカル線は多くの問題をかかえています。北陸線では、入善駅の無人化に対して住民のねばり強い反対運動がとりくまれています。
 
 12年後の北陸新幹線建設の条件として、並行する北陸線がJRから経営分離されます。その理由は、新幹線の開業後並行在来線が赤字になるからというもので、「政府と与党の申し合わせ」が根拠です。新潟県境から富山までが経営分離し、第三セクター化されることが現実問題となってきていますが、県の試算では、県内東部の第三セクター化では、開業10年目でも黒字になる見通しはありません。
 経営分離によって、東北本線のように県境分離の第三セクター会社の道をすすむのか、特急列車や寝台列車は廃止されるのか、新たに設立される第三セクター会社へ鉄道資産の譲渡は有償か無償か、線路は複線か単線か、貨物列車は走行するのか、だれが出資し会社を設立するのか・・・など、将来の旅客輸送に様々な問題を投げかけています。山積する課題を、ひとつ一つ県民の合意で解決していくことがもとめられています。
 
 交通は、すべての人々にかかわる問題であり、生活に欠かすことができません。だからこそ、鉄道事業法は、第1条で「公共の福祉を増進することを目的とする」と定めています。JR北陸線、ローカル線の利便性と安全の向上、まちの顔である駅を中心としたまちづくり、バスなどと連携した公共交通の発展、地域の活性化や産業振興、環境保全や、高齢化社会への対応からも、鉄道を軸にした総合的交通政策がもとめられています。
 「JR北陸線・ローカル線の存続と公共交通を考えるシンポジウム」は、いま私たちが直面している北陸線・ローカル線をめぐる諸問題や、鉄道の企業性と公共性との調和のあり方、国と地方自治体の交通政策への住民の参画なども展望し、各地の運動やとりくみからも学び交流します。県民のみなさんの参加をこころからよびかけます。
 
 
   日 時   6月16日(土) 午後1時30分〜4時30分
 
   場 所   県教育文化会館 1階会議室
 
   報 告
山火武津夫(東北本線を守る会事務局長)         
土居靖範(立命館大学教授)
他に、県内からの報告者を予定しています
 
   2001年5月吉日
 
 よびかけ人
大泉 哲(富山港線と公共交通を考える会代表)
岡本勝規(国立富山商船高等専門学校教官)
奥田淳爾(洗足学園魚津短期大学教授、入善駅を守る連絡会会長)
奥村義雄(富山大学教授)
酒井久雄(富山地方鉄道社員)
北村信孝(前呉羽小学校校長、鉄道愛好家)
草 卓人(富山近代史研究会会員)
武山良三(国立高岡短期大学助教授)
稲葉 敏(国鉄労働組合富山県支部委員長、シンポジウム事務局)
 
 <連絡先>
    2930−0805 富山市湊入船町7−13 国鉄労働組合富山県支部
           電話 076−432−2503 FAX 076−431−9479