富山港線の路面電車化に向けての提案(案)−2003年7月版−
 
                    2003年7月21日 公共交通をよくする富山の会
 
 JR富山港線を路面電車にする構想が動きはじめました。これは、海のまち岩瀬と立山をつなぐ新型路面電車(LRT)の導入へ新たな扉を開くものといえます。私たちは、この路面電車化が、将来にわたって暮らしのなかに息づくことを願い、いま、何をする必要があるのかを提案します。
 
1、自動車優先のまちづくりから、人と環境にやさしいまちづくりへ
 自動車交通に過度に依存した社会は大きな曲がり角を迎えています。一方、2013年に向けて北陸新幹線の建設工事がすすんでいます。そんななかで、富山港線と市電を結び富山市を縦断する路面電車が展望されているのです。私たちは、この路面電車化が市内の公共交通体系の柱となり、暮らしを支える足、人と環境にやさしいまちづくりの役割をしっかり担うことを期待します。
 
2、市民の創意が生かされるJR富山港線の路面電車化へ
 いま、市民との合意をつくりあげることが大切です。このことは、暮らしによりそった魅力ある路面電車とまちづくりに、また、厳しさが予想される経営にも大きく影響します。
@「市民アンケート」をおこない、地域ごとに「市民委員会」(仮称)を
 富山港線・路面電車のルート、停留所、運行計画などは市民の声が生かされることを望みます。私たちは、「市民アンケート」にとりくみます。また、地域ごとに市民の声が基本計画に反映されるよう地域ごとの「市民委員会」(仮称)が設置されることを提案します。
 
A郊外などにパークアンドライド、市内循環路面電車の復活を
 路面電車と自動車の上手な組み合わせがあってこそ暮らしに便利な公共交通機関となります。そのために、適切な地域にパーク・アンド・ライドを設置し、交通不便地域に循環バスなどを走らせ、中心市街地にはトランジットモールを導入し、市内を循環する路面電車の復活を提案します。
 
BJR富山駅のなかに路面電車の停留所を
 JR富山駅の中に停留所をつくり、市電と早期に接続することを提案します。そうすることで、暮らしに役立ち、乗ってみたくなる路面電車となります。これは、北部地域の歴史・文化を継承し、市中心市街地のにぎわいを創りだす新たな時代の新陳代謝となって活気を呼び起こします。
 
CJR西日本の参加で路面電車の経営安定を
 JR富山港線は、北陸新幹線の並行在来線ではなく、JR西日本の役割は大きなものがあります。路面電車化は、JR富山港線の線路・電路など既存施設の活用はもちろんのこと、JR西日本が路面電車の経営にしっかりと役割を果たす、最良の経営形態が選択されることを提案します。
 
D将来のLRT化へ、新型車両の開発と国の補助制度の充実を
 海と山を結ぶ路面電車化のために、低床、低騒音、スピード機能、登坂能力のある新型路面電車(LRT)は今から準備しなくてはなりません。そのために、安くて高性能の一車両(単車)型LRTの開発や、新たな法律の整備、また、国が路面電車補助制度を充実などを国に働きかけます。