天外魔境・第四の黙示録 ルーレットに関する考察
割合分かりやすく計算通りに戦闘が進む第四の黙示録の戦闘システムですが,エースの奥義の中で『ルーレット』という中々面白いものがあるので,これに目を付けました.
ここでは『ルーレットに関する考察』と題して,ルーレットは得をする?それとも損をする?ということについて少し考えてみようと思います.
少しばかり計算の説明等を含んでいるので,中の話はいいから結論が知りたい!という方は
こちらへ→ 内容を飛ばして結論へ向かう

まずはその効果についてですが,ルーレットは
表1に示す効果がランダムで発動します.


表1 ルーレットの各効果
結果名称 効果
@ ピンポイント 敵1体に通常攻撃の1.5倍のダメージ
A ダブル 敵1体に通常攻撃の2倍のダメージ
B ソニック 敵全体に通常攻撃ダメージ
C スモーク エースが敵の攻撃を避け易くなる
D ミス 不発(つまり何も起こらない)
E Ouch そのターンと次のターンの行動不可

一見するとマイナスの因子が少なくEOuchさえ出なければいいかなと思えて,しかも消費TPは6と少ないので毎回使っていてもいいように思えます.私も結構頻繁に使用していました.
しかし本当にそうでしょうか?きちんと考察した上で損得を検証してみます.

まず,ルーレットに関して考察する上で最も重要なことはCスモークをどう考えるかということ.
天四の戦闘では,敵の攻撃を避ける行為がそれ程特になるとは私は思いません.敵の攻撃が気になるのなら『ウィークマン』の魔法を掛けておけばよいのです.この『ウィークマン』,敵の攻撃力を劇的に下げる効果があり必ず効きます(それはもうゲームバランスを滅茶苦茶にするくらい…).そしてボスでさえもその脅威の魔法からは逃れられません.

と,少し横道に反れたので話を元に戻します.天四においてこちらの行動は何に重きを置けば良いのか考えてみようと思います.MPを温存しつつHPも維持しながら戦闘を終了する?違います.MPは戦闘終了後に必ずMAX状態になるので,その戦闘中MPが尽きるまで回復魔法を使用しても一向に構わないのです.それでは一体何を重要視すれば良いかというと,『戦闘を終わらせるために敵に大ダメージを与える』これに尽きると私は考えます.つまりCスモークもDミスもどちらも敵に与えるダメージが0という点では同等の(マイナス)効果なのです.

通常攻撃ダメージを仮にDとして,各効果のダメージを表2に示します.Bソニックの欄におけるnは敵の数です.EOuchについては次のターンも行動不可ということで-Dとしました.

表2 各効果におけるダメージ
結果名称 ダメージ
@ ピンポイント 1.5×D
A ダブル 2×D
B ソニック n×D
C スモーク 0
D ミス 0
E Ouch -D

どう考察していくかというと,いたって簡単な方法ですが期待値を求めて,通常攻撃と比較すれば一目瞭然です.期待値についてあまりよく分からないという方は確率的に考えて1回の行動でどれだけの効果が見込めるかの指標と思って下さい.
(余計に分からないかな…(汗).まっまあ読み進めて頂ければ分かるかと思います)
仮に各効果がそれぞれ1/6の確率(16.7%)ずつ割り当てられているとすれば期待値は以下の計算式で算出できるので期待値は表3の様になります.

 期待値=確率×ダメージ

表3 各効果における期待値
結果名称 ダメージ 期待値
@ ピンポイント 1.5×D 1/6×1.5×D
A ダブル 2×D 1/6×2×D
B ソニック n×D 1/6×n×D
C スモーク 0 1/6×0
D ミス 0 1/6×0
E Ouch -D 1/6×(-D)

そして@〜Eの期待値を全て足し合わせると以下の様になります.

1/6×1.5×D+1/6×2×D+1/6×n×D+1/6×01/6×01/6×(-D)=(n/6+0.415)D

大きなダメージを与えるということに特化して考えると,これがD(通常攻撃ダメージ)よりも高ければ使用していて得,低ければ損ということになります.つまり得になる条件はコレ.

 (n/6+0.415)D>D

nについて解くと

 n>3.5

つまり,@〜Eの効果がそれぞれ均等に1/6ずつ発動するとすれば,敵の数が3.5体よりも多い時に使用すれば得ということです.敵の数は最大でも4体でその状態は非常に稀なのではっきり言ってしまうとTPを消費して使用するくらいなら通常攻撃をやっていた方が効果が見込めるという結論です.

しかし,この検証で納得するわけにはいきません.本当に確率は1/6なのかということです.ということで実際に確かめてみました.プレイ時間や味方のLV,使用する敵によって確率が変動するなんてことは無いと思うので,示す必要は無いかもしれませんが一応条件を以下に示しておきます.

 プレイ時間  :34時間28分(セーブ時点なので絶対神の所への到着時間は+5分くらい)
 エースのLV :99
 対象となる敵:絶対神

絶対神を選んだのは,他の敵だとすぐに倒してしまい効率が悪いから.プレイ時間やLVは絶対神の所に向かえるデータがそれしか残っていなかったからです.当初は確率を割り出すのに100回くらいやればいいかなと思っていたのですが,やってみるとあまりにも誤差があり過ぎるので,結局は1000回ルーレットを行い,統計を取りました(何やってんでしょう…).
で,これにより割り出した確率を表4に示します.

表4 各効果における確率と期待値
結果名称 ダメージ 1000回中
の発動数
発動確率 期待値
@ ピンポイント 1.5×D 175 17.5% 17.5/100×1.5×D = 0.2625D
A ダブル 2×D 157 15.7% 15.7/100×2×D = 0.314D
B ソニック n×D 168 16.8% 16.8/100×n×D = 0.168nD
C スモーク 0 168 16.8% 16.8/100×0 = 0
D ミス 0 162 16.2% 16.8/100×0 = 0
E Ouch -D 170 17.0% 17.0/100×(-D) = -0.17D

結果を見ると,永遠にやっていれば確率は1/6(16.7%)に収束していくのかな…と考えられるのですが,せっかく1000回も試して統計を取ったのでこの数値を使って計算します.

期待値の合計=(0.168n+0.4065)D

従って,通常攻撃よりも大きな効果が得られる条件は

 (0.168n+0.4065)D>D
 n>3.5


ということになります.結局のところ変わらない結果になってしまったわけですが,これですっきりしました(笑).ちなみに敵の数に対する期待値は表5の様になります.

表5 敵の数と期待値
敵の数 1体 2体 3体 4体
期待値 0.57D 0.74D 0.91D 1.08D
というわけで,
【結論】

敵の数が1〜3体:通常攻撃の方が敵に大きなダメージを与えられる!
敵の数が4体      :ルーレットの方が敵に大きなダメージを与えられる!

※敵の数が4体以上という状態は滅多にないので結局は通常攻撃の方が
   ルーレットよりも大きなダメージを見込めるという結論になるかと思います.


【感想】(※内容を飛ばして結論をご覧になられた方にはよく分からないと思います)
さすがに1000回は疲れました….滅茶苦茶時間がかかりました(十数時間でクリアできる天四において,それと同等の時間を費やした様な気が…).途中からやる気を出すのにも苦労しました.単なる統計というのは当初の意欲を保つのが大変ですね.しかも絶対神の動きは他の敵よりも鈍いので敵の行動が長い長い….途中から夢見が毎ターン「雷神…雷神…」って言うし.敵の行動だけで40秒近くかかるので,アニメーションOFF機能が本気で欲しかったです.それにしても(攻撃力を下げるため)武器を持たないエースのルーレットのみで倒されてしまう絶対神って…サネトモも浮かばれませんね.この企画のために犠牲になった数十体の絶対神にご冥福を.

最後に,この企画中に判明したことを2点掲載しておきます.
(こんなことをしようと思わなければ滅多に分からないことです.)
【1】絶対神の2度破裂
ルーレットで『ダブル』が発動し,その1回目の攻撃で絶対神のHPが0になった場合,2回目の攻撃で絶対神が内部破裂する(止めをさしたエフェクト).その後,雷神が雷神波を放って再度止めを刺すので,ダブル(2回目)と雷神波で絶対神は合計2回止めをさされることになる.
【2】逃げても止めのチャンス!?
夢見の内部から?の攻撃で絶対神のHPが0になった場合,その次に回ってくるキャラの行動は受け付けられるが,既に絶対神を倒してしまっているので,そのキャラがどんな行動をとろうとも行動後に雷神が止めを刺す(雷神波発動).
【例】
夢見・攻撃(絶対神HP0)→エース・逃亡(失敗)→『今だ雷神波で止めを』→雷神・雷神波(止め)
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