シルバーシートのゆくえ

 JR東海所属車輌の特徴でもあった、全車に設置された「シルバーシート」。その「シルバー」という語句から「高齢者」を連想しがちですが、元々れっきとした「交通弱者の為の優先席」でした。JR東海でも首都圏での変更を後追いするかたちで、「シルバーシート」から、「優先席」の表示に変化しました。
 果たして、そのゆくえは…
(撮影日2005年1月12日 名古屋駅・静岡駅)

 こちらが「シルバーシート」に代わって登場した「優先席」表示です。デザイン自体は首都圏で採用されているものと特に違いはありませんが、オレンジ色としたのがJR東海らしいところでしょうか。
 まずは211系から観察してみることにします。

 211系では、後からバリアフリー改造を受けた編成(クハのみ)に対して、車椅子マークが表示されるようになりました。写真の奥、当初は2人がけのロングシートが設置されていた個所に、手摺とヒーターのみを設置し、車椅子スペースとしています。
 さて、問題の「シルバーシート」マークですが、なんと!上から銀色とも灰色とも言えない色合いのシールを貼り重ね(明らかに凹凸で分かる)、表示を消してあります。
 ちょうど、上写真の車椅子マークとドアを挟んで反対側です。


 かと思えば、きちんと剥がした後に、貼り重ねたものもあったりします。作業の途中で方針転換があったのでしょうか?
 続いては311系です。「普通」運用もすっかり板についてきた感じがします。

 311系では、早くからバリアフリー改造が進行したため、「シルバーシート」表示と「車椅子」マークが一緒に掲出されていた時期があり、また211系とは「シルバーシートマーク」の掲出位置が異なっていたため、車椅子マークは少し下に位置します。
 今後、車椅子マークは検査等で入場した際に、211系と同様の正規の位置に貼り直される可能性が考えられます。
 また、この編成では、「シルバーシート」表示が、きれいに剥がし取られていました。

(おまけ)

 311系は当初の白い幌から、在来のグレーの幌に交換されているものが現在ほとんどとなっています。
 他の形式(静岡車両区配置:211系6000番台など)でも白からグレーへの交換を確認しています。

 次に313系です。
 最初からバリアフリー対応となっていたため、車椅子マークは当初からあり、「シルバーシート」表示のみを(シール貼り重ねで)消したに留まります。
 余談ですが、この連続して窓に張られた「優先席」表示と広告シール。いかがなものかと…

(模型ではKATOの313系が「シルバーシート」表示印刷済みとなっていますが、車体と同系統色のシール・インレタなどを貼り重ねれば、実車と同じ雰囲気が味わえそうです。)

 さて、こちらも名古屋を代表する1系列とも言うべきキハ75系です。
 こちらも313系と同様、当初からバリアフリー対応のため、「シルバーシート」表示のみを(こちらもシール貼り重ねで)消してあります。
 ただし、こちらも311系同様、今後、車椅子マークは検査等で入場した際に、貼り直される可能性が考えられます。
 ところ変わって、こちらは静岡地区の211系です。
 シールの貼り重ねで「シルバーシート」表示を消すという手法は同じようですが、こちらの「シルバーシート」表示は小さいものだったのでしょうか。凹凸から判断できます。
 中京地区からはすっかり姿を消してしまった113系も静岡地区ではまだまだ現役。こちらはすんなりと剥がし取っただけのようです。微妙な色の違いが分かります。

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