E351系
 E351系は1993年に中央東線の特急「スーパーあずさ」用車両として、まず先行試作車が登場し、つづいて1995年には車体構造、主回路、空調装置等に改良を加えた2次車が登場しました。E351系は「制御付き自然振り子」方式を採用し、中央東線での曲線通過速度を向上させることで、到達時間を短縮させることに成功しました。制御付き自然振り子方式は、遠心力による振子動作に加え、各車両の空気シリンダにより車体を傾斜させる動作を行うもので、ATS地上子や線路データ、走行速度などから適正な車体傾斜動作を行うため、曲線区間に入る前から徐々に車体を傾斜させるなどスムーズな動作が可能です。またパンタグラフは車体傾斜の影響を受けないよう、台車枠と直結した支持架台に搭載しています。ちなみに、この振り子が動作するのは、八王子〜松本間に限られます。
 制御方式にはVVVFインバータ制御方式を採用し、運転最高速度は130km/h、曲線通過速度は最大で本則+25km/hとなっています。また、ローカル線区での回生ブレーキ失効時に備え、発電ブレーキも併用するブレーキ方式となっています。1994年グッドデザイン賞受賞車です。
 S編成(松本電車区)
実車について
 E351系の編成は基本編成の8両編成(松本方)と付属編成(新宿方)の4両編成から構成され、最大12両編成で運用されます。12両編成組成時の両端に位置する先頭車は、非貫通構造となっており、先頭部には列車愛称などを掲出する大型LEDパネルが組み込まれています。一方、基本編成と付属編成との連結部となる両先頭車は貫通型の先頭車で、連結時には通り抜けが可能となっており、愛称掲出機などは設けられていません。基本編成、付属編成とも5編成ずつ、合計60両すべてが松本電車区に集中配置されています。中央東線の「スーパーあずさ」を中心に運用されていますが、東海道本線でも「湘南ライナー」として運用されている姿を見ることができます。
模型について
 KATOから2次車基本、付属編成12両が製品化されています。製品は日本型車両では初の振り子機構付き車両です。製品では、台車の中心ピンを車端側にオフセットすることで、曲線区間で台車が車体中心線上から左右に偏寄するするようにし、床板側の山型に配置された集電板のガイドにより車体が傾斜する仕組みです。ただし、車両の両側にこの機構を付けると、S字カーブで相互で逆方向に動作して不具合が生じるため、片側の台車にのみこの機構が付けられています。
模型写真
 

 


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