311系
 1989年、それまでの117系に代わり、東海道本線 豊橋−大垣間の「新快速」用として投入された形式です。車体や制御機器などの基本構造は、211系5000番台を踏襲していますが、新快速用として最高速度は120km/hとされ、台車(C-DT56、C-TR241)にもヨーダンパが装備されました。また、JR東海各電化路線での運用を考慮し、パンタグラフ部分を低屋根構造としたうえで、狭小トンネル対応のC-PS24A形パンタグラフを搭載しているほか、211系5000番台、213系5000番台とも併結が可能です。
 外観は211系に似た片側3扉のステンレスボディですが、先頭部はわずかに傾斜した大型曲面ガラスを採用し、より丸みのあるデザインとなっています。JR東海のコーポレートカラーであるオレンジ色の帯が巻かれています。
 車内は117系と同様、転換クロスシートが並び、当時の在来線車両としては珍しく、各車にLED車内表示装置が設置されたほか、クハ310にはカード式の公衆電話も備え付けられていました。(現在は撤去されています。)
 G編成(大垣車両区)
実車について
 4両編成15本すべてが、大垣車両区に集中配置されています。製造時期により外観に違いがあり、G1〜5(1次車)は先頭部助士席側窓に列車番号表示器がありますが、G6以降(2次車、3次車)は省略され、車外スピーカの取付位置も車体側面から、クーラーキセ内に変更されています。製造当初は、空調装置としてC-AU711D形を全車に2台ずつ搭載していましたが、先頭車については冷房能力不足の問題から、容量の大きいC-AU713D形に順次交換されました。また211系5000番台等と同様、シングルアームパンタグラフ(C-PS27A)への交換が進行中です。
 当初は新快速を中心に運用されていましたが、1999年に後継の313系が投入されてからは、普通列車を中心に運用されており、静岡まで乗り入れる運用もあります。
模型について
 MicroAceから、登場時の床下が黒い姿、その後床下がグレーに塗装された姿、さらにパンタグラフがシングルアーム式に交換された姿の3タイプ(いずれも1次車 それぞれG3、G5、G4編成)が模型化されています。
 写真は、このうち床下グレー(右側)、シングルアームパンタ(左側)の各編成で、TNカプラーへの交換のほか、列車無線アンテナ、信号煙管などをKATO製に交換しています。製品付属の行先表示幕シールは、地の白色が薄く透けてしまうため、表示窓を白く塗装してから、その上に貼り付けています。また、先頭部助士席側にある列車番号表示器の表示も、地の黒が透けないよう、白いシール(作例ではGM製シールの余白を使用)に重ね貼りしたほか、運転席側の行先表示もシールと点灯式のプリズムとの寸法が合わないため、列車番号表示と同様、白いシールに重ね貼りし、非点灯(遮光)としました。
模型写真
 

 


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