119系
 80系などの旧型国電が運用されていた飯田線用として、1982年に製造された形式です。輸送単位が小さい飯田線での使用環境に合わせ、電動車を1M方式(電動車が1両)とし、単位編成を2両としています。製造コストを極力抑えるため、冷房の搭載が見送られ、台車や補助電源装置(MG)などに廃車発生品が再利用されるなど、当時の国鉄の財政事情が反映されています。塗装は身延線用の115系と同様の地域カラーで、水色(青22号)に明るい灰色の帯でした。1986年には、8編成16両が冷房化改造・塗色変更のうえ、するがシャトル用として静岡地区の東海道線(島田−興津間。のちに島田−富士間に拡大。)で活躍しました。1988年には、9両のクモハ119形が両運転台化改造を受け、100番台を名乗るようになりました。現在は全車が飯田線に戻り、SIV(静止形インバータ)とインバータクーラー(C-AU711)による冷房化改造が施されたものは5000番台、5100番台に改番されるとともに、JR東海色への塗り替えも実施され、飯田線全線で活躍中です。現在は全車、大垣車両区の所属です。
 I編成(静岡運転所)
実車について
 JR化後、冷房化改造、JR東海色への塗り替えが進められましたが、冷房化改造は「するがシャトル」用編成の場合のような廃車発生品MGを使用した集中冷房方式ではなく、補助電源にSIV(静止形インバータ)を採用した、インバータクーラー(C-AU711)による分散冷房方式となり、同時に車番も5000番台とされました。
 また、するがシャトル用として静岡地区で活躍したSS編成も、飯田線復帰後は、I編成に編入されています。
模型について
 従来はグリーンマックスの未塗装キットが発売され、これを組み立てるしかありませんでしたが、現在では同社から塗装済み完成品モデルとして発売されています。冷房化改造とJR東海色への塗色変更、床下のグレー塗装を施した現在の5000番台の姿を再現しています。床板や台車、及び動力はTOMIX製のためTNカプラーの取り付けが可能です。また、パンタグラフなどのパーツはグリーンマックス製ですが、パンタグラフはTOMIXのPS23形に、避雷器、信号炎管、ヒューズ箱などもTOMIX製の物に取り替えています。
模型写真
 
 M編成(静岡運転所)
実車について
 119系はクモハ119形とクハ118形が同数で製造されず、クモハ119形が9両多く製造され、当初はクモハ119形を2両組み込んだ3両編成も存在していました。1988年に、この編成中の片方のクモハ119形に両運転台化改造を施し、クモハ119形100番台となって誕生したのがM編成です。この編成も順次、冷房化改造とJR東海色への塗り替えが進められましたが、従来のするがシャトル用編成のようなMGを搭載するスペースはなく、当然のようにSIVとインバータクーラーによる冷房化改造となり、番台も5100番台となりました。
模型について
 グリーンマックスから、完成品モデルとして119系5100番台が発売されました。動力車とトレーラーの2両セットですが、それぞれ反対側の運転台しかライトが点灯しません。また、トレーラーの床下は動力車のモーターカバーをそのまま取り付けて表現され、見た目の統一感はあるものの両端に大きな穴が開いてしまっています。これらの課題については、追々解決するつもりです。各種のパーツについては、I編成と同様にTOMIX製の物へと交換しています。
模型写真
 
 SS編成(静岡運転所)
実車について
 1986年に8編成16両が冷房化改造と塗装変更のうえ、東海道線静岡地区の区間列車「するがシャトル」用として、飯田線運用から転出しました。冷房化改造にあたっては、特急食堂車の廃車により発生した補助電源装置(MG)を再利用(クハ118形に搭載)し、AU75G型を屋根上に搭載しています。塗色はアイボリー地(クリーム10号)に赤(赤1号)で、側面に大きく「SS」を形どった塗装でした。JR化後はSSの一方のライン上に白いJRマークが貼られましたが、1編成だけは乗務員扉後方に灰色のJRマークが貼られていました。また、SS7編成はその後のJR東海色の試験塗装編成として活用され、アイボリー一色に塗り替えの上、211系用の湘南色帯シールを貼り付け、しばらくの間、他のするがシャトル色の編成とともに活躍しました。
模型について
 グリーンマックスの未塗装キットの組み立てです。するがシャトル色は塗装が困難で、やっとのことで再現していますが、あまり綺麗な仕上がりではありません。下段の写真は、グリーンマックスから塗装済み完成品(限定品)として発売されているものです。
模型写真
 
 

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