N700系
 Z編成
実車について
 N700系は、2000年に登場した700系を更に発展させ、車体傾斜システムや高性能セミアクティブ制振制御、新型パンタグラフなど多くの新機軸を盛り込み、2007年7月に営業運転を開始した形式です。
 東海道新幹線は、後に開業した他の新幹線各路線と比較して、曲線の半径が小さく、急で、従来半径2500mの曲線区間では、255km/hに減速していたため、最高速度の270km/hで走行できる区間は、全体の約3分の1に限られていました。この曲線区間を減速せずに通過するため、台車に取り付けられた空気バネの高さを車体の左右で意図的に変化させ、車体を曲線の内側に1°傾斜させる「車体傾斜システム」が、新幹線車両として初めて採用されました。これにより、東京−新大阪間を、それまでの2時間半から、5分短縮させることに成功しています。なお、この車体傾斜システムは山陽新幹線区間では機能せず、乗り心地向上のための0°(水平)制御として機能するようになっています。(山陽新幹線区間での最高速度は300km/h)
 独特の先頭形状は、「エアロ・ダブルウィング型」と呼ばれ、トンネル微気圧波に配慮しつつ、先頭部長さは500系の15mよりも短い10.7mに抑えられています。
 このような数々の新機軸の採用により、東海道新幹線区間での電力消費量は700系と比較して19%、300系と比較して25%と、大幅な低減を実現しています。
 また、高性能セミアクティブ制振制御の採用による乗り心地の向上や全周ホロの採用による車内騒音の低減に加え、700系と同様、300系以来の各車両定員を踏襲しながら、普通車のシート幅を、700系と比較して10mm広くするなど、居住性も向上しています。
 今後、JR東海で80編成、JR西日本で16編成が投入され、2011年度にはすべての定期列車の「のぞみ」がN700系に統一される予定で、これにより500系は「のぞみ」から撤退することになります。
模型について
 写真はKATO製の16両編成です。4両基本+4両増結+8両増結(ただし、ケースは8両ずつ収納可。)の各セット売りで、実物どおりの16両編成を組成できます。
 製品は、号車番号・禁煙表示(全車禁煙車)や行先表示(のぞみ1号 博多)等の各種表記が印刷済みの状態(TOMIXでは、禁煙車表示・屋根上号車番号表示・車体端部注意表示がインレタ)で、700系では後付パーツとなっていた碍子も取付済みとなっているなど、完成度の高いモデルとなっています。
 同社が製品化している、500系、700系と違い、屋根上の滑り止め処理が塗装からモールドに変更され、車体と同じ、白一色で塗装されているので、屋根上の特高圧引通線の車体間渡りのモールドを黒色に塗装したりすると、良いアクセントになります。
 また、カーブでの車体傾斜機構を採用した他、全周ホロを表現した伸縮式のホロを採用しており、実車の雰囲気の表現に力が注がれています。
模型写真
 

 

 
連結部・全周ホロの表現の様子


新幹線車種選択に戻る    鉄道模型(車両方面)へ戻る