自転車オートバイ風自転車(3) 2005年1月

ベロソレックス風のプレスフレームを持った自転車製作の3回目です。今回のテーマは現物があるだけに、オリジナルを尊重しようと思うと余計にむずかしかったです。いいかげんには作れませんね。

鉄板の折り曲げ自転車製作なんて、作業量はたいしたことはないだろう、、、などと思って始めましたが、手作りとはいっても、部分的に金型(簡易型)が必要になりますね。型を作って、プレス実験をして、それから実際の部品の製作ですから、ジミチな作業が続きました。


製作の説明

後部キャリヤ 部品というよりもフレームの一部ですね。この部分も全体の剛性に関係しているはずです。ベロソレックスはキャリヤなしでは成り立ちません。

中央プレートは簡易型を製作しました。加工板を上下で挟むことにより板のゆがみを減らして、プレス成形しました。中央プレートは長穴が2個あいていますが、穴方向につばを全周立ち上げています。中央部の穴も段付き加工しています。箱型に折り曲げて全体の強度を上げています。

 

外枠プレートは変わった断面をしていますが、なんとか曲げました。荷物フックもプレス曲げ。キャリヤステーはコの字断面の部材です。こういう加工は90°曲げを2度くり返して、コの字型に成形します。両端を加工して一丁あがり。

テール部 テールランプとナンバープレートの取り付け部もプレス成形です。キャリヤとデザインが一体化されています。また、ここはドロヨケとナンバープレート取付部を兼用しています。自転車ですからナンバーは必要ありませんが、アクセサリーのプレートを付けるつもりです。

フレーム前部 現物は1枚の板から角パイプを成形していますが、今回はほぼ同寸の角パイプを使用しました。市販パイプの角Rより、現物の角の曲げRはもっと緩く(大きく)なっています。全体にカクカクしたプレス品を使いながらも、柔らかい、優しい印象がするのは、この大きな角Rが影響していると思います。


ここで全体を仮組みしてみました。各プレス部品を左右合わせて貫通ボルト止めしています。だんだんイメージが出来上がってきました。こういうタイプの自転車は組み立てた時にカッチリした、ピチッとした感じが出ていないと満足できません。ヨレた感じが出ていてはだめなんですね。

 

今回のプレス加工の種類としては、曲げ、ビード補強加工、エンボス加工、などがあります。金属の板曲げ加工は紙を折るのと違って材料の弾性と板厚がありますから、曲げる時に伸びたり、縮んだりが発生します。展開図を書く時にそれを見込んだ寸法にします。なかなか面倒な作業ですがテキトーにやるとうまくいきません。

あと残っている部品はサドル、ハンドル関係、スタンド、エンジン部の処理、、、などなど。


曲げ加工で一番の注意点は、反対側に曲げないことです。つまり、本来曲げるべき方向とは逆の方に曲げてしまうことです。そういう単純な間違いが結構あるんですね。曲げ線のずれや位置を注意したりはするのですが、かんじんの曲げる方向を間違えてしまう、、、。自分でもあきれてモノが言えません。部品は作り直せば直りますが、こういった性格だけはなかなか治らない。オシャカにする訳にもいきませんしね。

ベロソレックスの初期型の写真をここで載せてみました。こちらの方が好きです。今でも通用するカタチです。それにしてもベロソレックスはずいぶん長く作られていますよね。いったん大きなプレス型を作ってしまうとなかなか生産がやめられないのかもしれません。気持ちはわかります、、、が、それにしても長い。 (もう、モトは取ったよね?)

自転車ってほんとにむずかしい。 


次回は2月8日までに更新します。続けて自転車オートバイ風自転車(4)を予定。これを早いところ片付けて、、、

*「どっちのサイクルショー2005」なんていう企画も立ち上げてみましたが、どこまでできるかわかりませんが、まァ、やってみますね。

こんな話しですがわかってもらえますか?

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