自転車オートバイ風自転車(2) 2004年11月

ベロソレックス風のプレスフレームを持った自転車製作の2回目です。テーマとしてあげたからにはドンドン進めていくつもりです。いろいろなテーマで作ってきましたが、今年もこんな調子で終わってしまいそうです。

手もとにあるベロソレックスは全体にかなり腐っているので、全部バラして寸法などをチェックするのはなかなかむずかしい(面倒くさいという言い方もありますが)状態です。バラしたら元に戻らなくなるんじゃないかなぁ。そんな訳で内部の構造、寸法は部分的に都合の良い想像が入っています。

部品の名称については、自転車に準じて書きましたが、このような形式の自転車ですから名称と実物がまったく違うモノもあります。


製作の説明

これが曲げ型です。右がポンチと左のダイスで板をはさんで加圧します。この金型では90°V字曲げができます。小さな部品や目立たない場所の部品はハンマーで叩いて曲げてもなんとかなりますが、曲げ線が長くなると金型を使う必要がでてきます。今回のようなモノではやはり金型で曲げて、きっちりした曲げ線にしたほうが部品が組み合わさったときによりキレイに、まとまって見えるはずです。

 


製作物をいくつか

シートポスト 展開形状を切出して、曲げ型によりコの字に曲げます。部分的に溶接して製作しました。実物は一体式の絞り部品ですが、今回は1品モノですから溶接を併用しました。

 

シートステー アングル状に曲げています。最終的にはハブ軸に向かって開いた形状にしなければなりません。となりの部品はつめ部の補強部品です。2個作り、それぞれ取り付けます。また、実物のエンドの形式は逆づめですが、正つめに変更しています。シングルギアですから、チェーン引きをつけておいた方が良いと考えました。

チェーンステー シートステーと同じようなカタチをしています。アングル状に曲げて取り付け穴をあけます。取り付け部はボルト頭を沈めるための段付き加工をする予定です。大ギアカバーも製作しています。

シートチューブ コの字型の部品です。シートステーとチェーンステーとは、スペーサーをはめ込みながら貫通ボルトで組み立てます。製作品については細かい工作や仕上げがしてありませんが、これらの部品で、後ろの三角部がほぼできた状態です。

全体のデザインが弁当箱のようなカクカクしたカタチのプレス品ですから、あまりにもゴツく見えないように幅をすこし狭くしています。ボルト止めの位置なども変えています。ベロソレックスと見た目はほとんど同じに見えますが、部品の互換性はありません。


自転車好きの関心はだいたい高級車に向かっていくもので、工作としてはCNCや鍛造なんかが大好き!、、、なんてヒトも多いと思います。プレス加工などは趣味性が低くて、あまりカンケーないようですね。

だいたいプレスモノなどと言われて一言でかたづけられてしまいますが、プレスは生産性が高く、材料も経済的ですから、自転車の加工方法では一番使われていると思います。町に走っている一般自転車部品をよく見るとほとんどプレス関連の加工といってもいいかも知れません。(だからカンケーないんだよ。)

こういうプレスフレームも今後なんとか実車で表現できないものでしょうか? 過去の先人が試したことも、再度解釈を加えることで新たなモノがうまれることもあるでしょうからね。プレス加工で生産性を上げながら、品のある、魅力ある乗り物ができないかなぁ、、、そんな自転車、見てみたい。乗ってみたい。

自転車ってほんとにむずかしい。



次回は12月8日までに更新します。内容は、、、考え中です。

*HPもなんとかここまで続けて来ることができました。みなさんの「はげましメール」のおかげです。ありがとうございます。来年はどんなテーマで進めたらいいかなぁ。

こんな話しですがわかってもらえますか?

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