アメリカンサイクル(5) 2003年11月

シュイン自転車(SCHWINN)のスティングレイのレプリカ製作についての最終回です。今回でとりあえず終了です。みなさんから作業日誌テーマについてリクエストのメール?もありましたし、そのほかにもいろいろやっていきたいモノがありますからね。

写真を多めにいれましたので各部についてはだいたいわかってもらえると思います。最終報告なので写真にちょっとゼイタクをさせてもらいました。


作部品の説明              

チェーンケース取付金具

ハンガー側の取付金具です。フレームパイプの根元の部分にネジ小物を2個直付けしておきましたのでここに取り付けます。取り付け板は鉄板から切り抜きました。目立たないところにある部品でも、ある程度カタチに気をつけて製作します。自転車部品は裏側や下側から見られることもありますから手が抜けません。

チェーンケース本体 2種類の方法をやっています

いきなり鉄板からたたき出して成形できるほどのウデはありませんから、準備作業としてコアになる心金(しんがね)を作っています。5ミリ程度の鉄板を切り出して、溶接し、チェーンケースの形に整えます。これをベースにチェーンケースの材料の鉄板を当てて製作します。一番上が心金です。

1つめは手ハンマーで叩いての成形です。ハンマーの叩き跡やゆがみを完全に無くすことはむずかしいですが、根気よく作業します。材料が絞られるような場所はガスで熱して成形していきます。ヘコミがよくわかるように軽く塗装して外観のチェックもしてみます。最後は平滑面になるように磨きあげます。

2つめは展開して溶接して組み立てる方法です。2つの部材に切り分けて、溶接して形にしていきます。最終品はこちらの方法で完成させています。

板金作業の中でも絞り加工が入ったモノはむずかしいです。今回もチェーンケース本体を2個作ってみましたが金型でプレスしたようにはなかなかできないので、出来上がりには満足していません。作った本人が見ると今一つのところばかり目についてしまいます。まだまだ自転車製作修行を続けなければなりません。

最後のまとめ

主なメッキ部品はクロームメッキにしました。できればボルトやナットなどの使用している部品の表面処理も統一するとさらにまとまり感が出てきます。

チェーンケースの側面にプリンターでマークを製作して貼り付けました。車名はオリジナルに敬意を表してSTINGRAY-Mにしました。Mはもどきということです。

シフトレバーはインジケータ部(シフトポジション)にマークを作っています。

各アウターワイヤー類の取り付けはステンレス板でワイヤーバンドを作りネジ止めしました。現代的なまとめの場合はフレーム直付けのガイドになりますが、アウターバンド止めの方がいい感じになったと思います。 ということはチェーンケースもフレームパイプへのバンド止めの方が良いかもしれませんね。

  

 


1台あるだけで時代が表現できます。文化を感じさせる自転車と言ってもいいのかな。ある時代を背負った自転車なのでしょうね。今回製作のSTINGRAYーMはレプリカなので役不足な感じもありますが、雰囲気だけでも感じていただけるでしょうか。 

製作した時はいいと思っても後で改良部分が見えてくることがあります。見ていてがまんできなくなる部分ですね。そんな時はやはり手直ししていかなければなりません。しばらくしたら再登場することになるかもしれませんので、その時はあたたかく迎えてください。

自転車ってほんとにむずかしい。


次回は12月8日までに更新します。次回はお気楽自転車雑貨(2) ベルのつづきでB案について。

完成祝賀用に米国バドワイザービールを考えていましたが、ここでちょっと気になったものですから、米国産の日本酒を探してみました。わざわざ池袋の東武デパートの酒売り場まで行ってきましたが、ここでちょっと腰砕け。恐くて聞けませんでしたね。でも自転車関連の日本酒を見つけました。夢一輪(栃木の小島酒造)。2本並べればなんとか自転車です。

*今回で1年間ぶんの報告がなんとなく終わってしまいました。そろそろ来年の作業日誌テーマの開発計画などもちょっとマジメに作成してみたりして。

こんな話しですがわかってもらえますか?

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