前回のペダーセン(ペデルセン)自転車はいかがでしたか? 面白いけれど、よくわからない「深海魚の創作料理」などとの評をいただきました。今回はすこし深度を浅くして、アレックス・モールトンです。今はカタログ落ちしてますが、モールトン自転車としてはごくスタンダードなモデル、AM-7です。92年型ぐらいのものだったかな?今ではいろいろな雑誌で紹介されていますね。その特徴的な形状からTVのCMやファッション雑誌などにもときどき登場しています。かっこいいですね。わたしのものはオプションのフェアリング(風除け)を付けています。今回、こまかな紹介は雑誌のほうにまかせて、さらにこまかく、スミのほう、、どなたも取り上げてくれない部分を
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とりあえず1点。ブレーキワイヤーのジョイント部。上側のパイプのところにこのジョイントがあるわけですが、走行時の上下振動でパイプの塗装面にキズを付けてしまうのですね。特にここはジョイントにローレット加工(ギザギザ)がされているのでよけいにキズが付きます。最初のころはここにゴムのOリングが2個はめこんであって、それで接触をガードしてありますが、そのうちに紫外線の劣化でとれてなくなってしまう訳です。もちろんOリングを別途手配して、はめ込めばいいのですがまた同じようになくなってしまいますから暫定対策にしかならないわけですね。
2種類のやり方をやってみました。
1.ナイロンの丸棒を旋盤で切削してC型のリングをつくり、それをジョイント部にはめ込んでみました。これによりパイプ部とのスキマがなくなり、振動が押さえられました。ナイロンですからキズの防止にも役立ちます。写真のものを4個つくりました。C型ですので視力検査表のように配置して撮影しておきました。「最近なんか目が疲れてどうも、、」という方、わかりますか?
2.もうひとつは熱収縮チューブです。ヒシチューブなどと言ったりしますね。はめこんでから熱ヒーターなどで加熱して収縮・被覆するものです。電気の配線などで使います。どちらかと言うとコレのほうが好みです。あまり目立ちませんから。写真では良くわかりませんが、黒い部分が収縮チューブです。そのすぐ下側からジョイントが分割されます。
熱収縮チューブをライターやガスバーナーで加熱するときは火災に注意してください(消防団員からのお願いです)。自転車を燃やしてしまってはなにもなりません。また、自転車は燃えるゴミに分別されていませんからね。
全体に写真が見づらくて申し訳ありません。
ついでにもう少し言わせてください。フェアリングから。その大きさと目立ち度でちょっと現実的・実用的ではないですね。とにかく目立ってしょうがない。目立ち度から言ったら自動車のポルシェやフェラーリなどよりも上かな。さりげなく走ることなんてできません。
なにしろ透明ですからまわりの視線に耐えられないんですね。一般の町人としてこれはハズカシイ。スモーク色でもついていれば顔ぐらい隠せるけど。また、走行時のこもり音(前輪回転時の走行音)があったり、風がある時もたいへん。したがってわたしの場合はふだんは取り外して、お部屋のカザリにしています。どこかの原住民の楯みたいでかっこいいので取り外しての保管もなかなかです。でも、友人が来た時に「ナニ?、コレ?」って必ず言われるんですね。いちいち説明しなければならないのも面倒ですから、いずれ民俗資料館のように解説文を張り付けておこうと思っています。
モールトン自転車は熱烈なマニアがどこかに生息しているそうで(モールトニアって言いましたっけ)、公然と批判すると恐ろしいことになりそうなので、(もうすでに睨まれている気がする)このへんでヤメておきます。小径自転車界では別格の存在ですが、改良すべき点はちゃんと言わないとね。でも、小径タイヤ、前後サスペンション、分割機構など革新的なコンセプトの自転車を提案したことには本当に尊敬します。自転車史に残る発明ですね。
最後にささやかなお願いを1つ。 もうすこし安くならないですかぁ?
自転車ってほんとにむずかしい。
(表題の漢字はじゅうばこと読みます。カタカナで読みたい人はジュウバコと読んでもかまいません。この重箱も使うのはもうお正月ぐらいになってしまいましたね。)
ホームページを開設したばかりでお勉強も兼ねて一月ごとに更新していきます。
次回のおはなしは2月8日
こんな話しですがわかってもらえますか?