Last modified: Tue Dec 29 21:54:14 1998

1998年12月

12/29
 さて横浜フリューゲルスは先シーズン天皇杯・前期優勝・今シーズン総合優勝の鹿島アントラーズにも勝ってしまった.ついに決勝.フリューゲルスの試合をこんなにどきどきしながら見ていたのは,93年の天皇杯準決勝の対ヴェルディ戦以来だろう.あのころもものすごいプレッシングがよかった.コーナーキックのクリアに合わせてセンターラインまでバックがあがってきてたからねえ.あれを見て(加茂前監督の言う)「ゾーンプレス」が分かったような気がした.

 で,プレッシングと言えばオランダ代表.ライカールトが監督になってからの二試合,対ペルー戦と対ガーナ戦をテレビ観戦した.ペルー戦は2-0で圧勝.これもラインの押し上げがすごくて,オフサイドをハーフラインのところでとっていた.つまりディフェンスの一番後ろの選手(除ゴールキーパー)がハーフラインを超えてたんだぜ.加茂日本代表の「ゾーンプレス」と言いながらかなり下がっていたディフェンスとは対照的.
 ペルー戦から中二日置いたガーナ戦は0-0の引き分け.中二日の日程とガーナの出来がよかったせいだ.でもオランダ代表はやはり素晴らしい.今度のEURO2000が楽しみ.

 この間車のヘッドライトの電球を取り替えたわけだが,この電球は「同じワット数の電球より1.4倍明るい」という触れ込みだった.実際使ってみるとやはり明るい.ヤンキーがつけているような青白い光というわけでもない.なんにせよ良い感じ.電球の神様,ありがとう.ちなみにロウライトが切れてしまった場合には,ハイにしてヘッドライトの上半分にガムテープをはって当座をしのぐという技があるのを後で知った.

12/24
 今日は世の中的にはクリスマスイブらしい.ちなみに最近は昨日のことを「クリスマスイブイブ」と呼ぶらしい.研究室の助手が奥さんとクリスマスケーキを買ってきてくれたので皆で食す.

 最近は電球の神様が俺に試練を与えているのか,連続して家の門灯と車のヘッドライトの電球が切れた.どちらも特に問題もなく取り替えられたが,面倒ではあった.門灯は位置が高いし,ヘッドライトはそこら辺のスーパーでは売ってないし.ヘッドライトは左右の両方のロウビームが一度に切れたので,ヒューズを疑って無駄な時間を費やしてしまったのだが,電球が切れただけだった.電球はカー用品ショップで手に入れるわけだが,その時はやたら混んでいた.どうも冬タイヤへの交換作業待ちらしいのだが,店内の表示ではタイヤ交換は2時間待ちだった.ううむ,2時間あったら自分で代えておつりが来るくらいなのだがなあ.そんなに皆手を汚すのがいやか? その口で「最近の若いもんは3Kとか言って仕事を選んでけしからん」とか言うなよ.待ちまくっている人達をしり目に私は駐車場でボンネット開けてヘッドライトの交換.

 天皇杯では,今期でチームがなくなる横浜フリューゲルスが順調に勝ち上がっている.昨日は先シーズン優勝・今シーズン前期優勝のジュビロ磐田に勝ってしまった.試合をダイジェストで見るに,「良い選手がそろってたんだなあ」と思う.加茂監督で天皇杯に優勝したことはわりと好きだったのだが(アマリージャがなんかよかった),レシャック監督になってからはあまり見るべきところのないチームになってしまって(3-4-3はチャレンジングだったんだけどね)いる印象があった.が久々に見るといいプレッシングであのジュビロを圧倒して完勝.あるいは逆に,Jリーグのチームの強弱はモチヴェーションの差に過ぎないという見方もあるかもしれない.モチヴェーションの強さではいまや日本一だからねえ.

12/17
 現代統計学の始祖とも言うべきR. A. Fisherによると,「社会科学が科学の域に達したのは主として統計的方法の賜である」らしい(『研究者のための統計的方法(第13版)』1958年).まあ時代的にはこういう能天気な言い方も仕方ない.この間あった科学哲学会(サッカーワールドカップアジア第三代表決定戦があった日にあったやつ)では「あなた方(科学哲学者)の言う科学は社会科学や人文科学も含むのか?」という質問がでたりしたんだよなあ.
12/14
 なんと我らが(笑)ブランメル仙台が,天皇杯の三回戦で横浜マリノスに勝ってしまったという.

 本屋にあった「アルバイト・パート用履歴書」を「アパルトヘイト用履歴書」と読んでしまった.

 昨日,いわゆるソーカル事件に関して,東北大の理学部数学科の黒木氏に話を聞く会があった.哲学・教育政策・理論社会学・数理社会学といったバックグラウンドの人達が参加して色々な話があったのだが,この事件についての知識が人によって違ったので,あまり突っ込んだ話にはならなかったのが残念.というか色々な話に発展しうるので発散してしまったという感じか? ちなみに文学科の野家先生も参加の意志を表明したらしいが,主催者が断ったらしい.話が大きくなりすぎるということでその判断は分からなくもないが,やじ馬的には黒木vs野家の直接対決が見られなかったのは残念.この二人は面識もあり,少なくとも黒木氏は野家氏に尊敬の念を持っているようなので,それほど血みどろの事態にはならなかったっだろうけど.
 私は未だにどうこの事件を受け止めるべきか分からないのだが,少なくとも黒木氏が指摘するように,この程度の科学知識しか持っていない人々が大学で科学史や科学思想,科学論を教えているという現状は問題にするべきなのだろう.とりあえずこれに関する日本語の基礎文献は一通り揃ったので読んでから考えよう.「保守反動科学者」という言い方は「市民運動家」と同じくらいキャッチーなのでお気に入りだけど.

 先日書いた中沢新一の話は出典はここ

 ZDNetによると,例のMicrosoftの「IEは抱き合わせかOSの一部か」裁判でまた珍妙なことを言っているらしい.これによると,「もし(OEM先の)PCメーカーが,それぞれ勝手にWindowsソースコードを修正できた場合に,統一性や機能性が損なわれることは誰でも想像できる」(()内は引用者)その結果「『数百ものWindows非互換バージョン』が生まれ,やがてはWindowsが消滅することになる」んだそうな.で,現在を顧みるとWIndows3.1, Windows95 (OSR2, OSR2.1, OSR2.5), Windows98, Windows NT 3.51 (SP1-5), Windows NT 4.0 (SP1-4), Windows CE 1.0, Windows CE 2.0と数百もないがかなりのヴァージョンがある.ということでWindowsが消滅する日も近いんでしょう.

12/10
 最近になって日本でもソーカル事件やそれに引き続く「サイエンスウォーズ」についての言及が出始めた.
  私自身このソーカルの話を聞いたのは,黒木氏が東北大学内のbbsに書いた記事が最初だったので,かなり昔のはず.しかしながら未だにこれら騒動の中の自分の位置を決めかねている.非専門家の科学用語の誤用は私自身も常々不快であったので,とりあえず第一印象としてはいい気味だ,くらいのものであった.しかしその後は「学者の倫理」とか「冷戦後のアメリカの大学人事」とか色々な問題に飛び火していて,私はそのどの問題設定が妥当なのか,さらにそれらの問題への態度,というのを決めかねているのだ.わからんままに書いてみる.
 「学者の倫理」についてはソーカルがやったようなパロディ論文で査読者・編集者を試すということへの非難があるが,しかしじゃあ自分もよく分かっていないような専門用語をメタファに使うのは問題がないのだろうか.私自身は,これはあまり論じて意味のある問題ではないと思う.
 アメリカの大学の人事や政治的な背景に関する問題も(私は把握できてないのだけれども)色々示されている.しかしながらこれには(アメリカでのことということもあって)リアリティを感じられないのだ,残念ながら.日本でもこの点に踏み込んだ言及はそれほどないようなので,リアリティを感じられないのは多分私だけではないのだろう.日本では中沢新一が東大教授になり損なった話が近いという指摘もある(どこにあったっけ).これはその当時は「疑似科学問題」として私は捕らえていたが,サイエンスウォーズもそれでいいのかな?
 疑似科学ウオッチャーとして日ごろよく夢想することがある.疑似科学の中でも比較的多人数で色々やっているもの,例えば波動科学,はおそらくちょっとした「学会」といって良い組織をすでに気づいている.で,色々な「研究結果」や「実測データ」,「知見」も蓄積している.そうするとこれと「正統科学」はぱっと目には違いはないのだ.後は文部省がなんかの拍子に大学の学部とかに認めてしまえば,もはや波動科学は正統科学となんら違いがなくなってしまうのだ.しかしすでにポストモダニスト達が,疑似科学を正統科学の中に滑り込ませる計画を進行中ということなのだろう.そりゃ反発されるわな.そういうのを保守主義派の反動と言ってしまうのもねえ.

 やっぱまとまんねえや.

12/8
 ということで友人から『ジャイアントロボ』関係の情報をもらった.ここにウェブページがあるそうだ.カワラザキは「激動たるカワラザキ」だった.「激動たる」だぜ.「たる」.まあなんにせよ名前からして日本人・日系人だろう.日本人・日系人の活躍をこんなところで見れるのは心強い限り(嘘).
 まあそんなこと言いつつもお気に入りは「すばらしきフィッツカラルド」である.だってポールなんだもん.初登場の時は「こいつの名前は絶対ポールだ」と思ったもんね.
12/7
 先日書いた"Power Ranger"だが,先日たまたま見てしまった.なんと吹き替えであった.日本の番組をあちらで再構成したやつを逆輸入してまた日本で吹き替えするというのも何か変な感じ.

 ここ三か月キッズステーションで「ジャイアントロボ」のOVAをやっている.あの昔特撮だったアレである.私の友人ハイジャック未遂犯勧めているので見てみた.
 うん,面白かった.なんつっても敵の幹部(?)である十傑集の名前がすばらしい.だって「衝撃のアルベルト」「幻惑のセルバンテス」「すばらしきフィッツカラルド」だぜ(カワラザキはなんだったけ).死なないコ・エンシャクもポイント高し.科学的考証なんてまったく考えていない設定が吹っ切れていてよい.ロボットSFというよりは少年冒険活劇という感じだな.コ・エンシャクや村雨の不死身具合は『リングにかけろ』の「黄金の日本ジュニア」の死ななさ具合と通じるものがある.
 まだ最終話は放映されていない.来年1月だそうだ.楽しみ.

12/1
 何かケーブルテレビのどこかのチャンネルで"Power Ranger"をやるらしい.この番組については友人の山根氏警察幹部との関係を喝破しているので,警察ウォッチャーは必見である.

 江沢民主席の来仙は滞りなく終わったようだ.つまらん.しかし「外国公館等周辺地域」では違法な拡声器とかを使うと罰せられるらしい.そんな法律あるんだねえ.


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