【形容詞30題】 | |
01.ういういしい 02.なまめかしい 03.すがすがしい 04.こうごうしい |
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01.ういういしい 桜が咲く時期。 俺は、一つ学年が上がった。 先に来ていたであろう不二に新入生、見たと聞かれ、頷くと急いで着替える。2年生になったとはいえ、まだ1年生だという認識が残っているのだ。準備の為に倉庫に向かいその後準備運動に入る。 「何か、用かい?」 ああ、新入生か。 →2年になったばかりの乾と不二 02.なまめかしい 「なーなー、いーぬーいー」 背後から伸し掛かられ、思わず前方にのめくりそうになる。 「何の用だ、英二」 その瞬間、俺の眼の前にバッと開かれたのはヌード。えへへと笑う英二に予想外の出来事に俺は不覚ながら、何と返答していいか迷った。 「みてみて〜、これアイドルの●●にクリソツ〜」 俺の反応を楽しみにしているかのような菊丸を始めとする周囲のメンバー。眼の前に映るのは、俺も良く見るTVアイドルによく似た女優の裸だった。 「俺としてはもう少し…」 残念そうな英二は、すぐさま大石の方に向かって行った。いや、確かに青少年にとっては興味がないと言えば嘘になるが…俺としては全裸よりももう少し慎ましい方がいいのだが。俺の脳裏にはある人物の光景が浮かんでいた。その瞬間、背後から声を掛けられる。 「先輩たち、何やってんスか?」 鼓動が跳ね上がる。 スマン、俺は何よりも君のなまめかしい姿に興奮する男です。 →海堂に妄想する乾 03.すがすがしい 「ゲームセット ウォンバイ 乾 7−6!!」 審判の声が自分の耳に入ったのは、周囲がざわめき始めてから少ししてからだった。 思わず、ベンチの傍の皆の顔を見る。 けれども、この一勝は青学への勝利の為だけでなく けれど。 →立海大S3勝利本当におめでとう 04.こうごうしい 「2人とも、前回赤点スレスレだったんだろ?」 図らずとも、英二と桃城が前回そういう点数だった為にレギュラー入りしながらも試合に出れなくなるかもしれなかった、と大石から聞かされたのは一週間前。その為に今回はレギュラーメンバー合同で勉強会を行う事となった。 海堂や不二やタカさん、それに越前はまあ分からない部分だけを重点的に教えてやればいいが、問題はやはり英二と桃城。 「な、何のつもりだ?英二、桃」 俺も大石も、多分手塚や周囲に居た人々も突然の出来事に驚いたがそれから皆で大笑いし、笑い声が校庭中に響き渡っていた。 指導の成果か、俺達を拝んだ結果か、皆赤点と追試は免れたらしい。 →レギュラー一同で勉強会 05.くるおしい 中学でテニスは最後だ。 今、目の前にある進路調査票を見て俺は、何故か河村の言葉が脳裏に思い浮かんだ。青学は中・高・大とエスカレータ式ではあるしそのために俺達は受験戦争と呼ばれる入試を受けて入ってきたからだ。 テニスの他にもやりたいことはある。 今の自分にはテニスをしていない自分が見えない。 それでも、いつか俺はテニスを止める時が来る。 →河村に自分の将来を考える乾 06.つめたい じりじりと暑い日ざしに焼かれながら、流れる汗をぬぐう。 「乾先輩、ちょっといいっスか?」 声を掛けてきたのは桃城だった。桃城は今年青学テニス部に入部し、夏のランキング戦で一年ながらレギュラー入りしたばかりである。レギュラー入りした一年といえばもう1人いるのだが…それについてはまた後日にしよう。 「ばあ…いや竜崎先生がみんなにアイスおごってくれるって言うんで。先輩はどれにするっスか?」 いろいろな種類がある袋の中から、俺は某メーカーの氷菓を選ぶ。この暑い中でクリーム系は甘さが残り、水分摂取量が増える。そうなれば動きも鈍る。 「あ、先輩もそれにしたんっすか。それ美味いっスよね」 そう言って桃城も俺と同じ種類の違う味のアイスを選んで見せた。その反応が余りに真っ直ぐだから俺もつられて笑う。 「桃城、あんまり食いすぎるなよ!」 そう言うと、桃城は他の先輩にも配るといって袋を持って去っていった。 →桃との絡みって難しいなあ… 07.さみしい 例えば、ふと出来た空白の時間 その傍にいつも居たはずの君の姿がないことに気づく。 そんな日常の空白に出来た時間にふと考える 君の声が聞きたい →何気ない日々に海堂を想う乾 08.おいしい しまった… 購買のパンはおろか弁当まで全て売り切れだとは… 「やあ、海堂。これからお昼か?」 そう言って歩き出そうとした時、海堂から声を掛けられた。 「何か、ついてるか?」 慌てたように答える海堂に少し面白くなかったが、幸運にも海堂の弁当を屋上で一緒に食べることが出来たのは、怪我の功名とでもいうべき出来事だったことは付け加えておこう。 →海堂は美味しそうにご飯を食べる人が好きです。 09.いたいたしい 激しい音と同時に視界に飛び込んできたのは赤だった。 滴り 今過ぐ、この目の前のフェンスを飛び越えて彼の元に行こうとする衝動を押さえながら彼の方に視線を向ける。彼が、俺に視線を寄越す。 −止めないで下さい、先輩− 射るようなその強い眼差し。 結局、試合は海堂の勝利で終わったものの、打った場所ば場所なだけに海堂は病院へと検査を受けに行くことになった。出血量も多かったからもしかしたら何か後遺症でも残ったら大変だ。俺は竜崎先生に付き添うことを頼むと皆より一足先に海堂と会場を後にした。 幸いにも、海堂の怪我は出血量と反比例して軽症で済んだものの数日間は安静にしているように医者に言われたのであった。異常があれば直ぐに受診するように医師に説明するように強く言われると流石に練習馬鹿の海堂でも今日一日は大人しくすることにしたらしい。 「乾先輩」 そう言って、言葉途中で走り出そうとした海堂の腕を俺は無意識の内に掴んでいた。俺は、怪我をした場所を海堂の腕を掴んだ手と反対の手で撫でる。怪訝そうにその行為を振り払うこともなく見ながらじっとしている海堂。 →今更ですがG183その後捏造ネタ 10.したしい 「来週までに【友人】というテーマで簡単に何かを書いてきなさい」 そう言って教師から手渡された原稿用紙数枚。 【友人】 クラスメイト、小学校の頃の友人・・・色々考えてみるが一番思い出すのはテニス部の連中だろう。部活という共通の目的の元に一緒にやってきた。友であり、敵でありその結びつきは強いとしかいえない。特に現在のレギュラーメンバーはそうだと思う。 後に、その内容がテニス部レギュラーが殆ど皆同じ内容だったことに担当教師から見せ合ったのではないかという疑いももたれたが、考えることが一緒だったに過ぎない。俺達は子供だけど、考えることは一緒だったのだなと思うと、ほんの少し、照れくさかった。 →作文の宿題にて 11.かたい 「手塚ってさ〜、表情固いよね」 柔軟の途中で突然、不二にそう言われて俺は思わず声をあげた。不二が突然話を持ちかけてくるのはいつものことだが、何故それを俺に振ってくるのだろうか予想できない。大体、不二はこういう話は菊丸の方に振ってくることが多いのだが今日は俺に振ってきたこと自体に意味があるのだろう。 「乾はさ、その逆光眼鏡で十分にインパクトが強いけどまだ、手塚に比べれば判りやすいけどね」 さらりと失礼なことも言われたような気がするが、それを一々気にしている暇もない。結局、不二が言いたいことは何なのだろうかテニスに限らず、いつも掴めないのが常である。 「結局、何が言いたいんだ?」 その表情は、影で青学の魔王と呼ばれる不二に相応しい。そして俺も、その不二の提案に乗る確率は100% →青学参謀裏会議 12.もどかしい もう少し、皆と打ち解けられたら部活も楽しいだろうにと感じる。 海堂は、あの通り言葉も少ないし見た目のせいで結構勘違いしている人間が多い。だから、同じ1年同士でも余り誰かと一緒に居るのを見かけない。見ているとしたら桃城と喧嘩をするときぐらいであろうか。 もう少し人付き合いが良かったらなあと思う。 テニスは確かに個人競技だが、部活でもある。ならばチームメイトとの協調性も必要不可欠だと考える。だから、彼が1人でいるのが見ていてもどかしく感じるのだ。 そう思って約1年。 海堂は予想通りレギュラー入りを果たし、個性的な一同に囲まれて少しは印象が柔らかくなったような気がする。けれどもあの時感じたもどかしさは、確かに胸の奥にあったもので。 その代わり今の俺は、海堂に対する独占欲が占めている。 →海堂を初認識した頃 13.みにくい どうも最近また視力が落ちたような気がする。 おかげで、ノートを見るときも少し近づけて見る必要がある。 「乾」 大石に呼び止められる。俺は大石の方に向かうと、大石が鞄の中から何かを取り出し俺に手渡した。 「大石…」 手渡されたのは、よくTVの健康番組で出てくるブルーベリーの健康食品だ。確かに視力回復にいいと言われているしその効果は認めるが…何故それが大石の鞄に入っているのだろうか。確かに大石の鞄には胃薬が入っているぐらいだからこういうのが入っている可能性もある。部員の健康に気を使っているとは流石「青学の母」とでも言うべきなのだろう。俺は大石に礼を言いながら部室を出ると、大石は菊丸が待っているからと急いで駆け出していったのであった。 →大石が爽やか過ぎて怖い(汗) 14.あおい その真っ青なレギュラージャージ。 青春学園、通称青学だから青いレギュジャとは何とも偶然なのかそれともこじつけなのかは解らないが、そんなことは別の話だ。 予想通り、一番最初にそれに袖を通したのは手塚だったがその後不二や俺もそれに袖を通すことになり、それから大石、菊丸、タカさんの順に袖を通し始めたのであった。そういえば、桃城や海堂が始めて袖を通した姿を見た時は新鮮だったな。いつも喧嘩ばかりしていた2人だったが、その学年での2人の伸びはダントツであり予想よりも早く2人はレギュラー入りを果たした。 越前のレギュジャ姿は・・・少し苦いものを感じたな。 必ず、あの青いレギュジャで青学の一員としてあのコートに戻ると。 →レギュジャの色は誓いの色 15.ぬるい 「出来た!ようやく完成したぞ!!」 今度こそ、今度こそ絶対言わせてやる! 「全員集合!」 手塚の掛け声と同時にレギュラー全員が集合する。今日もレギュラーは別トレーニングメニューということで、俺の作ったメニューを基本として練習を進めていく。今日もペナル茶…いやペナルティーとして今日も皆の明日の元気の元【乾特製野菜汁 ヴァージョン0.89】が、練習後に皆に振舞われる予定だ。 「結構いけるよ」 け っ こ う い け る よ・・・ 「乾、今度も け っ こ う いけるね」 そんな不二に俺は敗北感に打ちのめされるのであった。だから不二がその後何ていったか海堂から聞いて、俺は更に闘志を燃え上がらせるのであった。 「あの程度の味で僕に賞賛を求めるなんて、ぬるいね乾」 →乾はやはりギャグでも不二に勝てない 16.つたない 「先輩、これ何て言うんスか?」 越前が、人に物を尋ねるのは珍しい。 2人が話しているのは、この間の越前が国語の時間にやっていたという国語の文章題の一つ。漢字の読みがどうしてもわからないという越前に桃城が教えてやろうとしたら桃城もわからないらしい。 「これは、『つたない』と読むんだよ」 俺が何か語ろうとした瞬間、越前はプリントを持ってどこかにいってしまった。折角越前に教えてやろうと思ったのに。越前はアメリカで育ったせいか英語は流暢だが、日本語はまだ危うい部分も多い。まあ、今の日本人は日本語にこだわっている訳ではないらしいので問題はないらしいが。 「日本語は、まだまだだね」 →拙い言葉で拙い気持ちを 17.おさない 手塚に映画を誘われる。 どうやら、親戚からチケットを貰ったのはいいが誰も見に行く人間がいないというのが原因らしい。俺としては、不二とか大石とか誘えばいいのではないかと思うし、何故俺なんだろうと考えつつ、普段見せない手塚の新しい一面が見れるという興味の方が勝って、つい着いてきてしまった。 映画の内容は、同性同士の恋愛と苦悩という地味目の作品。 映画の内容としては大衆向けではないが、時折見せる主役2人の好演とカメラワークの良さが気に入った。今度は彼と見に行けば、あの真っ直ぐな彼はどんな反応を返すのだろうかとシミュレートしてみる。 映画も終わり、俺と手塚は近くの喫茶店で少し話をすることにした。驚いたことに誘ったのは手塚だった。今日は普段とは違う手塚が見れることに頭の中のデータノートは更新されっぱなしだ。 あんな手塚を見ていると、彼も俺もまだ幼い子供だということを実感しつつ俺は携帯から【彼】に「あいたい」とメールを打っていた。 →恋は誰をもおさなく変える。 18.やわらかい 今日は菊丸の家に2年の皆で集まっている。 部屋の壁を占拠している大きな熊のぬいぐるみ そのぬいぐるみが余りに印象が強かったのか、話し合いをしながらも時折ふと時間があくとそのぬいぐるみに視線を移していた。 「なあ、菊丸」 菊丸がその動きで熊のぬいぐるみを持ってくると狭い部屋だというのにぐるぐると回し始めた。そんな菊丸の動きに不二が一瞬顔をしかめていたが菊丸は全く気がつかない。 「へへへー、かっわいいだろ。乾も抱いてみる?」 そう言って手渡された熊のぬいぐるみは、年代物とはいえまだ柔らかく、そのふわふわとした抱き心地が良かった。何故か不思議なその感覚に俺は結局菊丸の家を出るまでそのぬいぐるみを手放さなかったらしい。 →乾は以外に柔らかい触感に弱そうだ 19.まぶしい 多分、この光景は後々になっても俺のデータベースに刻まれていくのだろうという感覚がどこかにあった。 レギュラー全員で見た朝日。 今日の天気予報は曇り けれど、このときは晴れて欲しいと感じていた。陳腐ないいわけだが、何かが欲しかったのかもしれない。 →アニプリ73話より朝日の記憶 20.どくどくしい 「やあ、お久しぶりですね」 街を歩いていると背後から声を掛けられた。この話し方と声色から彼である確率は98.25%で間違いない。 「やあ」 聖ルドルフ学園の観月はじめ。 今日の観月の服装は女性が好んでよく着るブランドの、前たてフリルの付いたピンタックブラウス(色は紫の花柄)にストレッチタイプのカーゴパンツ(黒)をはいて目の前に立っている。 →観月の服装センス 21.こいしい 「俺、先輩のこと…」 そこから先の言葉が聞こえない。 夢を見る。 最初は頑張っているなあって思った。 チームメイトから意識するようになったのは何がきっかけだったんだろう。 海堂が恋しい、海堂が欲しいと。 →夢の中で囁く君に 22.やさしい 「乾、そろそろ時間じゃない?大丈夫なの?」 場所は河村家。 結局、タカさんは俺の愚痴というか落ち込みに約2時間以上付き合ってくれた。 「ありがとう、タカさん」 そのさりげないタカさんの優しさに、俺は明日こそ海堂に素直に謝ろうと思った。 →乾海痴話喧嘩に付き合わされるタカさん 23.よわい 現在、体温計は39.0℃を示している 咽頭痛・軽度の頭痛・食欲不振・体熱感・鼻汁・倦怠感・睡魔…身体を支配している全ての器官が、それを【風邪】だと訴えていた。 病院へ行って、簡単に吸入と点滴をしてもらい自宅で寝込むことを決めた。 「いーぬーいー」 「エージ、乾の風邪が酷いのかもしれないよ」 か、海堂? 「や、やあ…不二に菊丸」 不二に逆らうべからず。 →乾、3-6コンビに翻弄される 24.かなしい その知らせを聞いたのはかなり後のことだった。 目の前から彼が消えたのはあの試合の次の日。 「コーチ、きょ…いえ蓮二がまだこないんですけど」 先読みなどしようとしなければ、俺がもっとコーチを良く見ていればその態度の変化に気がついていたのだろうか。結局、試合は棄権することとなり俺は蓮二の家に電話しようとしたが、繋がらない。 彼はきっと知っていた、だから最後に試合をしようなどと言ったのだ。 俺は彼に別れを告げられることもなく、何も言わずに去った彼を思い出しながら今でも時々胸の内に残る微かな思い出を捨てきれずにいる自分を知っている。 今、その続きが始まる。 →柳との突然の別れと再会まで 25.うれしい 何気なく、今日は何か良いことが起こる予感がした。 昨日夜更かししすぎたせいか、少しだるさの残る体を騙し騙ししながら朝練へと向かう。いつも通りに皆がいて、海堂と大石はいつも通りに早くやってきて、菊丸はやや遅刻気味にやってきて、桃城と越前は遅れ気味に到着する。 それはいつもの1日と変わりなく。 俺は着替えて今日のデータを少し纏めてから戻ろうと、残るつもりだったその時に、海堂が俺の目の前にやってきた。 「やあ」 6/3 俺の誕生日。 「乾〜、ハピバー」 沢山のおめでとうという言葉が俺に降りかかる。それが俺への祝辞だった。 →海堂が一番最初に祝ったのは不二の提案 26.はげしい 4年と2ヶ月と15日 あの日以来ずっと彼を忘れたことは無かった。 −絶対、諦めんな− 脳裏に彼の声が聞こえる。 奥歯を強く噛み締める データに、蓮二への拘りを捨てる。 俺は自分の中にこんなに激しい感情があったことをずっと忘れていた。 →G212より。乾は更に進化して欲しいです(熱望) 27.あたたかい 関東、特に東京中心に久方ぶりに雪が降った。 「うわっ!」 コートのあちこちで悲鳴やら歓声が沸きあがっている。 「そぉーーーーれ!」 思考にふけっていた一瞬の隙をつかれ背中に雪を入れられた。 「不二!?」 その後直に姿を消した不二を追いかけて俺も皆の輪に加わった。結局、俺も皆も普段お目にかからない雪に興奮しているのだ。最後にはレギュラー全員を巻き込んでしまい、竜崎先生に後でこってりと絞られるのであった。 →3年になるまえの冬の1コマ 28.かしこい やはり、今回の試験は大石がトップか・・・ 壁の前に張り出された今回の中間試験の成績。その発表を一目見ようと生徒達が群れをなしていた。今回の結果は大石が学年トップ。手塚もベスト3に入っているし、俺もベスト10圏内には入っていた。理数系はともかく俺は好きでもない教科は殆ど力を入れないからそのバランスの悪さがネックだと教師が以前こぼしていたのを回想する。大石や手塚は全教科まんべなく点を取っているからあの位置にいるのだ。 「乾も見ていたんだ」 背後から声を掛けられて、少し視界を下にずらすとそこには不二がいつもの笑みを湛えて立っていた。不二も大抵ベスト30以内には入っており、今回は20位周辺をキープしていた。 「大石や手塚は流石だね」 2人でそんな会話を交わしながら、他のメンバーを探す。ああ…タカさんも英二も何とか赤点と補習は逃れたようだな。今回成績が悪ければ、次の大会には参加できない。前日まで大石は英二を、不二はタカさんに付き合って勉強を教えていたようである。という俺自身も昨日まで海堂と一緒に勉強していたのであった。その甲斐あったのか、先程何とか赤点は免れたと海堂から聞いたばかりであった。桃城も、越前も何とか免れたらしく安心する。 「これで、また今日から思いっきりテニスが出来るね」 不二は乾らしいや、と表情を崩さぬままにまた教室の方へ戻っていった。俺も次の予鈴が鳴り慌てて教室に戻って準備を始めた。 →乾は要領よく勉強できるタイプだと思う 29.ひどい 最近、皆の反応がやけに余所余所しい。 そう、あれは丁度最近完成させた『乾特製野菜汁』を飲んでもらったその後からであった。 その野菜汁を振舞った後、皆の反応が一変したのだ。 「い〜ぬ〜い〜、何なんだよ、あれ〜」 菊丸が話しかけてきたその背後から突然不二が現れる。何故かは解らないが目を丸くした菊丸の横で、野菜汁が旨かったと不二が絶賛してくれていた。試作だったが大丈夫だったらしいことを確認した。今度はもう少し改良してみたいところである。そんな中、自主トレを終えたらしい海堂たちが部室に戻ってくる。 「お疲れ、海堂」 海堂は俺の顔と野菜汁の入ったコップをたっぷり数秒見て唇を尖らせた。 「・・・え、遠慮しておくッス」 逃げるように去っていく海堂に俺はちょっとブルーになった。 →さて、一番酷いのは誰だろう? 30.なつかしい 桜が散っている。 俺の足は勝手にテニスコートに向かっていた。 いくつものいくつもの出来事が舞散る花びらに乗せて浮かんでは消えていく
声に振り向けば皆が居た。 花舞うテニスコートで →時期的に卒業捏造ネタ |
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04/04/10 All title complete
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