神宮大麻についての質問Q&A

神宮大麻はなぜ受けるのでしょう?

 伊勢の神宮は、皇室の御祖神(ミオヤガミ)であり、日本人の大御祖神(オオミオヤガミ)である天照皇大御神さまをおまつりしています。神宮は、私たちにとって総氏神にあたります。
大麻(たいま)=お伊勢さまのお神札(ふだ)=には、神宮の神楽殿で直接お受けいただくものと、全国の神社(氏神さま)を通じて毎年年末に神宮から各家庭に頒布(はんぷ)される天照大御神のお神札(神宮大麻)があります。
 この神宮大麻は、伊勢の神宮にお参りして、そのご神前を拝むのと同じ気持ちで、皆様方のご家庭においてもお参り出来るようにという意味で、お近くの氏神さま等を通じてお配りしています。
 すべてのものがあらたまる新年を迎えるにあたり、ご家庭や 会社の神棚に新たな神宮大麻と氏神さまのお神札をおまつりし、感謝 の祈りをささげることにより、皆様方の毎日に神様の限りなく広く大きなご神恩がいただけ、希望にみちた日々と明るい生活を築いて頂けます。

・なぜ、お正月にお神札を取り替えるのですか?

お正月、七夕、お盆、七五三等々、わが国には数々の年中行事があります。中でも一年の始まりであるお正月は、最も大切な行事です。お正月は門松を飾り、お節料理をつくってお迎えし、元日には、家族そろってお雑煮を食べ、お屠蘇をいただき、新しい生命を身に受けます。お正月に新しいお神札をおまつりするのも、新しい年に更なる神さまのご加護をいただくためです。
 また、古い「お神札」や「お守り」は今年一年を無事に過ごせたことに感謝して、氏神さまに納めましょう。氏神さまでは、納められたお神札を清浄な火で焚き上げします。
 お正月を迎えるにあたり、神棚を丁寧に掃除して、清らかな気持ちで、新しい「氏神さまのお神札」と共に「神宮大麻」をおまつりしましょう。

・氏神さまの御祭神が「天照大神さま」なのですが、神棚には「氏神さまの神札」と共に「神宮大麻」もおまつりしなくてはいけませんか?

 もちろんです。全国の氏神さまで、○○大神宮や神明・伊勢・天祖神社等の社名を持ち、天照大神さまをおまつりしている神社は多数あります。
 しかし、神名は同じ天照大神さまであっても、氏神さまはそれぞれ独自の由緒・歴史があります。また、「氏神さま」は、主に氏子の人々の信仰を受けて、それぞれの地域をお守り下さり、「お伊勢さま」は、日本人すべての崇敬を受けて、広く日本全体をお守り下さるのです。
 それぞれの地域に住む者として「氏神さまのお神札」を、そして日本人として「伊勢の神宮のお神札」をおまつりしましょう。

・神宮の神楽殿で授与しているお神札と、年末年始に氏神さまを通じて頒布される「神宮大麻」とでは、どのような違いがあるのですか? 

 「神宮大麻」は、天照皇大御神の「大御璽(オオミシルシ)」であり、大御神さまを日々拝むためのお神札として、氏神さまを通じて全国津々浦々の家庭に頒布されます。私たちは、神宮大麻を朝夕お参りすることで、天照皇大御神さまの広大無辺の御神徳をいただけるのです。
 一方、神宮の神楽殿で授与している授与大麻は「角祓(カクバライ)」や「剣祓(ケンバライ)」と呼ばれるもので、神宮へお参りした際の感激と喜びの中で、神宮を崇敬する真心によりお受けします。
 授与大麻の「角祓」や「剣祓」は、年末に頒布される「神宮大麻」や「氏神さまのお神札」と共におまつりします。

・神宮大麻には「大大麻」・「中大麻」・「大麻」の三種類がありますが、大きさによりご神威は異なるのですか?

 お神札の大きさにより、その御神威が異なることはありません。何よりも大切ことは、日々「おまつりする心」です。
 「大大麻」・「中大麻」・「大麻」の三種類はそれぞれ初穂料が異なり、皆さんの奉賛のお気持ちによりそれぞれお受け戴けます。

・忌中には、神宮大麻をお受けできないのですか?

 忌中は、神棚の前に白紙を貼り、一定期間は神棚まつりを慎みます。その期間は地方の習慣により異なりますが、一般的には50日間が標準と言えます。
 一所に生活、同居している家族の方が亡くなられた場合は、五十日祭(仏式では四十九日)の後、神社の神職に「清祓(キヨハライ)」をお願いして平常の生活に戻り、神棚まつりを再開します。
 その間に、「神宮大麻」や「氏神さまのお神札」が頒布される場合は、忌み明けまで神社にお預けして、忌みが明けてからおまつりしましょう。

・神宮大麻を包んでいる薄紙は取り除いて良いのでしょうか?

 「神宮大麻」はその奉製から頒布に至るまで「清浄」を第一に、それぞれのお祭りを重ねて、鄭重なお取り扱いがなされています。大麻をお包みしている「薄紙」は、各家庭に「神宮大麻」が届くまでに、汚れないようにするためのものです。
 お受けした神宮大麻は「薄紙」を丁重に取り除いてから、神棚にお納めしましょう。

       (この文は、神社本庁発行著書等より引用作成しました。)