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今月の特集

技術屋の やぶにらみ英国論(2) =

1)女王陛下のご来訪

何処でどう誤解があったのか、弊社のごとき町工場にエリザベス女王とフィリップ殿下がいらっしゃることとなった。
大騒ぎである。当日の様子を時間を追って述べれば

日本の親会社からトップクラス大挙して押し寄せた。お迎えのために数台のリムジンを駅に配車したが、田舎駅始まって以来のものものしさである。
現地人から式次第の概略を教わり,早速練習をする。何を練習するって?

お辞儀の仕方である。日本人は腰を中心に”く”の字に体を曲げるが、イギリス人は体はあくまで垂直を保ち、首だけを曲げる。
陛下への返事の仕方である。女王陛下には「Your Majesty」,フィリップ殿下には「Your Royal Highness」と言うらしい。

現地の作業者がおもしろそうにこちらを見て笑っている。先日、工場の地鎮祭を行ったが、その半時間前、会議室からなにやら音が聞こえる。覗いてみると部長をリーダーに柏手を打つ練習をしているのである。それを笑ったが今度はやり返された!

工場から全員退去させられ、犬が二匹走り回る。爆薬を探しているという。IRAの存在が身近に感じられた。

女王の乗せた車が工場に入ってくる。それに併せて工場の国旗掲揚台に女王旗を掲げる。この旗は工場を出られると同時に下げるわけで,女王のおられる所は必ず女王旗を掲げるらしい。

車の到着が遅かったので、運転手に聞くと「道を間違えた。」と言うのである。日本では天皇陛下の車が道を間違えるなんてあるぅ?

一列に並んでお出迎えする。女王と握手し頭を下げる。次にフィリップ殿下と握手をしたとき、「お前達,日本人と現地人の作業服の色が違うが何か理由があるのか。」と聞かれた。慌てて、「もとは同じ色です。」と答えるとにっこり笑って次へ行かれた。

英語が流暢に喋れれば次の事が言いたかった。
「イギリスの作業服は洗うと直ぐに色落ちがする。加えるに日本人は油まみれの仕事をするので年がら年中作業服の洗濯をし、一方現地のマネージャーは机の前に座っているだけなので洗濯をしないでいい。この結果,作業服の色の差になったのである。」

工場見学が終わり、来場を記念して写真にお二方のサインを頂く。そして工場を後にされた。